アメリカABCテレビとワシントン・ポスト紙の世論調査で、イラク戦争について「戦う価値がなかった」という回答が56%に。ブッシュ大統領のイラク政策に「不満」も57%にのぼりました。
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米、北朝鮮の体制打倒を目指さず
2期目を目指すブッシュ政権が、対北朝鮮政策の基本路線として、金正日体制の転覆をねらうのでなく、現体制の継続を前提とした「体制変革(レジーム・トランスフォーメーション)」を目指す方針を固め、北朝鮮、韓国には通告済みだと、朝日新聞が報じています。
外交交渉である以上、相手国の体制転覆を方針にしたのでは交渉になりません。その意味でアメリカ政府の方針転換は当然のことといえますが、それによって、一部の政治家やメディア、評論家の“北朝鮮をぶっ潰せ”と叫べばいいみたいな論調の道理のなさが、あらためて示されたとも言えます。
だからミサイル防衛システムなんて、そんなにうまくいかないんだって
ブッシュ政権が2004年内の実戦配備を目指していたミサイル防衛システムですが、15日に地上配備型迎撃ミサイルの飛行実験に失敗。その結果、同システムで初の実戦配備を目指していたアラスカ州フォートグリーリー基地の地上配備型迎撃ミサイル六基の稼働が来年にずれ込むことが明らかになりました。
米国務副長官、やや軌道修正?
昨日、小池百合子沖縄北方担当相との会談で、経済制裁発動に慎重姿勢を見せたと報道されたアーミテージ国務副長官が、平沼赳夫・拉致議連会長との会見で、「アメリカは決して消極的ではない」と、態度を「軌道修正」させたと報道されています。
しかし、「段階を踏んでおこなうことが大事」と述べたほか、制裁をおこなうかどうかはあくまで日本政府の問題として、アメリカ政府から「経済制裁をやるべし」とは絶対に言わないという立場は変わっていません。、安倍晋三・自民党幹事長代理の「経済制裁で一挙解決」発言などには同調しない態度は明確。そこがポイントでしょう。
米国務副長官、経済制裁に慎重
北朝鮮に対する経済制裁が取沙汰されていますが、アーミテージ米国務副長官は、制裁発動に慎重であるべきだとの考えを示しました。訪米して会談した小池百合子沖縄北方担当相が明らかにしたもの。
小池百合子担当相は、「制裁カードとして見せていることが有効だ。実際にやれば大変だ」とかタイミングの問題として理解したみたいですが、アメリカが関心を持っているのは、日本が経済制裁を発動することで6カ国協議の枠組みが壊れるのではないかということ。その立場から、日本の“暴走”を牽制したものと思います。
拉致問題については、北朝鮮の交渉担当者も、拉致を実行した諜報機関の協力が得られないと言っており、北朝鮮指導部が、諜報機関にメスを入れてでも、この問題の解決を図るという決断をしない限り、先への展開が望めない状況になりつつあります。その意味で、日本側の「交渉」の質も、これまでとは異なる段階に踏み込まざるを得なくなっていると思います。
アメリカ政府の正体見たり
イラク戦争開始前に、アメリカ政府が、アメリカに従わず、「大量破壊兵器保有を裏付ける証拠はない」と主張しつづけたIAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長の電話を盗聴していたと、ワシントン・ポスト紙が12日付で報道。
ブッシュ再選と6カ国協議
asahi.comに、韓国元外相の孔魯明氏の発言が掲載されています。ブッシュ再選やライス大統領補佐官にたいする評価はともかく、韓国から見れば、北朝鮮の核開発問題をどう解決すべきと考えているか、非常に分かりやすいものと思います。
日本では、北朝鮮問題というと、即、「拉致」問題となってしまいがちですが、国際社会のこうした議論にも目を向けて、核問題の解決のなかで、日本の問題も解決していくという総合的視野が求められているのではないでしょうか。
ラムズフェルドの訪問に米兵の不満爆発
ラムズフェルド米国防長官が、激励のつもりでクウェートの米軍基地を訪問し、兵士2000人との直接対話にのぞんだところ、「兵士がなぜごみ捨て場で、さびついた金属や被弾済みの強化ガラスをあさり、車両に取り付けなくてはいけないのか」「州兵は正規兵より悪い装備を渡されている」「駐留任期の延長をいつまで続けるのか」など次々に苦情をあびたそうです。
これも、米軍のイラク駐留の泥沼化の反映と言うことができるでしょう。
世界でいちばん望まれない留任…
ラムズフェルド米国防長官の留任が決定。パウエル国務長官が退任したときに、“相撃ち”で、ラムズフェルドも退任かと言われたのですが…。残念っ!
米軍再編のねらい
今日の日経6面の、米国防科学技術委員長ウィリアム・シュナイダー氏へのインタビュー(「米軍再編の狙いは」)は、米軍再編の狙いがどこにあるか、分かりやすく指摘しています。要旨を紹介すれば――
- 冷戦終結に伴い、潜在的な脅威は、(ロシアなど)西ではなく、東(アジア)に存在するという認識の変化が背景にある。それは、近代化を進める中国軍とイスラム原理主義だ。
- 米軍再編を促す軍事技術的な方向性は「軍事史例技術革命」(ブロードバンドを含めた商業ネットワークを活用し、迅速、かつ大容量のデータ通信網を前提とした軍事指令系統の構築)である。日本への米陸軍第1軍団司令部移転も、この「軍事指令技術革命」実現の一環であり、自衛隊との連携強化をめざしている。
- 指揮命令系統の相互運用性の向上が米軍再編の目玉であり、それを求める相手は、イギリス、オーストラリア、日本など信頼のおける同盟国に限られる。
- 在沖縄海兵隊は、アジア太平洋地域で唯一の即応戦力だから、抜本的な削減は想定していない。
ということで、米軍再編が、ただ単に米軍の中だけの再編でなく、自衛隊との連携強化――しかも指揮命令系統の連携強化をめざすものだということが率直に明らかにされています。自衛隊が米軍の指揮系統のもとに一体化される、その危険性に、もっとメディアは目を向けるべきでしょう。
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第2期ブッシュ政権はテオコン支配?
2期目のブッシュ政権は、「ネオコン」ならぬ「テオコン」――テオロジー(神学)、つまり宗教原理主義+ネオコンサバティブ(新保守主義)に支配されているというお話…。
中身は“いかにも…”の記事だけど、実際、ブッシュ再選に果たした宗教原理主義勢力の役割は無視できないものがあります。…あ〜あ(タメ息)
傲慢というべきか、語るに落ちるというべきか
ファルージャ総攻撃についての記者会見でのラムズフェルド米国防長官の発言。「多数の犠牲者が出ることにはならない」というのは、「多少の犠牲者が出るのは仕方ない」ということ。これを傲慢といわずして、何を傲慢と言うべきか。さらに、語るに落ちたというのは、現在市内に民間人がどれだけいるかは「分からない」というコメント。民間人がどれだけいるか分からなければ、どれだけ犠牲が出たかも分からない訳で、結局、「多数の犠牲者が出ることにはならない」というのは口先だけの“申し訳”に過ぎないことが自ずと明らかになる、というものだ。
ファルージャ包囲作戦
イラクでは、ファルージャ市への総攻撃が始まっています。国連も警告を発した包囲殲滅作戦です。
アナン国連事務総長:米英イラク首脳に警告書簡 ファルージャ大規模掃討「議会選挙の妨げ」(毎日新聞)
ファルージャの人口は約30万。それを包囲・封鎖した上で、米軍とイラク軍を合わせて1万5000人を投入するというのだから、どれだけの犠牲がでることになるか――。想像に難くないと言うべきか、想像するのが恐ろしいと言うべきか。しかしメディアが入り込めていないので、流れる情報はすべて米軍情報。日本のメディアの取り上げ方も、当然ながら、米軍サイドのものになっている。実態がどうなっているのか、伝わってこないのが恐ろしい。
ところで、小泉首相がこのファルージャ総攻撃に「成功させないといけない」と賛意を表明した。インターネットでみるかぎり、支持を表明したのは、小泉首相と英ブレア首相だけのようだ。米英軍のイラク攻撃の支持はフセイン政権にたいするものだ、自衛隊派兵も人道支援だという言い訳が成り立ったかも知れない。しかし、ファルージャ総攻撃への支持表明は、この作戦の結果がどうなったとしても、イラク国民の相当部分を「敵に回す」もの。これで、日本は、少なくとも、スンニ派イラク国民からみれば立派な「敵」になってしまったのだ。そんな重大なことを、いとも簡単に、あっさりと言ってのけるあたりが、この総理大臣の凄まじいところなのかも知れない。
やっぱり電子投票は…
米大統領選挙で、638人しか投票していないのに投票結果がブッシュ4258票、ケリー260票となるなど、電子投票が実施された地域で異様な「結果」が出ていると、市民団体が指摘しています。
投票日直前に、電子投票のプログラムのセキュリティが全然できてなくて外部からデータにアクセス可能だというニュースも流れました。そういうときに「数え直し」ができない電子投票は、選挙制度にたいする信頼を根本から揺るがすものです。
ブッシュ再選…
まだ最終確定はしていませんが、どうやらブッシュ大統領の再選が決まりそうです。日本時間11月3日23時現在で、ブッシュ側の獲得選挙人数が254で、過半数まであと16に迫りました。選挙人20人のオハイオ州でもブッシュ優勢ということですので、ほぼ間違いないと報じられています。
投票日直前になって、ビンラディンのテロ予告ビデオが公開されるなど、選挙誘導と思われるような出来事もありましたが、率直な感想を言えば、やっぱりアメリカ人は、自己中で、世間知らずな田舎者だということ。それと、イラク戦争を争点に押し出そうとしたものの、結局、民主党も“同じ穴のムジナ”だということ。世界にとっては、新しい不幸な4年間となりそうです…。
モンスター
今日は、渋谷で「モンスター」を見てきました。シャーリーズ・セロンがアカデミー賞最優秀主演女優賞をもらった映画。実在の女性死刑囚アイリーン・ウォーノスの物語です。
舞台は80年代のフロリダ。13歳から娼婦として暮らしてきたアイリーンは、偶然、ゼルビーと出会う。ゼルビーは、父親から同性愛の治療を命じられて、フロリダへやってきていた。意気投合した2人は、一緒に暮らすことを決意。アイリーンは、そのための資金を手に入れようと男を誘ったが、その男は娼婦に暴力をふるうことで興奮する野郎だった…。やむを得ずアイリーンは男を殺し、金とクルマを奪ったが…。
シャーリーズ・セロンは、この映画のために13キロ体重を増やしたそうです。そのうえ、目元にたるみ、シミやそばかすだらけのメイキャップで、まったくブロンド美人の面影はありません。他方で、アイリーンが“愛”したゼルビーを、童顔(その実、もう24歳なんですが…)な、だけど“脱ぐと私すごいんです”のクリスティーナ・リッチが演じています。しかし、このゼルビーがなかなかのくせ者です。(以下、ネタばれの可能性あり)
イラク駐留米兵が輸送任務を拒否
イラク駐留米軍の補給部隊の兵士17人が、イラク南部のタリル補給基地から、バグダッド近郊のタジまでの物資輸送任務を命じられたが、「車両の整備状態が極めて悪い」「武装護衛がない」などの理由で拒否し、米軍が規律違反に当たるかどうかの調査を開始したそうです。
ツイステッド
先週公開の「ツイステッド」を見てきました。カリフォルニアを舞台にした警察もののサイコ・ミステリー?です。
警官ジェシカ(アシュレイ・シャド)は念願かなって殺人課に配属されるが、そのとたんに、連続殺人事件が発生。被害者はいずれもジェシカが関係をもった男たち。しかも、泥酔していたのか、ジェシカには犯行時の記憶がない…。一方、ジェシカの周辺には、ストーカーらしき影も…。はたしては犯人は…?
twistedというのは、「ねじられた、より合わされた」という意味とともに、「(真実が)ねじ曲げられた、歪曲された」とか、「(心が)ねじ曲がった、ゆがんだ」という意味を持っています(小学館『プログレッシブ英和中辞典 第3版』など参照)。そのタイトルどおり、お話はかなり絡み合っています。ストーリーがすすむにつれて、ジェシカ本人も、自分には密かに“暴力”への志向(嗜好?)があるのではないかと思えてくる…。なかなか、凝ったつくりになっています。
在韓米軍の削減で合意
韓国政府とアメリカ政府が、在韓米軍の1万2500人削減計画を、2008年9月までに3段階にわけてすすめることで合意。
アメリカ軍は当初、2005年末までの削減を計画していましたが、韓国側が期限を遅らせ削減人員も減らしてほしいと要望していました。
08年までに3段階削減 在韓米軍1万2500人(共同通信)
在韓米軍削減、08年まで1万2500人で合意(朝鮮中央日報)
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「関係なかった」といったのは関係なかった?
ラムズフェルド米国防長官が、フセイン元大統領とアルカイーダの「つながりを示す証拠はない」と認めたというニュースの続報です。
国防長官は、この発言の後、その発言は誤解だったとして、発言を撤回。あらためて、両者の幹部の接触を示す証拠があると主張しました。
で、結局、証拠はあるの? ないの?
ちなみに、ラムズフェルド氏がフセイン大統領(当時)に接触した証拠、アメリカ政府がフセイン政権に協力していたことを示す証拠はあります!