東京電力の福島第1原発で、1998年の定期検査中に、制御棒の約4分の1が一度に抜け落ちる事故があったことが明らかに。
この間判明した制御棒脱落事故は、全部、沸騰水型原発で起こっていますが、これには構造的な理由があるそうです。軽水炉原発には、加圧水型と沸騰水型の2タイプがありますが、加圧水型の場合、制御棒は上からつるしていて、何か事故が起こって制御棒のコントロールができなくなった場合には、自重で下に落ちる――つまり、制御棒がささった状態になるようになっています。それにたいし、沸騰水型の場合、原子炉の構造上、制御棒は下から上に差し込むかっこうにならざるをえません。そのため、何かトラブルがあると、制御棒が下に抜けてしまう危険性がある訳です。
この事故では臨界に至らなかったとはいえ、全部で137本の制御棒のうち約4分の1にあたる34本が同時に抜け落ちたというところが非常に恐ろしいですね。