朝日新聞の世論調査

今日、「朝日新聞」に世論調査の結果にかんする3つの記事が載っていました。といっても実際には1つの世論調査なんですが。呆れるのは、この世論調査の中味の無内容さ。

まず、ポスト小泉で誰が首相にふさわしいかという世論調査。「安倍氏41% 福田氏29%/先月より差縮まる」と見出しを立ててますが、そもそもの質問はこういうもの。

◆小泉さんの次の首相の有力候補として、いまの段階では、麻生太郎さん、安倍晋三さん、谷垣禎一さん、福田康夫さんらの名前があがっています。次の首相にふさわしいのは、だれだと思いますか。(択一)
 麻生 太郎     3(4)
 安倍 晋三     41(45)
 谷垣 禎一     1(3)
 福田 康夫     29(20)
 そのほかの人   5

あらかじめ名前をあげてのアンケート。たんなる人気調査じゃないですか。恥ずかしくないんですかねぇ、こんな自民党の提灯持ちみたいな調査やって。(?_?;)

ポスト小泉、安倍氏41%、福田氏29% 本社世論調査(朝日新聞)
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教育にかんする妄言2

NHKの「日曜討論」で、自民党の町村信孝元文相が次のような発言をしたそうな。

この人、教育というのは上から強制することだと思ってるんだろうなぁ…。(?_?;)

「心と態度は表裏一体だ」「内心の強制まではしないが教育には一定程度強制が入る。一定の強制力がないと教育そのものが成り立たない」(「しんぶん赤旗」2006年5月22日付から)

強制・介入を当然視/教基法改悪めぐり自民/NHK討論/日本共産党 石井氏が批判(しんぶん赤旗)

銀行は過去最高の利益を上げているが…

2006年3月期連結決算で、大手銀行6グループの最終利益が3兆1212億円にのぼっていたことが明らかに。この額、なんと前期比4.3倍!

しかし、TBS News-iのニュースが指摘するように、こうした経営の回復は「預金者の犠牲の上に達成された」もの。長期にわたる異常な超低金利で、本来預金者に入るはずだった金利304兆円が銀行のものになったという試算もあるそうです。100万円を1年定期にしても、利息はわずか640円…。これで儲からなかったら、アホです。

ということで、せめて、こんな理解不能な手数料を取るのだけはやめて、預金者に利益還元してほしい。

  • 自分の銀行で、自分でATMを操作して、自分の口座から現金を引き出すのに105円の時間外手数料をとられる。
  • 自分でATMを操作して、同じ支店内の口座の間で振り替えをするときに手数料を取る。

後者についていえば、同じ支店内での口座振替というのは、ただたんに店舗内で帳簿の数字を付け替えるだけ。その操作を利用者自身にやらせておいて、いったいどういう理由で手数料が取れるんでしょう?

過去最大の3兆1千億円 大手行、軒並み最高益(東京新聞)
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教育にかんする妄言1

22日付の「朝日新聞」オピニオン欄で、「“職員会議で採決禁止”の是非は?」のテーマで中村正彦・東京都教育長がこんな発言をしていた。

 私たちは高校改革を進めており、特色ある都立学校に変えていくことを目標にしている。地域や保護者の理解をいただき、子どもたちに目を輝かせて勉強してもらうための学校経営方針を、多数決で決めること自体なじまない。(「朝日」2006年5月22日付朝刊東京版)

本当に、地域や保護者に理解され、子どもたちも歓迎するような改革であれば、ちゃんと多数が賛成するはず。反対が多いというのは、その「改革」には問題が多いからだと考えるのが当たり前。そこを省いて「改革」を押し付けてみても、うまくゆくはずありません。
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自民・杉村太蔵議員、ブログで盗作

自民党・小泉チルドレンの杉村太蔵議員が、5月10日付のブログで、他人の自伝をパクっていたことが発覚。

現在は盗用部分はすでに削除されていて、ただ「本気で死にたくなるほど悩んでいた」とだけ書かれていますが、「本気で死にたくなるほど悩んでいた」人間がそのことについて他人の自伝を盗用しますかねぇ…。

太蔵ブログ、代々木ゼミ講師の自伝と酷似(日刊スポーツ)
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教育基本法「改正」情報センター開設

教育基本法「改正」の動きに対し、法案の問題点の理解を深め、慎重審議と廃案をめざすために、教育基本法「改正」情報センターが設立されました。

与党「改正」案、民主党「改正」案(要綱)やそれらにたいする批判、さらに国会審議の最新情報などが紹介されています。

さっそく読んでます 伊東光晴『現代に生きるケインズ』

伊東光晴『現代に生きるケインズ』(岩波新書)

先週末発売されたばかりの伊東光晴『現代に生きるケインズ』(岩波新書)ですが、さっそく読み始めて、まあだいたい半分ぐらいまで読み終わりました。

スタンスとしては、サブタイトルに書かれているとおり、「モラル・サイエンスとしての経済理論」という側面がぐっと押し出されています。理論的には、ハロッド流の貯蓄曲線、カーン流の「波及的乗数理論」、それにヒックスの「IS-LM理論」ではない「一般理論」という感じです。新古典派総合で近経を勉強した世代としては、なかなかショッキングな中味かも知れません。

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教育基本法についての個人的な思い出

教育基本法について僕が初めて意識をしたのは、中学のときの社会科の授業。

社会科のK下先生は、「教育の目的は、君たちが主権者になることだ。君たちは、主権者としてふさわしく成長しなければいけない」と述べ、「主権者になる」とはどういうことかと言って、教育基本法第1条を引いて、それは、「平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な」大人になることだと説明されました。
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イラク正式政府発足

何をもって「正式」というのか疑問もありますが、ともかくイラク連邦議会によって、旧フセイン政権崩壊以降初の正式政府が承認されました。しかし、内相、国防相、治安担当相は決まらず…。

で、ほんらいなら正式政府の発足をもって政治復興プロセスは完了したはず。でも現実は、そううまくいきそうにありません。

<イラク>初の正式政府が発足 連邦議会が閣僚名簿を承認(毎日新聞)
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個人の収入格差「拡大した」が6割強

連合総研の第11回「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」の調査結果概要が明らかに。

「景気回復」を反映して、今後の賃金見通しはプラスに転じたとのことですが、個人間の収入格差が「拡大した」との回答が63.6%を占めています。収入格差を拡大させた要因としては

  • 「パート・派遣労働など非正規雇用の増加」51.1%
  • 「失業や就職難などで収入のない人が増えた」43.7%
  • 「企業間の業績格差の拡大などにより賃金の差が拡がった」42.5%
  • 「成果主義的な賃金制度の導入などで賃金の差が拡がった」35.4%

など。

No11勤労者仕事と暮らしアンケートについて(連合総研)

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最近買った本 4・5月編

またまた前回から1ヵ月以上立ってしまいました。時々整理しておかないと、ホントに何を買ったのか、買った本人にもわからなくなるのですから、困ったもんです…。(^_^;)

まずは4、5月刊の新刊書。

  • 藤原彰『天皇の軍隊と日中戦争』(大月書店、5月刊)
  • 佐道明広『戦後政治と自衛隊』(吉川弘文館、5月刊)
  • 新藤宗幸『財政投融資』(東京大学出版会、5月刊)
  • 伊東光晴『現代に生きるケインズ』(岩波新書、5月刊)
  • 斎藤貴男『ルポ 改憲潮流』(岩波新書、5月刊)
  • 柴田三千雄『フランス史10講』(岩波新書、5月刊)
  • 半藤一利・保坂正康・中西輝政・戸高一成・福田和也・加藤陽子『あの戦争になぜ負けたのか』(文春新書、5月刊)
  • 北村洋基『岐路に立つ日本経済』(大月書店、4月刊)
  • 重田澄男『マルクスの資本主義』(桜井書店、4月刊)
  • 中西俊裕『中東和平 歴史との葛藤』(日本経済新聞社、4月刊)
  • 長谷部恭男『憲法とは何か』(岩波新書、4月刊)
  • 末木文美士『日本宗教史』(岩波新書、4月刊)
  • 神田秀樹『会社法入門』(岩波新書、4月刊)
  • 柄谷行人『世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書、4月刊)
  • 伊藤宣広『現代経済学の誕生 ケンブリッジ学派の系譜』(中公新書、4月刊)
  • 酒井邦嘉『科学者という仕事』(中公新書、4月刊)
  • 小林道夫『デカルト入門』(ちくま新書、4月刊)
  • 的場昭弘『ネオ共産主義』(光文社新書、4月刊)

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今週の「九条の会」(5月20日まで)

各地の「九条の会」の活動を、インターネットを流れるニュースから拾っています。今週は、憲法記念日の取り組みがいろいろあった直後なので、ニュースは少なめだろうと思ったのですが、けっこうたくさんあって、びっくりしました。(^_^;)

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電車のマナー

tamy氏がtamyレポート: 最近、電車やバスなどでマナーが悪くなったと思いませんか?で、朝日新聞のbe between テーマ:交通機関のマナー いまや他人は空気なの?を紹介されています。

確かに、車中での化粧、携帯電話、床に座り込む、優先席に若いやつが平気で座る、などなどマナーの悪さを言ったらきりがありません。

でも僕が一番マナーが悪いと思うのは、出入り口付近で立ち尽くす人です。あと一歩奥へ詰めれば、もっとゆったり乗れるのに、がんとして動かず、ちょっとでも詰めたら自分の負けだと言わんばかりに立ち尽くす御仁が増えていると思うのですが…。
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米空母艦載機の岩国移転で反対運動広がる

米空母艦載機部隊の岩国基地移転で、合併前の岩国市の住民投票、合併市長選挙での反対派市長の当選に続いて、周辺地域とも連携した運動が広がっている、というニュースを「毎日新聞」が掲載。たぶん全国版には載ってないので、転載します。

やまぐち見聞録:在日米軍再編問題 岩国の撤回運動に広がり(毎日新聞)
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靖国問題が世界で話題になればなるほど…

今日の「朝日新聞」のオピニオン欄で、米コロンビア大学教授のジェラルド・カーティス氏が、靖国問題について論じています。同氏の考えについてはあとで論じたいのですが、注目したのは、同氏が、「靖国問題の解決抜きに日中関係が改善するとは考えにくい」として、次のように述べていること。

 ただし、靖国問題の解決抜きに日中関係が改善するとは考えにくいのも事実である。そればかりではない。靖国問題が世界で話題になればなるほど、日本のイメージが悪くなることも否定できない。参拝に反対する理由を理解できないと小泉首相は言う。もっと説明すればわかってくれると他の政治家は言う。だが、遊就館が描いている歴史観や、A級戦犯が合祀されていることを説明すればするほど、国際的な反応は日本の国益に反するものになってしまうのが世界の現実なのだ。(「朝日新聞」5月20日付朝刊、東京12版)

なぜ靖国問題が世界に知られれば知られるほど、日本のイメージが悪くなるのか。それは、靖国神社・遊就館のかかげる歴史観が、あの戦争を「自衛のための戦争」「アジア解放の正義の戦争」だったとして正当化しているからに他なりません。そのような考え方は、世界に向かって決して通用しないのです。小泉首相や首相の靖国参拝をすすめようという人々は、まずそのことに考えてみるべきでしょう。
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旧日本軍の毒ガス演習計画書見つかる

旧日本陸軍の毒ガス戦にかんする資料が見つかる。資料は、関東軍化学部(満州第516部隊)などのもの。毒ガス散布地域での演習計画書や対人毒ガス効果のデータ表などが含まれる。

古書店から入手したとのこと。まだまだこういう資料が埋もれているんですねぇ?。

毒ガス演習、計画書発見(朝日新聞)

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教育基本法についての各紙社説を眺めてみました

教育基本法改悪の動きについて、各紙の社説を集めてみました。

そもそも法律で「愛国心」教育を押しつけることへの疑問・批判はもちろん、教育にかかわるさまざまな問題を何でもかんでも教育基本法のせいにする与党の議論、教育にたいする国家の介入・統制への危惧、自民・公明の教義の密室性への批判、それに民主党案なるものへの批判も含め、ほぼ論ずべき点はすべて何らかの形で指摘されています。

社説:教育基本法改正 必要性と緊急性が伝わらない(毎日新聞 5/17)
教育基本法 改正論議の行方が心配だ(信濃毎日新聞 5/17)
教育基本法*拙速審議は禍根を残す(北海道新聞 5/7)
社説[教育基本法改正案]国民の疑問に応えよ(沖縄タイムス 4/30)
教育基本法・改正急ぐ状況ではない/理念を生かす施策こそ必要(琉球新報 4/29)
教育基本法改正案 論議がもっと必要だ(徳島新聞 4/16)
教育基本法/改正への理解得られるか(神戸新聞 4/14)
なぜそんなに急ぐのか 教育基本法改正案(中国新聞 4/14)
教育基本法改正案・愛国は強制するものでない(琉球新報 4/14)
【教基法改正】荒廃は解決できない(高知新聞 4/14)

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職務で教えられるのか?

教育基本法「改悪」問題で、小泉首相は、「教員は法令に基づく職務上の責務として児童生徒に対する指導を行っているもので、思想、良心の自由の侵害になるものではない」と答弁。

  • 疑問1。愛国心は「職務」で教えられるものなのか。「職務」で教えられる「愛国心」とは一体何なのか。 そんな「愛国心」が横行する社会は、結局は、国民に「愛国心」を強制する社会になるのではないか。
  • 疑問2。思想・良心の自由は子どもにもある。「職務」で「愛国心」を指導されるのは、子どもの思想・良心の自由を損ねるものではないのか。他人の思想・良心の自由を侵害することを「職務」として強制することは、やっぱり憲法原則に反するのではないか。

ということで、「愛国心」教育をめざす教育基本法の「改悪」に僕は反対です。首相の「心の自由」は保障されるのに、国民の「心の自由」は認められない。そんな社会はごめんです。

「愛国心指導は職務」 教育基本法改正案巡り首相(朝日新聞)
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アナン国連事務総長、首相の靖国参拝に批判的見解を表明

アナン国連事務総長が18日東京で記者会見。小泉首相の靖国参拝について「この地域の緊張をましているのではないか」とのべ、事実上、参拝中止を求める立場を表明しました。

アナン国連事務総長、日中韓首脳に行動求める(朝日新聞)
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