米軍基地再編にともなう日本側負担が3兆円にのぼることが米国防総省から明らかにされて、日本政府は“大慌て”しています。
しかし実は、政府自身が、先月、日米協議の場で、日本負担は3兆円になるとの試算を示していたのです。その証拠が、3月12日付「日経新聞」の1面に載った記事。3兆円負担の内訳までしっかり計算されています。
米軍再編 日本、負担3兆円見込む
横田管制空域、米「一部なら返還」
[日経新聞 2006/03/12]
在日米軍再編にかかる日本側経費について総額3兆円を超すとの政府試算が11日、明らかになった。米沖縄海兵隊のグアム移転経費のほか、普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸への移設に伴う代替地の建設などが中心となる。一般会計の防衛予算から10カ年程度にわたって計上する方向で検討している。
日米は米ハワイで7日から11日まで在日米軍再編に関する外務・防衛審議官級協議を開催。このなかで日本側は試算を説明した。
このほか米軍が管制権を持つ横田基地の航空管制空域の全面返還を要求したが、米側は空域の一部返還で折り合うよう日本側に求めた。今後も折衝を続けるが、一部削減で決着する可能性が強まった。相模総合補給廠や、キャンプ座間の一部返還では大筋一致した。
3兆円の試算の内訳で大きいのは普天間基地移設にともなう代替施設の建設関連費(1兆円超)と、グアム移転経費(約9400億円)の日本側負担分。政府はグアム移転で米側にも負担を求めているが、米側からは50?75%を日本が負担すべきだとの要求がある。
このほか<1>厚木基地の米空母艦載機部隊の岩国基地への移設に伴う同基地の整備<2>普天間基地の空中給油機の鹿屋基地移転に伴う格納庫などの整備費<3>嘉手納基地のF15戦闘機の訓練移転先の滑走路整備――などにも合計1兆5000億円以上の支出が見込まれる。
日米地位協定には海外の米軍施設へ資金援助するしくみはなく、グアムへの移転経費は政府が4月の提出を想定する在日米軍再編推進法案に根拠規定を盛り込む。
日米は今月末に予定する外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で再編の最終報告を決定。地元調整は難航しているが、「日米で協議が調い次第、それが最終合意となる」(安倍晋三官房長官)見通しだ。
在日米軍再編関連経費について、政府は2006年度予算の予備費から当初必要な分を支出。07年度から防衛予算に計上する予定だ。
米軍再編、日本負担3兆円見込む・横田空域、米「一部返還」(NIKKEI NET)
↑インターネットでは、上の記事の前半しか掲載されていません。
安倍官房長官は、「米側の一方的な金額提示に不快感を表明」したそうですが、これは国民向けのポーズか、そうでなければ、国民に隠しておきたかったことを一方的に公表されたことに憤慨しているだけのことです。
安倍長官、米側の一方的金額提示に不快感(産経新聞)
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