サマワの治安担当者からの批判

イラク・サマワの地元ムサンナ州の警察本部長が、「治安情勢を知りたいなら、治安の実務責任者から話を聞くべきではないか」と、大野防衛庁長官と自民、公明の幹事長のサマワ訪問を批判。

つまりは、「あんたら、何しにきたの?」ということです。(^^;)

防衛庁長官の視察批判 サマワの州警察本部長(共同通信)
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訪中したドイツ首相、数十億ドルの対中投資で合意

ドイツのシュレーダー首相が訪中し、鉄道、金融分野などを中心に数十億ドルの対中投資の合意を結びました。この背景には、イラク戦争開始にあたって中国、ドイツ両政府がとった態度に現われたように、「双方は重要な国際問題の見方はほとんど同じ」(独シュレーダー首相)という立場があります。
首脳同士が相互に訪問できる関係があると、こういうふうに経済交流もすすむという証明でしょう。日中関係は、靖国問題だけでなく、日本政府のアメリカ追随の立場でも違いを見せています。「政冷経熱」と言われていますが、「政冷」のままでは、経済への影響もまぬかれません。さて、日本政府と日本経済界はどうするつもりでしょうか?

ドイツ、中国に数十億ドル投資へ・独首相が調印(NIKKEI NET)
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サマワの治安は安定(ただし、自分の行った時だけね)

 ピンポンパ?ン! 本日のサマワ方面の「治安」予報です。本日のサマワは、「治安安定」、ただし時々砲撃があるでしょう。(^^;)

サマワ滞在5時間半、自衛隊の車両で市内をちょろっと見て回っただけで、「治安は安定している」と言ってみても、余震と余震の間に現地入りして「地震は起きてない」というようなもの。誰も信用しないでしょう。派遣延長の閣議決定にむけた「セレモニー」にすぎないというのが分かっていても、あらためて、国民を小馬鹿にしたやり方に腹が立ちます。

派遣延長にあらためて意欲 サマワ視察後の大野長官(共同通信)
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国連特別顧問が、イラクの選挙、現状では不可能と批判

国連のブラヒミ事務総長特別顧問が、来年1月30日に予定されているイラクの選挙について、現状では実施不可能と発言。米軍の掃蕩作戦についても、「50人の敵を殺すことで、あらたな500人を抵抗運動に駆り立てている」と批判しました。

イラク選挙実施、現状では不可能・国連特別顧問[NIKKEI NET]
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世界でいちばん望まれない留任…

ラムズフェルド米国防長官の留任が決定。パウエル国務長官が退任したときに、“相撃ち”で、ラムズフェルドも退任かと言われたのですが…。残念っ!

米国防長官:大統領の擁護でラムズフェルド長官続投決まる(毎日新聞)
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谷口誠『東アジア共同体』読み終えました

谷口誠『東アジア共同体』(岩波新書)を、今朝の通勤電車のなかで読み終えました。読み始めたときの第一印象は前に書きましたが、読み終えた感想は「予想に違わず」で、中国、アジアとの関係重視、共同に21世紀の日本の発展の方向を展望するという点で、意外に共通点が多いのに驚くとともに、外交活動、それもOECDなど経済活動などに携わってきた人なりの視野の広さと深さがあって、学ぶべきところも多かったと思います。
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ASEAN首脳会議終了

11月29、30日にラオスの首都ビエンチャンで開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)およびASEAN+3(日本、中国、韓国)の一連の首脳会議が終了。

ということで、いろいろ考えてみたいので、とりあえず資料的なものを整理しておきます。

ビエンチャン行動計画要旨(共同通信)
日比首脳がFTA合意=看護師ら初めて受け入れ=差替[共同通信]
韓・ASEAN、来年からFTA交渉開始へ(朝鮮日報)
来年4月FTA交渉開始=日本とASEAN合意=差替[共同通信]
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米軍のファルージャ包囲作戦の犠牲6000人以上か

BBCは、11/27配信の記事の中で、イラク赤新月社のスポークスマンの話として、米軍のファルージャ包囲攻撃作戦の結果、6000人以上が犠牲になった可能性があると報道しました。

11/30の集会で、日本共産党の志位和夫委員長が紹介したのは、この記事(BBC NEWS | Aid reaches Falluja’s citizens)です。しかし、日本の主要メディアがこのニュースを報道した形跡は、管見の限り見られません。

BBCのなかでファルージャ市民の犠牲に言及した部分は以下の通り。

 〔赤新月社の〕スポークスマンは、この攻撃のなかで6000人以上の人々が死んだ可能性があり、数千世帯が緊急に支援を必要としていると話した。
 ……
 国連情報ネットワークによって報告されたコメントの中で、スポークスマンのムハマンド・アルヌリ氏は、赤新月社はファルージャをめぐる戦闘の中で6000人以上の人々が死亡しただろうと確信している、と話した。
 彼は、おびただしい死体のため、市内を動き回るのは困難である、と言った。ヌリ氏は、「死体はいたるところで見かけられるし、援助食料を受け取ったとき人々は泣いていた。非常に悲しい、これは人災だ」と話した。

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谷口誠『東アジア共同体』

本カバー

岩波新書の新刊、『東アジア共同体』(新赤版919)を読み始めました。

著者の谷口誠氏は、外務省入省、国連大使、OECD事務次長を経て、早稲田大学アジア太平洋研究センター教授などを務められた方です。だから、日米安保条約や日米関係については、「日米間には日米同盟が存在し、日米安全保障条約があり、日本の生存にとって、米国と健全な友好関係を維持していくことが重要なことは言うまでもない」という立場ですが、日本の対アジア外交において、日本が東アジア諸国に評価されてこなかった原因として、「過去の侵略戦争と、それに纏わる歴史認識の相違」とともに「戦後の日本外交」が対米重視政策であるためにに、「いっかんしたアジア重視政策がなかったこと」をあげられるとか、東アジア通貨危機の原因として「東アジアNIEsに、マクロ経済政策の一環として資本市場の自由化の促進を強く要求し、指導してきたIMF(国際通貨基金)、OECDの責任は大きい」と指摘されるなど、なるほどと思う指摘があちこちに登場します。
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来年のことをいうと、鬼が笑う?

大野防衛長官が今朝のNHK番組で「来年12月に多国籍軍の任務が終了することになっている。一つの区切りではないか」と発言。自衛隊のイラク派遣が来年12月で終了する可能性を示唆しました。

しかし、期待するように来年末にイラク「本格」政権が発足し、多国籍軍の任務が終了するかどうかは、いまのところ不透明と言わざるをえません。すでに、イラク主要政党が選挙の半年延期を申し入れています。また、「本格政権」が発足したとしても、米軍が撤退できるような状況になっているのかどうかも未知数です。

また大野発言を“裏読み”すれば、「本格政権」との話し合いで、自衛隊にもう少しいてほしい、ということになれば延長もあり得るとも受け取れます。アメリカの後押しで誕生する「本格政権」なら、そういう可能性も否定仕切れません。「多国籍軍なき自衛隊の駐留」――、はたして小泉政権はどうするつもりなんでしょう?

イラク自衛隊派遣、来年12月終了で検討(読売新聞)
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米軍再編のねらい

今日の日経6面の、米国防科学技術委員長ウィリアム・シュナイダー氏へのインタビュー(「米軍再編の狙いは」)は、米軍再編の狙いがどこにあるか、分かりやすく指摘しています。要旨を紹介すれば――

  • 冷戦終結に伴い、潜在的な脅威は、(ロシアなど)西ではなく、東(アジア)に存在するという認識の変化が背景にある。それは、近代化を進める中国軍とイスラム原理主義だ。
  • 米軍再編を促す軍事技術的な方向性は「軍事史例技術革命」(ブロードバンドを含めた商業ネットワークを活用し、迅速、かつ大容量のデータ通信網を前提とした軍事指令系統の構築)である。日本への米陸軍第1軍団司令部移転も、この「軍事指令技術革命」実現の一環であり、自衛隊との連携強化をめざしている
  • 指揮命令系統の相互運用性の向上が米軍再編の目玉であり、それを求める相手は、イギリス、オーストラリア、日本など信頼のおける同盟国に限られる。
  • 在沖縄海兵隊は、アジア太平洋地域で唯一の即応戦力だから、抜本的な削減は想定していない。

ということで、米軍再編が、ただ単に米軍の中だけの再編でなく、自衛隊との連携強化――しかも指揮命令系統の連携強化をめざすものだということが率直に明らかにされています。自衛隊が米軍の指揮系統のもとに一体化される、その危険性に、もっとメディアは目を向けるべきでしょう。
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日経世論調査でも、自衛隊「撤退すべき」61%

自衛隊のイラク派遣について、日経の世論調査でも「延長せず、撤退すべき」が61%にのぼりました。NHK(11/8)「反対」63%読売(11/16)「反対」53%など、どの世論調査でも反対が過半数を占めています。

自衛隊イラク派遣延長慎重論61%/日経世論調査(NIKKEI NET)

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日中首脳会談のやり取りをどう読むか

日中首脳会談にかんするブログの書き込みについて総じて質が悪いと書きましたが、そんななかで、珍しくまっとうに読ませる記事を発見しました。

日中首脳会談、けっこうおもしろかったかも。――駆け引きはこれから。(Tomorrow’s Way)

首相の靖国神社参拝そのものについていえば、僕は、憲法の政教分離の立場からみて許されないと考えますが、yodaway2さんの「中国側の主張を裏返せば、靖国問題を解決できれば日中関係はもっと発展できるということだ」という指摘は全く同感です。

中国側が問題にしているのは、A級戦犯が合祀されている靖国神社に首相が参拝すること。戦没した国民一般を追悼することに反対している訳ではありません。、もともと天皇のために戦死した「忠臣」を祀る靖国神社がそれにふさわしい施設だとは僕は思いませんが、それは国内問題というのが中国側の立場でしょう。

だから、靖国参拝問題を解決して、日中両国関係の発展をはかることは十分可能だし、中国側はその道筋をくり返し示唆してきたと思います。その意味でむしろ、靖国参拝問題は日本の国内政治の問題だといえるのではないでしょうか。経済的に見て、いまや日本は「中国さまさま」の状態。さらに、北朝鮮問題の6カ国協議、あるいはASEAN+3の展開など、日本を取り巻く国際環境の発展という点でも、日中関係を進展させることは、十分日本の利益になって、おつりがくるぐらいだと思うのですが…。

第2期ブッシュ政権はテオコン支配?

2期目のブッシュ政権は、「ネオコン」ならぬ「テオコン」――テオロジー(神学)、つまり宗教原理主義+ネオコンサバティブ(新保守主義)に支配されているというお話…。

中身は“いかにも…”の記事だけど、実際、ブッシュ再選に果たした宗教原理主義勢力の役割は無視できないものがあります。…あ〜あ(タメ息)

米国を完全に2分裂させ始めた「テオコン支配」 – livedoor ニュース
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韓国・盧武鉉大統領のロス演説

韓国の盧武鉉大統領が、11月12日、ロサンゼルスで演説をおこないました。そのなかで、アメリカの北朝鮮封じ込め政策にたいし、「北朝鮮にたいする武力行使の話をすると、韓国国民は戦争をまず思い浮べる」と述べ、封じ込め政策にたいする懸念を表明。また、北朝鮮の核兵器について「外部の脅威から自国を守るための抑制手段と主張するのは一理ある側面がある」とも発言し、議論を呼んでいます。

「北朝鮮封じ込め政策は望ましくない」(韓国・東亜日報)
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当然予想されたことだが

イラクのシーア派の指導者サドル師派が、「自衛隊は占領軍」と規定したそうです。

日本政府が、米軍のファルージャ掃蕩作戦を支持した以上、当然予想された事態ですが、自衛隊への攻撃の危険が増すことになります。それに反撃して、自衛隊による初めての“戦闘”がおこなわれることになるのか? このまま何もせず、そういう事態に立ち至ってしまって、本当によいのでしょうか。あらためて日本の対イラク政策全体を抜本的に見直すべき時期に来ていると思います。

自衛隊を占領軍と規定 イラクのサドル師派(共同通信)
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ウィ・ギチョル『9歳の人生』

9泣??人生カバー

主人公の少年ペク・ヨミンは9歳の男の子。ソウル近郊の「山の町」と呼ばれる貧民街で暮らしています。「山の町」というのは、この町が急勾配の山の斜面にはりつくようにつくられているからで、町には水道もなく、雨が降れば雨漏りばかりするような家がびっしりと並んでいます。そんな町で、空想壁のあるキジョンや6年生のガキ大将・黒ツバメと遊んだり、けんかしたり、そんな少年のたくましい生活を「僕は…」という語り口でえがいています。
小学校では、ヨミンの隣にウリムという女の子が座っています。ところが、このユリムは…
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ハンガリー、イラク派遣兵の年内撤退へ

ハンガリー国会は、ジュルチャニ首相が提案したイラク派兵の来年3月末までの延長案を否決。これにより、ハンガリーは今年末までに(つまりあと1カ月半で)撤退することになりました。

また、ルーマニアは、来年6月末撤退の考えを表明。asahi.comではこれを「早期撤退」と言ってますが、多くの国が1月の選挙を1つの目処にして撤退や派遣の再検討を表明しており、けっしてルーマニアだけが「早期撤退」ではありません。念のため。

イラク派兵延期案否決、ハンガリーは年内撤退 – asahi.com : 国際
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