不覚にも

『えひめ丸事件』(新日本出版社)カバー

今日は、朝から肉体労働な一日。右肩の痛みを気にしつつ、本棚やらロッカーやら中に詰まった荷物やらを軽トラに積んで運びました。事務所の前が、先週土曜日の雪がかちんこちんに凍ったままで、つるつる滑るので、荷物の積み卸しの足下が危なっかしい…。しかも、うちの事務所のビルのエレベーターが狭いので、なかなか荷物が上手く入ってくれません。四苦八苦の一日でした。(^^;)

さて、帰りの電車の中で、『えひめ丸事件』(新日本出版社、1月刊)を読み始めました。先日、訳者・共著者のサイン入りの本をいただいたものです。

えひめ丸事件というのは、もう5年前になりますが、2001年2月9日、愛媛の宇和島水産高校の生徒たちがのりこんだ実習船えひめ丸が、ハワイ沖で米海軍原子力潜水艦グリーンビルに衝突され沈没した事件です。助かった生徒や乗組員の証言から事件を再現した第1章を読んでいて、通勤電車の中であるにもかかわらず、涙がこみ上げるのが我慢できず、思いっきりずずず〜〜〜っとやってしまい、隣のOLに不審がられてしまいました。(^^;)

世の中には、絶対に読むべき本と、仕方なく読む本と、できれば読みたい本と、読まなくて良い本とがあるのだと思うのですが、この本は、文句なく絶対に読むべき本です。詳しい内容はまたあらためて紹介したいと思いますが、本書からは、事件によって被害を受けた人々にあくまで寄り添おうという気持ちと、理不尽な事件に対する深い憤りが伝わってきます。

【『えひめ丸事件』関係で書いたもの】
『えひめ丸事件』 東京新聞「こちら特報部」で大きく取り上げられました!
「えひめ丸事件」とは何だったのか

【書誌情報】書名:えひめ丸事件――語られざる真実を追う/著者:ピーター・アーリンダー/翻訳・共著者:薄井雅子/出版社:新日本出版社/出版年:2006年1月刊/定価:本体2200円+税/ISBN4-406-03236-3

ゼーリック国務副長官、日中関係の悪化懸念を表明

ゼーリック国務副長官が、日中関係の悪化に懸念を表明。

米政府が、日中関係の悪化に懸念を表明していることは、以前から、このブログでも紹介してきましたが、今回ゼーリック副長官は、対立緩和のために日中韓の歴史共同研究の仲介を申し出ました。
相当本気みたいですねぇ?

<米国務副長官>日中双方に緊張緩和の努力促す(毎日新聞)
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今週の「九条の会」(1月23日まで)

全国各地の「九条の会」の動きを紹介したニュースです。新年になって最初ですが、今年も引き続き掲載していきたいと思います。

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改憲阻止で共産・社民が共闘で合意

共産党と社民党が、憲法改正の阻止に向けて共闘関係を構築することで一致したというニュースが流れています。政党レベルでの正式な共闘が合意されるとしたら、26年ぶり(つまり1980年の「社公合意」で社会党が、公明党の共産党排除の方針に同意して以来のこと)になります。

共産、社民が改憲阻止共闘 26年ぶり、国民運動強化(共同通信)
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ライブドア堀江貴文社長、逮捕

予想以上の展開の早さですが、検察に社内メールを押さえられたようなので、隠しようがないということでしょうか。

それにしても、株式交換による企業買収というのは、余りにヤクザな手法だという他ありません。

ライブドア:堀江社長ら逮捕 証取法違反容疑で東京地検(毎日新聞)
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日本経団連・奥田碵会長ら社外取締役に

日本経団連会長の奥田碵氏と、経済同友会元代表幹事(終身特別顧問)の牛尾二郎氏が、新しく発足した日本郵政株式会社の社外取締役に就任。

経済財政諮問会議の民間議員として、郵政民営化の先頭に立っておいて、民営化されたら、ちゃっかりその社外取締役におさまるなんて、あまりに都合良すぎませんか?

西川社長を正式選任へ 日本郵政会社の創立総会(中国新聞)
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『季刊 経済理論』第42巻第4号

『季刊 経済理論』第42巻第4号表紙

久しぶりに『季刊 経済理論』(経済理論学会編、桜井書店)を購入。

特集の「『資本論』草稿研究の現在――新MEGA編集・刊行とその成果」にも興味があったのですが、もう1つ読んでみたかったのは、中谷武・大野隆「労働時間と雇用の決定について」という論文。雇用水準と労働時間との関係を、それぞれを独立因数として数量的モデルを考え、それを1960年代以降の日本の雇用量・労働時間の実際の動きと照らし合わせて検討してみようというものです。

相変わらず数式的な議論はよく分からないのですが、

  1. 基準労働時間がある水準を下回っていれば超過労働が発生し、ある水準を上回っていれば超過労働は発生せず、実際の労働時間が基準労働時間に等しくなるような、基準労働時間のある水準(「限界基準労働時間」)というものが存在する。
  2. 「限界基準労働時間」は、基準実質賃金率が高く、超過労働に対する賃金の割増率が高い場合は低くなり、超過労働は発生しにくくなる。それに対し、離職率や割引率が上昇すると、「限界基準労働時間」も上昇し、超過労働が発生しやすくなる。

というもの。要するに、実質賃金率が高く、割増賃金率が高いときは、超過労働の限界コストが高くなるので、企業は労働時間の延長ではなく、雇用拡大によって必要な労働投入をまかなうのに対し、離職率が高く、したがって雇用調整費用やリクルート費用、ジョブトレーニングの費用がより多くかかる場合は、雇用拡大よりも労働時間を延長する方が企業に有利だということです。

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久しぶりに熟睡

肩痛の治療ですが、昨日、引き続き星状神経節ブロックのあと、肩の回りと首筋に何本かの局注。数日前から、肩の痛みだけでなく、夜などに上腕全体がひやっと冷たくなって、凍みるような痛みがあると話すと、頸椎ヘルニアのような明確な症状が出ていないので、やはり極度の凝りからくる痛みではないかとの診断。新しくセレナミン錠を処方されました。鎮静剤・抗不安剤のジアゼバムですが、筋肉の緊張をほぐす作用があるということで、肩凝りの緩和のために処方されたもののようです。

で、夕食後、初めてセレナミン錠を飲んでみました。どういうふうに効いているのか、いまいちはっきりしませんが、そのあと夜10時ぐらいから寝こけてしまい、夜中2時に目が覚め、あらためて蒲団を敷いて寝直して、目が覚めたのが今朝9時。ということで、合わせて10時間ぐらい寝たでしょうか。久しぶりです、こんなにぐっすり寝たのは。これもセレナミン錠の効果なのかな? 肩凝りが良くなった気はしませんが、ともかく熟睡できて気分は良好です。

雪です

↑新宿駅の雪。大して降ってませんが、寒いです。

寒い! 東京は今日は雪です。寒いです。自動車のよく通る道路は溶けていますが、奥に入ると道路にもうっすら積もっています。

中央線は今朝の人身事故で電車が遅れている上に、センター入試だということで、めちゃめちゃ混雑しています。

そんな中、これから病院です。今朝は、肩が痛くて午前4時に目が覚めてしまいました。インドメタシンを塗ってもう一度寝たのですが、5時半にまた痛くて起きてしまいました。完全に寝不足です。痛くない方の肩にカバンを下げ、傘をさして歩くのは歩きづらくて面倒です。

検査官が、輸入再開の条件を知らなかった…?

NHKニュースによると、アメリカのジョハンズ農務長官が記者会見し、米国産輸入牛肉から脊柱が見つかった事件について、農務省から派遣された検査官が、日本向けの牛肉から背骨を取り除かなければならないことを認識していなかったと、米側の責任を認めました。

農務省の検査官が、輸出再開の条件を認識していないとは…。挙げ句の果てに、「30カ月未満の牛であり、アメリカでは脊柱を取り除く必要はない」と言い出すぐらいだし。日本への輸出再開条件を守る気が、ほんとにあるのでしょうか?

米農務長官 検査官の認識不足(NHKニュース)
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政府、経済格差の拡大を否認

経済活性化のためには多少の格差もやむをえないと言うならともかく、経済格差の拡大そのものを否認してしまったのでは、「負け組」は切り捨てられっぱなしで救われません。

経済格差「確認できない」/内閣府、関係閣僚会議で(四国新聞)

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Winnyでデータ流出

筑波大学病院で、学生のパソコンから患者の個人情報が流出。

Winnyを使用、ウィルスに感染していたということですが、これだけWinnyによるデータ流出事件が続いていて、なんでいまさらWinnyを入れるのでしょうか? パソコンの知識がないからこんなことになるのか、それとも「オレはパソコンに詳しいから、Winnyだってちゃんと使いこなすぜ」と思っているからこそやってしまうのか。何にせよ、同じことがこれだけ繰り返されているのに、いまさらWinnyをインストールするなんて、理解不能です。

筑波大病院から患者情報流出…パソコンがウイルス感染(読売新聞)
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取り除かれていなかった危険部位

輸入が再開されたばかりの米国産牛肉ですが、成田空港に到着した牛肉の中から、危険部位の脊柱が混入していたことが発見されました。

今回は脊柱が見つかったため、危険部位の除去がきちんとおこなわれていなかったことが分かりましたが、脊柱が混入していないからといって、危険部位が確実に除去されているとは限りません。あらためて、米国産牛肉の輸入再開を認めた食品安全委員会の「条件」なるものの信頼性が問われます。

輸入米国産牛肉に危険部位混入(読売新聞)
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イタリア、年内のイラク完全撤退を明確化

イタリアが、今年末までにイラク派遣軍を完全撤退することを表明。同時に今年6月までに1000人を撤退させる計画も発表し、具体的に撤退に踏み出しました。

今年末までにイラク完全撤退 イタリア国防相(朝日新聞)
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『広告批評』1月号が憲法前文特集

『広告批評』1月号表紙

『広告批評』(マドラ出版)1月号が、憲法前文の特集を掲載しています。

題して、「この国のこれからのカタチ――憲法前文のイミ」。自民党の「新憲法草案」の発表で「今年は憲法論議がにぎやかになりそうです」と言って、中心である前文と9条のうち、前文について、65人の方に、自由なエッセイや写真、イラストなどを書いてもらったものです。

アートディレクター・秋山具義さんの「日本に軍事は、いらない」というアピールや、画家・安野光雅さんの「今の憲法は、わたしたちの理想です」、イラストレーター・大橋歩さんの「これからの日本のカタチはまず現行憲法を守ること」といった言葉もあります。放送作家の鈴木おさむさんは、昨年、奥さん(森三中の大島美幸さん)と、広島の原爆資料館へ行ったことを紹介して、「これこそ、本物の大人の社会見学。25歳以上になったら、みんな参加しなきゃいけない社会科見学」と書かれています。田口ランディさんは、「日本は民主主義の国家であり、主権は国民にあります」で始まる自分流の前文を書かれています。「国民の信任を受けた代表は、全身全霊で国民の心身の安全と人権を守り、平和な暮らしを維持するためだけに働いてください」という言葉が印象的でした。

僕には何がおっしゃりたいのかイマイチよく分からないのもあるのがいかにも『広告批評』ですが、65人のコメント・アピールを読んでいると興味が尽きません。

最近買い込んだ本

1か月ぶりですが、最近買ったをリストアップ。たまに、ちゃんと書き込んでおかないと、だんだん訳が分からなくなってしまいます。(^_^;)

  • 岩波講座『アジア・太平洋戦争<3>動員・抵抗・翼賛』(岩波書店、本体3400円、2006年1月刊
  • T・A・ビッソン(内山秀夫訳)『敗戦と民主化 GHQ経済分析官の見た日本』(慶應義塾大学出版会、本体3200円、2005年12月刊)
  • 高橋伸彰『グローバル化と日本の課題』(岩波書店、本体2600円、2005年12月刊)
  • 鯵坂真編著『ジェンダーと史的唯物論』(学習の友社、本体2400円、2005年12月刊)
  • 大西広『中国はいま何を考えているか ナショナリズムの深層』(大月書店、本体1300円、2005年12月刊)
  • 渡辺治『構造改革政治の時代 小泉政権論』(花伝社、本体2500円、2005年12月刊)
  • 磯崎新『磯崎新の思考力』(王国社、本体2000円、2005年12月刊)
  • 丸屋豊二郎・丸川知雄・大原盛樹『メイド・イン・シャンハイ 躍進中国の生産と消費』(岩波書店、本体1800円、2005年12月刊)
  • 松原隆一郎『分断される経済 バブルと不況が共存する時代』(NHKブックス、本体1020円、2005年12月刊)
  • 川喜田敦子『ドイツの歴史教育』(白水社、本体1900円、2005年11月刊)
  • 萩原伸次郎・仲本悟『現代アメリカ経済 アメリカン・グローバリゼーションの構造』(日本評論社、本体2400円、2005年5月刊)
  • 小倉和夫『吉田茂の自問 敗戦、そして報告書「日本外交の過誤」』(藤原書店、本体2400円、2003年刊)
  • 原彬久編『岸信介証言録』(毎日新聞社、本体2800円、2003年刊)
  • 下斗米伸夫『ソ連=党が所有した国家』(講談社選書メチエ、本体1500円、2002年刊)
  • 植村邦彦『「近代」を支える思想 市民社会・世界史・ナショナリズム』(ナカニシヤ出版、本体3500円、2001年3月刊)
  • 川合光『はじめての<超ひも理論> 宇宙・力・時間の謎を解く』(講談社現代新書、本体800円、2005年12月刊)
  • 養老孟司『無思想の発見』(ちくま新書、本体720円、2005年12月刊)
  • 松井孝典『松井教授の東大駒場講義録 地球、生命、文明の普遍性を宇宙に探る』(集英社新書、本体700円、2005年12月刊)
  • 大庭健『「責任」ってなに?』(講談社現代新書、本体740円、2005年12月刊)
  • 金子勝『粉飾国家』(講談社現代新書、本体700円、2004年7月刊)
  • トクヴィル『アメリカのデモクラシー』第1巻上・下(岩波文庫、2005年12月刊)
  • 東谷暁『金融庁が日本を滅ぼす 中小企業に仕掛けられた罠』(新潮文庫、本体438円、2006年1月刊)
  • H・B・デーヴィス(藤野渉訳)『ナショナリズムと社会主義』(岩波書店、1969年刊)←古本
  • 萩原伸次郎『アメリカ経済政策史 戦後「ケインズ連合」の興亡』(有斐閣、1996年)←古本
  • 大嶽秀夫『アデナウアーと吉田茂』(中公叢書、1986年刊)←古本
  • J・R・ヒックス『経済学の思考法 貨幣と成長についての再論』(岩波書店、1999年)←古本
  • 朱建栄『江沢民の中国 内側から見た「ポスト鄧小平」時代』(中公新書、1994年刊)←古本
  • 『鄧小平文選1975?1982』(東方書店、1983年)←古本
  • 『鄧小平は語る 全訳・日本語版「鄧小平文選」』上・下(風媒社、1983年)←古本
  • 東京大学近代中国史研究会訳『毛澤東思想万歳』上・下(三一書房、1974年)←古本
  • 『毛沢東選集』第1巻?第4巻(東方書店)←古本
  • 山崎隆三『地主制成立期の農業構造』(青木書店、1961年)←古本

ここにあげた本は「買った」だけであって、「読んだ」訳ではありません。こんなに読めるはずがない!

サラ金5社でもうけ5680億円

今日の「しんぶん赤旗」に面白い記事が出ていました。
サラ金5社が5680億円のもうけをあげていたというニュースなのですが、あくどく儲けたなぁ…と思うだけではありません。さらに、サラ金が資金調達のために支払う金利(調達金利)と、消費者に貸し出すときの金利(貸出金利)とを紹介しています。

それを見ると、たとえばアイフルは、金利1.61%で資金を借りて、26.9%で貸し付ける――これで儲からなかったらアホです。利息制限法の上限は15?20%。それにもかかわらず、サラ金は25%程度の利息を取っているわけで、せめて利息制限法の限度内に制限すべき。(それにしたって、相当儲かるはずなんだけど)

大手サラ金5社の調達金利と消費者向け貸出金利
調達金利 貸出金利 経常利益 おもな借入先
アイフル 1.61% 26.9% 1353億円 住友信託、みずほ信託、中央三井信託
アコム 1.64% 24.3% 1433億円 三菱信託、UFJ信託、明治安田生命
プロミス 1.75% 24.2% 1308億円 住友信託、日本生命、新生銀行
武富士 1.85% 25.2% 1193億円 みずほ銀行、アメリカンファミリー
三洋信販 1.88% 24.6% 394億円 福岡銀行、三井住友、西日本シティ銀行

(「しんぶん赤旗」2006年1月17日付から)

サラ金5社 もうけ5680億/最高裁も違法と認めた高金利(しんぶん赤旗)
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阪神大震災から11年

阪神大震災が起きたときのことについては、昨年、「阪神大震災から10年」に書いたとおりです。

しかし、11年立ってみて、新聞やテレビでは、首都圏を含む地震の危険性がたびたび取り上げられるにもかかわらず、本当の意味で、日本が震災に強い国になったのか疑問に思わざるをえない状況が続いていると思います。

とくに、あれだけの巨大都市直下地震であったにもかかわらず、6000人余の犠牲ですんだということを、私たちはもっと真剣に受け止めるべきだといつも思います。次、大都市直下地震が起きるときは、通勤ラッシュの真っ最中かも知れず、夕食のために多くの家庭で火を使っている時間の真っ最中かも知れません。首都高が渋滞している真っ最中に地震が起こったら、どうなるか? そういう“想像力”がもっと求められるのではないでしょうか。

同時に、6000人余の犠牲に日本中があれだけつらい思いをしたのに対して、いま年間3万以上の人が自殺をし、減少傾向にあるとはいえ、数千人の交通事故死が繰り返されていることに、私たちはもっと目を向けるべきではないのかとも思います。

証券取引法違反で家宅捜査は想定外?

東京地検特捜部が、ライブドア本社とホリエモンの自宅を証券取引法違反の容疑で家宅捜査。

やっぱりこれは、想定外の出来事なんでしょうねぇ? (^^;)

時系列でニュースを追っかけてみると、最初、NHKニュースが午後4時のニュースで、「東京地検が証券取引法違反容疑でライブドアを家宅捜査する」と報道。その直後にライブドアはこの報道を否定。実際には、午後6時半頃に、東京地検によるライブドア本社の家宅捜査が始まったようです。
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