自衛隊を派遣できる非戦闘地域とは、自衛隊を派遣している地域のことだ?

小泉首相、「暴言録」にまた新しい記録を残すことに。
党首討論で、民主党の岡田代表に、自衛隊を派遣することができる「非戦闘地域」の定義を質問され、「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」と答えたそうな。「自衛隊が派遣できる地域とは?」と聞かれ、「自衛隊を派遣している地域だ」というのでは、禅問答にもならない。

いったい何を基準に自衛隊派遣を決断したのか、その基準、根拠が何もないから、こういう融通無碍の答弁が堂々とできるのだろう。ブッシュ大統領の言うがままに自衛隊を派遣し、いままたブッシュ大統領の言うがままに、ファルージャ総攻撃を支持する。困ったもんだ…。

党首討論:「自衛隊が活動する地域は非戦闘地域」 首相(MSN-Mainichi INTERACTIVE)
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傲慢というべきか、語るに落ちるというべきか

ファルージャ総攻撃についての記者会見でのラムズフェルド米国防長官の発言。「多数の犠牲者が出ることにはならない」というのは、「多少の犠牲者が出るのは仕方ない」ということ。これを傲慢といわずして、何を傲慢と言うべきか。さらに、語るに落ちたというのは、現在市内に民間人がどれだけいるかは「分からない」というコメント。民間人がどれだけいるか分からなければ、どれだけ犠牲が出たかも分からない訳で、結局、「多数の犠牲者が出ることにはならない」というのは口先だけの“申し訳”に過ぎないことが自ずと明らかになる、というものだ。

ファルージャの民間人犠牲「多数出ない」 米国防長官(asahi.com)
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英で「イラク戦争は間違い」6割に

日本の小泉首相とならんで、米軍のファルージャ攻撃に支持を表明している英ブレア首相だが、そのイギリスで、タイムス紙の世論調査で「イラク戦争は正しくなかった」という回答が57%を占めた。

労働党は、先の党大会で、かろうじてブレア政権支持の方針を決めたが、はたしてこのまま世論を乗り切れるかどうか…。

「イラク戦争は間違い」6割に=総選挙に影響か/英世論調査(時事通信)
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ファルージャ包囲作戦

イラクでは、ファルージャ市への総攻撃が始まっています。国連も警告を発した包囲殲滅作戦です。

アナン国連事務総長:米英イラク首脳に警告書簡 ファルージャ大規模掃討「議会選挙の妨げ」(毎日新聞)

ファルージャの人口は約30万。それを包囲・封鎖した上で、米軍とイラク軍を合わせて1万5000人を投入するというのだから、どれだけの犠牲がでることになるか――。想像に難くないと言うべきか、想像するのが恐ろしいと言うべきか。しかしメディアが入り込めていないので、流れる情報はすべて米軍情報。日本のメディアの取り上げ方も、当然ながら、米軍サイドのものになっている。実態がどうなっているのか、伝わってこないのが恐ろしい。

ところで、小泉首相がこのファルージャ総攻撃に「成功させないといけない」と賛意を表明した。インターネットでみるかぎり、支持を表明したのは、小泉首相と英ブレア首相だけのようだ。米英軍のイラク攻撃の支持はフセイン政権にたいするものだ、自衛隊派兵も人道支援だという言い訳が成り立ったかも知れない。しかし、ファルージャ総攻撃への支持表明は、この作戦の結果がどうなったとしても、イラク国民の相当部分を「敵に回す」もの。これで、日本は、少なくとも、スンニ派イラク国民からみれば立派な「敵」になってしまったのだ。そんな重大なことを、いとも簡単に、あっさりと言ってのけるあたりが、この総理大臣の凄まじいところなのかも知れない。

イラク:ファルージャ総攻撃 小泉首相「成功させないと」(毎日新聞)
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ハンガリーが来年3月末までの撤退を表明

バタバタして見逃していましたが、ハンガリーが、来年3月末までにイラクに派遣している自国軍を撤退させると表明しました。

これで、これまでに撤退済みの国は

  1. ニカラグア(2月)
  2. シンガポール(4月)
  3. ドミニカ共和国(4月)
  4. スペイン(5月)
  5. ホンジュラス(5月)
  6. ノルウェー(6月、司令部要員10人を残して撤退)
  7. フィリピン(7月)
  8. ニュージーランド(9月)
  9. タイ(9月)

の9カ国。
時期を明確にして撤退を表明したのが

  1. ポーランド(05年末までに)
  2. ウクライナ(04年末までに)
  3. オランダ(05年3月)
  4. ハンガリー(05年3月)

の4カ国。
他にポルトガル、ブルガリア、エルサルバドルが「撤退もありうる」との立場を表明しています。

ハンガリー首相、イラク撤兵表明 「3月末までに」 (asahi.com)
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自衛隊イラク派遣延長に「反対」63%

NHKの世論調査によると、自衛隊のイラクへの派遣を延長することについて、「賛成」が26%だったのにたいし、「反対」が63%と3分の2近くを占めました。
「反対」の理由としては、「サマーワが安全だという前提が崩れた」29%、「日本人がテロ事件に巻き込まれる危険性が高まっている」26%、「派遣そのものに憲法上問題がある」23%など。

内閣支持率上昇 54%に(NHKニュース)

それにしても、自衛隊のイラク派遣という憲法にかかわる根本問題でこれだけ反対がありながら、内閣支持率が50%を超える不思議。支持理由のトップが「他の内閣より良さそうだから」(54%)ということからも分かるように、ばく然とした“期待感”やマスコミが描き出す“改革イメージ”による部分が大きいというのが正直なところでしょう。
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警察が遺体の司法解剖をしたのなら

福岡県警が、イラクで武装組織に殺害された香田証生さんの遺体を司法解剖したそうです。

香田さんの遺体をイラクから日本に運ぶにあたっては、移送費は家族に負担させるという話がわき起こり、実際そうなったそうですが、県警が司法解剖したのであれば、捜査のために遺体を日本に搬送させたのだから、警察が移送碑を負担しなければならないでしょう。家族が移送費を負担するということは、その時点で、すでに遺体は家族に引き渡されているということを意味します。それを、日本国内に戻ったら、もう一度警察が取り上げて司法解剖するというのは、あまりに勝手なやり方です。

香田証生さんの遺体を司法解剖(読売新聞)

香田さん搬送費用「家族負担が原則」と官房長官(読売新聞)

まあ、普通、海外でテロにあった自国民に向かって、こんなことをいう政府というのはないと思いますけどね。
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イラク人質香田さん、遺体で発見

イラク国内で、武装集団に人質にとられていた香田証生さんが遺体で発見されました。民間人を人質にとり、要求が受け入れられないと殺害するという行為は絶対に許されるものではありません。

もともと、今回の事件では、香田さんが勝手にイラクにはいり込んだのが悪いと言わんばかりの雰囲気でしたが、どのような動機で入国したのであれ、だからといって殺害されても仕方ないという理由にはなりません。ご家族のみなさんに、心からお悔やみ申し上げます。

小泉首相は「テロには屈しない」と言いますが、イラク国民からみてみれば、一方的にイラク国家を破壊して、イラクを今のような混乱状況に陥れたのは、アメリカです。その大もとを解決しないかぎり、「テロとのたたかい」といっても何の展望も生まれてこないのではないでしょうか。

香田さん遺体で発見 指紋が一致、政府確認(共同通信)
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イラク駐留米兵が輸送任務を拒否

イラク駐留米軍の補給部隊の兵士17人が、イラク南部のタリル補給基地から、バグダッド近郊のタジまでの物資輸送任務を命じられたが、「車両の整備状態が極めて悪い」「武装護衛がない」などの理由で拒否し、米軍が規律違反に当たるかどうかの調査を開始したそうです。

米軍:イラク駐留兵17人、輸送任務を拒否「護衛ない」/軍が規律違反を調査(毎日新聞)
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ポーランドも来年1月からイラク撤退を開始

ポーランド大統領が、来年1月のイラク選挙後、ポーランド軍部隊の撤退を開始すると表明。ポーランドは、アメリカを除くと、イギリス、イタリアに次いで2400人もの部隊を派遣している国。

すでに「有志連合」36カ国のうち、スペイン、フィリピンなどがすでに撤退。ノルウェーも連絡要員を残して撤退、ニュージーランドも9月末に部隊を撤退させました。オランダは来年3月で撤退します。ポーランドに次ぐ派遣国であるウクライナも、1月のイラク選挙後の段階的撤退を表明しています。オーストラリアも、総選挙の結果によっては、撤退する可能性があります。

そんななかで、日本は、明確な根拠もなく、自衛隊の派遣の1年延長を決定。ポーランド、ウクライナが撤退すれば、「有志連合」で残る主要国は、イギリス、日本、あとは韓国などに限られてきます。日本政府は、いったいどうするつもりなんでしょう?

<イラク駐留>ポーランド軍、来年撤退へ(毎日新聞)
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イラク―5歳以下の27%が栄養失調

世界食糧計画(WFP)の調査で、イラクでは5歳以下の子どもの4人に1人以上が慢性的な栄養失調にあることが明らかに。また、全人口の4分の1がWFPがイラク当局と協力して実施している配給食料にたよらざるをえない状態です。しかもその4割は、生活必需品を手に入れるためにそうした配給食料を売らざるをえないというのです。こういう問題の解決こそ急がれるのではないでしょうか?

5歳以下の27%が栄養失調 イラクで国連調査(共同通信)
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国連事務総長も憲章違反と明言

国連のアナン事務総長が、イラク戦争について国連憲章に反した「違法」な戦争だったと明言。小泉さんが開戦時にしばしばもちだした「国際社会が共同して…」云々の口実は、これであらためて一切なりたたなくなりました。

同時に注目されるのは、現在のような治安悪化が続く限り、来年1月の直接選挙は「信頼にたる者とはなり得ない」との認識を示したこと。再び国連の場において、米英占領軍の早期撤退と国連の主体的関与によるイラク再建の方向が提起されることになると良いのですが。

ところでこの発言で困ったのは日本政府。官房長官は、「真意を確かめたい」というので精一杯だったようです。
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大量破壊兵器情報の誤りを認めた米国務長官

パウエル米国務長官が、議会上院委員会の証言で、「(大量破壊兵器の)なんらかの備蓄を我々が発見するということは、ありそうにないと思う」「我々は過去にさかのぼり、なぜ(現実と)異なる判断をしたのか突き止めねばならない」と発言。

しかし、今ごろになって「なぜ現実と異なる判断をしたのか」と言われてもねえ…。当時から「現実と異なる判断だ」という意見はいっぱいあったのだから。

<米国務長官>イラク大量破壊兵器情報の誤り認める(毎日新聞)

そういえば、 「この問題は、アメリカ対イラク、あるいはアメリカ対フランスの問題ではありません。『全世界対大量破壊兵器を持っているイラク』の問題であることを忘れてはいけないと思います」(小泉内閣メールマガジン 第86号 2003/03/13)と書いた小泉さんは、自分が「現実と異なる判断をした」ことについてどういう反省の弁を述べてくれるのでしょうか?
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相変わらずのやりたい放題

米軍は、イラク中部ナジャフ周辺でのサドル師派民兵組織との2日間の戦闘で武装勢力300人を殺害したと発表しました。ナジャフ県知事は、400人以上が死亡と主張。しており、米軍が相当大規模な軍事作戦を展開したことは確実。こういう事態を放置したまま、イラクは独立したといっても無力です。

米軍が掃討作戦、サドル派300人を殺害(読売新聞)
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誰もが認める治安の不安

国連決議にもとづき、アナン事務総長が、国連職員警護の部隊の派遣を求めたにもかかわらず、派遣を確約する国が一つもなかったそうです。

だからといって、米軍が国連職員を警護するとなると、国連の中立性が疑問視されるうえ、警護される職員がいっそう危険な立場におかれることにもなります。

国連職員の警護部隊、安全上の理由で派遣国少ない=米国連大使(ロイター)
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