読売新聞の世論調査でも、政府の自衛隊イラク派遣延長について、「支持しない」が53%にのぼり、「支持する」の25%を大きく上回りました。
同調査では、自衛隊のイラク派遣そのものについては、53%が「評価する」と回答していますが、それにもかかわらずというか、イラク派遣を「評価する」という人のなかからさえ、派遣延長には「反対」の声が広がっていると言うことです。
読売新聞の世論調査でも、政府の自衛隊イラク派遣延長について、「支持しない」が53%にのぼり、「支持する」の25%を大きく上回りました。
同調査では、自衛隊のイラク派遣そのものについては、53%が「評価する」と回答していますが、それにもかかわらずというか、イラク派遣を「評価する」という人のなかからさえ、派遣延長には「反対」の声が広がっていると言うことです。
米軍がファルージャ市全域を「100%制圧」しました。しかし、いったいどれだけの犠牲が出ているのか、攻撃されたのは本当にテロリストだったのか。米海兵隊大佐は「8日の作戦開始以降、武装勢力1000人以上を殺害、拘束者も1000人以上に上る」(毎日新聞)と語ったそうですが、民間人の犠牲者がどれぐらいにのぼるかは、いまのところまったく不明です。
さらに、小泉首相が思わず語ったように、このファルージャ制圧作戦がアメリカにとって見ても「成功」だったといえる結果を残すかどうか。かえってイラク国内の反米感情――少なくともスンニ派の――を強め、対立を複雑にしただけで終わるのではないか。そうなったとき、アメリカはいったいどうするつもりなのだろうか。そして、作戦「成功」を願い「支持」を表明した小泉首相は…。すでに、ファルージャ以外の地域では、米軍や米軍の支配下にあると見なされるイラク暫定政府、警察などを標的にしたテロが続発しています。
ファルージャ:米軍制圧 とんでもない破壊と、内部の声も(MSN-Mainichi INTERACTIVE)
ファルージャ:米軍”完全制圧” 残存勢力の壊滅目指す(MSN-Mainichi INTERACTIVE)
「ファルージャ、路上に多数の遺体」/中東TV(NIKKEI NET)
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パレスチナ解放機構(PLO)とパレスチナ自治政府のアラファト議長が亡くなりました。
アラファト氏は、「パレスチナの不死鳥」と言われたことがあったように、政治的に何度も失脚しそうになりながら、その都度復活。パレスチナ民衆からはパレスチナ解放の象徴と見なされてきました。10年前には、イスラエルのラビン元首相と暫定自治で合意。イスラエル国家の存在を認めた上での自治・独立の路線を現実化させました。
しかし、ラビン首相の暗殺いらい、イスラエル側が強硬化したたため、その暫定自治合意も大きな困難に直面しています。ブッシュ政権の、「テロにたいする先制攻撃」戦略がイスラエル強硬派を増長させていることも大きな要因になっています。
小泉首相、「暴言録」にまた新しい記録を残すことに。
党首討論で、民主党の岡田代表に、自衛隊を派遣することができる「非戦闘地域」の定義を質問され、「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」と答えたそうな。「自衛隊が派遣できる地域とは?」と聞かれ、「自衛隊を派遣している地域だ」というのでは、禅問答にもならない。
いったい何を基準に自衛隊派遣を決断したのか、その基準、根拠が何もないから、こういう融通無碍の答弁が堂々とできるのだろう。ブッシュ大統領の言うがままに自衛隊を派遣し、いままたブッシュ大統領の言うがままに、ファルージャ総攻撃を支持する。困ったもんだ…。
ファルージャ総攻撃についての記者会見でのラムズフェルド米国防長官の発言。「多数の犠牲者が出ることにはならない」というのは、「多少の犠牲者が出るのは仕方ない」ということ。これを傲慢といわずして、何を傲慢と言うべきか。さらに、語るに落ちたというのは、現在市内に民間人がどれだけいるかは「分からない」というコメント。民間人がどれだけいるか分からなければ、どれだけ犠牲が出たかも分からない訳で、結局、「多数の犠牲者が出ることにはならない」というのは口先だけの“申し訳”に過ぎないことが自ずと明らかになる、というものだ。
日本の小泉首相とならんで、米軍のファルージャ攻撃に支持を表明している英ブレア首相だが、そのイギリスで、タイムス紙の世論調査で「イラク戦争は正しくなかった」という回答が57%を占めた。
労働党は、先の党大会で、かろうじてブレア政権支持の方針を決めたが、はたしてこのまま世論を乗り切れるかどうか…。
イラクでは、ファルージャ市への総攻撃が始まっています。国連も警告を発した包囲殲滅作戦です。
アナン国連事務総長:米英イラク首脳に警告書簡 ファルージャ大規模掃討「議会選挙の妨げ」(毎日新聞)
ファルージャの人口は約30万。それを包囲・封鎖した上で、米軍とイラク軍を合わせて1万5000人を投入するというのだから、どれだけの犠牲がでることになるか――。想像に難くないと言うべきか、想像するのが恐ろしいと言うべきか。しかしメディアが入り込めていないので、流れる情報はすべて米軍情報。日本のメディアの取り上げ方も、当然ながら、米軍サイドのものになっている。実態がどうなっているのか、伝わってこないのが恐ろしい。
ところで、小泉首相がこのファルージャ総攻撃に「成功させないといけない」と賛意を表明した。インターネットでみるかぎり、支持を表明したのは、小泉首相と英ブレア首相だけのようだ。米英軍のイラク攻撃の支持はフセイン政権にたいするものだ、自衛隊派兵も人道支援だという言い訳が成り立ったかも知れない。しかし、ファルージャ総攻撃への支持表明は、この作戦の結果がどうなったとしても、イラク国民の相当部分を「敵に回す」もの。これで、日本は、少なくとも、スンニ派イラク国民からみれば立派な「敵」になってしまったのだ。そんな重大なことを、いとも簡単に、あっさりと言ってのけるあたりが、この総理大臣の凄まじいところなのかも知れない。
バタバタして見逃していましたが、ハンガリーが、来年3月末までにイラクに派遣している自国軍を撤退させると表明しました。
これで、これまでに撤退済みの国は
の9カ国。
時期を明確にして撤退を表明したのが
の4カ国。
他にポルトガル、ブルガリア、エルサルバドルが「撤退もありうる」との立場を表明しています。
NHKの世論調査によると、自衛隊のイラクへの派遣を延長することについて、「賛成」が26%だったのにたいし、「反対」が63%と3分の2近くを占めました。
「反対」の理由としては、「サマーワが安全だという前提が崩れた」29%、「日本人がテロ事件に巻き込まれる危険性が高まっている」26%、「派遣そのものに憲法上問題がある」23%など。
それにしても、自衛隊のイラク派遣という憲法にかかわる根本問題でこれだけ反対がありながら、内閣支持率が50%を超える不思議。支持理由のトップが「他の内閣より良さそうだから」(54%)ということからも分かるように、ばく然とした“期待感”やマスコミが描き出す“改革イメージ”による部分が大きいというのが正直なところでしょう。
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米大統領選挙で、638人しか投票していないのに投票結果がブッシュ4258票、ケリー260票となるなど、電子投票が実施された地域で異様な「結果」が出ていると、市民団体が指摘しています。
投票日直前に、電子投票のプログラムのセキュリティが全然できてなくて外部からデータにアクセス可能だというニュースも流れました。そういうときに「数え直し」ができない電子投票は、選挙制度にたいする信頼を根本から揺るがすものです。
福岡県警が、イラクで武装組織に殺害された香田証生さんの遺体を司法解剖したそうです。
香田さんの遺体をイラクから日本に運ぶにあたっては、移送費は家族に負担させるという話がわき起こり、実際そうなったそうですが、県警が司法解剖したのであれば、捜査のために遺体を日本に搬送させたのだから、警察が移送碑を負担しなければならないでしょう。家族が移送費を負担するということは、その時点で、すでに遺体は家族に引き渡されているということを意味します。それを、日本国内に戻ったら、もう一度警察が取り上げて司法解剖するというのは、あまりに勝手なやり方です。
まあ、普通、海外でテロにあった自国民に向かって、こんなことをいう政府というのはないと思いますけどね。
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まだ最終確定はしていませんが、どうやらブッシュ大統領の再選が決まりそうです。日本時間11月3日23時現在で、ブッシュ側の獲得選挙人数が254で、過半数まであと16に迫りました。選挙人20人のオハイオ州でもブッシュ優勢ということですので、ほぼ間違いないと報じられています。
投票日直前になって、ビンラディンのテロ予告ビデオが公開されるなど、選挙誘導と思われるような出来事もありましたが、率直な感想を言えば、やっぱりアメリカ人は、自己中で、世間知らずな田舎者だということ。それと、イラク戦争を争点に押し出そうとしたものの、結局、民主党も“同じ穴のムジナ”だということ。世界にとっては、新しい不幸な4年間となりそうです…。
いくら、首相が言い張ってみても、迫撃砲が飛んでくるようなところが「非戦闘地域」というのは永田町以外では通用しないわなぁ…。
南米のウルグアイの大統領選挙で、左翼のタバレ・バスケス候補が当選。バスケス候補は、社会党、共産党など20以上の左派・中道勢力からなる「拡大戦線」から立候補。同国大統領選挙は、過半数を占める候補者がいない場合は上位2人による決選投票がおこなわれますが、バスケス候補は、開票率87%で得票率が50.4%。決選投票を待たずに当選が決定しました。
南米では、ベネズエラ、ブラジル、アルゼンチンなどで、あいついで左翼政権が誕生しています。
イラク国内で、武装集団に人質にとられていた香田証生さんが遺体で発見されました。民間人を人質にとり、要求が受け入れられないと殺害するという行為は絶対に許されるものではありません。
もともと、今回の事件では、香田さんが勝手にイラクにはいり込んだのが悪いと言わんばかりの雰囲気でしたが、どのような動機で入国したのであれ、だからといって殺害されても仕方ないという理由にはなりません。ご家族のみなさんに、心からお悔やみ申し上げます。
小泉首相は「テロには屈しない」と言いますが、イラク国民からみてみれば、一方的にイラク国家を破壊して、イラクを今のような混乱状況に陥れたのは、アメリカです。その大もとを解決しないかぎり、「テロとのたたかい」といっても何の展望も生まれてこないのではないでしょうか。
出張2日目です。今日は、ずっと雨が降り続いて、建物の中に閉じ込められています。
昨日から読み始めた莫言の小説『赤い高粱』は、第1章を読み終えて、第2章の真ん中ぐらいにさしかかっています(もちろん、仕事をしながら、休憩どきや寝る前に読んでいるだけですが)。
「わたし」の父と祖父、祖母の話(これがちょうど日中戦争の頃)、そして祖父、祖母の若かったときの話を、「わたし」が故郷の昔話として語るという感じで、話がすすんでいきます。そして、その父が子どもの頃の話と、祖父、祖母が若かったときの話とが、一面の赤い高粱畑を舞台としながら、折り重なるように語られていくので、読んでいると不思議な感じがします。莫言の『赤い高粱』は、全部で5つの話からなる連作で、岩波現代文庫にはそのうち第1作と第2作が収められています。あとの3作についても読んでみたくなりました。
中国の作家・池莉の『ションヤンの酒家』(小学館文庫)を読みました。映画「ションヤンの酒家」の原作ですが、いわゆるノベライズではなく、ホントの原作(原題「生活秀」)です。
映画は見逃してしまったのですが、小説は非常に面白かったです。主人公・来双揚(ライ・ションヤン)は、映画だと30代になったばかりぐらいに見えますが、原作だと、もう少し年がいっているように感じます。そのションヤンが、妹や兄夫婦、甥っ子、父親などに悩まされながら、下町の屋台を切り盛りしている。そういう“いま”を生きる庶民の強かな暮らしが描かれています。
今日は、渋谷で「モンスター」を見てきました。シャーリーズ・セロンがアカデミー賞最優秀主演女優賞をもらった映画。実在の女性死刑囚アイリーン・ウォーノスの物語です。
舞台は80年代のフロリダ。13歳から娼婦として暮らしてきたアイリーンは、偶然、ゼルビーと出会う。ゼルビーは、父親から同性愛の治療を命じられて、フロリダへやってきていた。意気投合した2人は、一緒に暮らすことを決意。アイリーンは、そのための資金を手に入れようと男を誘ったが、その男は娼婦に暴力をふるうことで興奮する野郎だった…。やむを得ずアイリーンは男を殺し、金とクルマを奪ったが…。
シャーリーズ・セロンは、この映画のために13キロ体重を増やしたそうです。そのうえ、目元にたるみ、シミやそばかすだらけのメイキャップで、まったくブロンド美人の面影はありません。他方で、アイリーンが“愛”したゼルビーを、童顔(その実、もう24歳なんですが…)な、だけど“脱ぐと私すごいんです”のクリスティーナ・リッチが演じています。しかし、このゼルビーがなかなかのくせ者です。(以下、ネタばれの可能性あり)
イラク駐留米軍の補給部隊の兵士17人が、イラク南部のタリル補給基地から、バグダッド近郊のタジまでの物資輸送任務を命じられたが、「車両の整備状態が極めて悪い」「武装護衛がない」などの理由で拒否し、米軍が規律違反に当たるかどうかの調査を開始したそうです。
先週公開の「ツイステッド」を見てきました。カリフォルニアを舞台にした警察もののサイコ・ミステリー?です。
警官ジェシカ(アシュレイ・シャド)は念願かなって殺人課に配属されるが、そのとたんに、連続殺人事件が発生。被害者はいずれもジェシカが関係をもった男たち。しかも、泥酔していたのか、ジェシカには犯行時の記憶がない…。一方、ジェシカの周辺には、ストーカーらしき影も…。はたしては犯人は…?
twistedというのは、「ねじられた、より合わされた」という意味とともに、「(真実が)ねじ曲げられた、歪曲された」とか、「(心が)ねじ曲がった、ゆがんだ」という意味を持っています(小学館『プログレッシブ英和中辞典 第3版』など参照)。そのタイトルどおり、お話はかなり絡み合っています。ストーリーがすすむにつれて、ジェシカ本人も、自分には密かに“暴力”への志向(嗜好?)があるのではないかと思えてくる…。なかなか、凝ったつくりになっています。