都響スペシャル「第九」

26日月曜日、サントリーホールで「都響スペシャル」第九のコンサートを聴いてきました。プログラムは以下の通り。エグモント序曲が短いので、休憩なしで、第九に入りました。

ベートーヴェン:「エグモント」序曲 op.84
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125 「合唱付き」

それにしても、第九って、やっぱり不思議な曲ですね。散々聴いているはずなのに、やっぱりこの時期は第九を聴かないと一年が終わった気がしません。(^_^;)

この演奏会の前後はほんとにめちゃくちゃ忙しく、ぎりぎりまで、演奏会をパスしようかどうしようか迷ったのですが、聴きに行って良かった。仕事の忙しさもすっかり忘れて、たっぷり音楽を楽しませていただきました。

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勉強する上で何が大事か

こないだ学生に講義をやっていて思ったことなのですが、大学に入って勉強していくとき、“分からないことがある”ということに耐えられるかどうかということが意外と大事ではないでしょうか。自分の疑問や「分からないこと」と上手につきあって、うまく育てることができるかどうか、そのあたりが大切なように思います。
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ひき逃げしても、公務中ならいいのか?

米軍の女性兵士が、22日、八王子市内で小学生3人をはねたまま逃走。30分後に逮捕されたが、「公務中」だったということで、日米地位協定にもとづき即日釈放されていた、という事件。

公務中っていったって、別に戦闘中だったわけじゃない。なのに、なぜ特別ルールを適用しなければならないのか?

女性米兵がひき逃げ、逮捕も「公務中」で即日釈放(読売新聞)
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往復16時間半の日帰り出張…疲れた

昨日は、学生対象の講師を務めると言うことで出張してきました。

朝6時に出かけ、帰ってきたのは夜10時半過ぎ…。2時間半かけて出かけて、4時間講義して、2時間余り質問に答えて、また2時間半かけて帰ってくるという強行日程でした。お疲れ様?

しかし、学生諸君の熱心な質問攻めにあって、こちらの方が元気をもらったぐらい。みなさん、しっかり学習して、それをパワーにしてください。時間配分のへたくそな講義につきあってくれてありがとうございました。m(_’_)m
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銀行業界、2兆円の利益

129銀行の9月中間決算で、当期利益の合計が、前年同期の5倍以上の2兆1242億円で、過去最高になったというニュース。

そりゃ、預金者に利息を支払わず、その代わり、何でもかんでも手数料をとれば、儲かるのは当たり前でしょう。2兆円も儲かってるなら、俺たちの預金にもうちょっと利息をつけろ!

最近は、同じ支店の中でATMを使って別口座に振り込んでも手数料を取られますが、同じ支店内での口座振替は、ただ単にコンピュータ上のそれぞれの預金口座の数字を付け替えるだけ。その操作自体も利用者がATMから自分でやっているのに、なぜ銀行が手数料を取れるのか、僕には理解できません。

当期利益は過去最高の2兆円に 全国129行の9月中間?(朝日新聞)
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トヨタ工場、大雪で操業を一時停止

大雪による交通渋滞などで部品が届かない、ということで、トヨタ自動車が全国20工場の操業を一斉に一時中止。

雪の影響にも驚くけど、年末&クリスマス直前の休日まで操業してたということにもびっくり…。

トヨタ、大雪で夜間の工場操業停止(日経新聞)
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ナチ絶滅収容所長との対話

表紙カバー

ギッタ・セレニー『人間の暗闇―ナチ絶滅収容所長との対話』(小俣和一郎訳、岩波書店)。まだ100ページほど読んだだけですが、ナチス・ドイツがポーランドに設けた絶滅収容所長にたいするインタビュー。原書は、1974年にまず英語で出版されたそうです(邦訳は、1997年のドイツ語版から)。著者は、イギリス在住のジャーナリスト、歴史研究者(女性)で、1967年から1970年にかけて、西ドイツでおこなわれたナチ裁判を傍聴し、1970年に終身刑の判決を受けた元レブリンカ収容所長フランツ・シュタングルにたいする70時間にわたってインタビューしたもの。

1対1のインタビュー記録ではなく、他の関係者へのインタビューや記録とつきあわせて、シュタングル(あるいはその他の収容所関係者)の言い分が事実に合致しているのかどうか、確かめながら、なぜ普通の人間が、ヒトラーによる「ユダヤ人最終解決」を担うことになったのか。その心理に迫っています。
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五十肩…?

先週、健康診断の時に、「最近右肩が痛くて、動かしたときにビリッと電気が走ったように痛む、夜中に肩が痛くて目が覚めることがある」とお医者様に訴えたら、「五十肩ですね」と言われてしまった…。(?_?;)ショック…
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耐震強度の計算って、こんなにいい加減でいいの?

構造計算書の偽造が問題になっていますが、再調査で耐震強度がどれぐらいあるか、結果に食い違いがあるという朝日新聞の記事。ちゃんと計算しても、耐震強度は47%から94%までまちまち。そもそも耐震強度の計算って、実はこんなに適当だったということ?

耐震強度、「どの調査信じれば?」 結果の食い違い多発(朝日新聞)
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マエストロ ジャン・フルネ ラストコンサート

ジャン・フルネ(月刊都響12月号から)

今夜の都響第618回定期演奏会は、都響名誉指揮者で現役最高齢の指揮者ジャン・フルネ氏のラスト・コンサートでした(厳密に言えば、明日の文化会館での公演が最後ですが)。サントリーホールはほぼ満席で、開演前から、普段と少し違った盛り上がりを見せていました。

プログラムは、以下の通り。

  • ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」 作品9
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
       ≪休憩≫
  • ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73

満場の拍手をうけて登場したフルネ氏は、ゆっくりと舞台中央へ。少し左足を引きずるようにも見受けられ、さらに足下を確かめるように指揮台にのぼられました。1曲目のベルリオーズの序曲『ローマの謝肉祭」は、フルネ氏のチャーミングな?演奏がぴったりの曲です。

2曲目は、フルネ氏の愛弟子ともいえる伊藤惠さんとのコンチェルト。ゆっくりとしたテンポで始まってゆきました。

休憩の後は、ブラームスの交響曲第2番。僕には、ブラームスの交響曲は明るい土色というイメージなのですが、それでも不思議なことに、どこかちょっともの悲しく、寂しくなるような要素が含まれていて、ブルックナーの交響曲のように陶酔した感情に引き込まれるということはないのですが、不思議と気持ちが惹かれるところがあります。それが、フルネ氏の引退コンサートにぴったりのように思いました。

あ〜、残念だなぁ…と惜しんでいるうちに、曲が終わると、本当に満場の拍手とブラボーの喝采がいつまでも続きました。

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今年の「年次改革要望書」

関岡英之氏の『拒否できない日本』(文春新書)ですっかり有名になった「年次改革要望書」ですが、今年の分が、12月7日、米政府から日本政府に提出されました。ただし、まだ日本語訳は公表されていません。最近、随分と話題になったので、ひょっとしたら公表しないつもり…なのかな?

日本政府に規制改革要望書を提出(駐日アメリカ大使館ホームページから)
郵政民営化で重ねて注文 米、規制改革で対日要望書(共同通信)

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菊池英博『増税が日本を破壊する』

菊池英博『増税が日本を破壊する』

 書店でたまたま見かけたので買ってみたのですが、これがなかなか面白い。ぜひとも財政学の専門家の意見を聞いてみたいと思いました。

 著者の主張は、第1に、「日本は財政危機ではない」ということ。つまり、日本の政府の長期債務は国・地方あわせて795兆円あると言われるが、実はこれは「粗債務」。ところが、政府は480兆円の金融資産を持っているから、純債務は315兆円で、対GDP比(債務の国民負担率)は実質60%程度。この水準はユーロやドイツ並みで、日本だけがとびきり財政赤字が大きいわけではない。
 第2に、毎年財政赤字を続けるアメリカでも、政府の純債務は増加している。しかし、名目GDPが増えているから、債務の国民負担率は低下している。ところが、日本は、デフレで名目GDPがマイナスになっている。そのために、債務の国民負担率が大幅に増えたのである。
 第3に、したがって、債務の国民負担率を減らすためには、積極財政をとってデフレからの脱却をはかるべきである。それにもかかわらず、小泉首相は「構造改革」と称して、緊縮財政・増税路線をすすめている。その結果、デフレが深刻化し、国民経済は縮小、税収は落ち込み、結局、財政赤字はさらに拡大。名目GDPの減少と相まって、債務の国民負担率を大きくしている。

 小泉首相の「構造改革」路線が国民経済を冷え込ませ、デフレを深刻化しているという指摘は、その通りだと思います。それに、巨額の外為資金がアメリカの国債購入にあてられていることや、これだけ財政赤字がありながら、貿易収支では日本は巨大な黒字となっていることなど、いったいどう考えたらいいんだろうと思っていたので、政府の債務は「粗債務」ではなく「純債務」で考えるべきだという指摘は、なかなか興味深いものがあります。

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読売日響第444回定期演奏会 ブルックナー交響曲第6番他

当日のチラシ

15日(木)、仕事を終えて、サントリーホールへ。ポーランド出身のスクロヴァチェフスキの指揮で、ブルックナーの交響曲第6番を聴いてきました。

  • スクロヴァチェフスキ:管弦楽のための協奏曲
  •       (休憩)
  • ブルックナー:交響曲第6番 イ長調

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患者負担増は医療費抑制に役だたない

ちょっと前のニュースですが、内閣府が、医療費の患者負担率を引き上げても総医療費の抑制に効果がなかったとする報告を公表。

そりゃまあ、“カネがないから病気にならない”という訳にはいきませんからね。ということで、患者負担増では医療費抑制に効果がないことが分かったのだから、この間引き上げられた患者負担を元に戻していただきたいものです。

患者負担増なのに総医療費減らず 内閣府が評価報告(朝日新聞)

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診療報酬3.16%引き下げ

政府、与党は、来年度から診療報酬を全体で3.16%ひきさげる方針を確認。

僕は詳しいことは分からないのだけれど、高校時代の同級生の話を聞いていると、勤務医は儲からないらしい。同じ外科手術でも、うまい医者、下手な医者がいるわけで、うまい医者はうまいなりの評価が必要だと、みな言っている。人様の命を預かって、そして、最近は一度ミスをすれば莫大な慰謝料を請求されるようになった割には、勤務医の報酬は低すぎるというのだ。

だからといって、自由診療にすればよいという訳にはいかない。そうなったら、貧乏人は、下手な医者にしかかかれなくなるから。保険制度を維持したまま、医師の技術というものを評価する方法はないものだろうか。

診療報酬、過去最大3.16%引き下げ 国庫負担2400億円圧縮(共同=産経新聞)
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今週の「九条の会」(12月17日まで)

各地の「九条の会」の活動を、インターネットを流れるニュースから拾いました。

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構造計算の偽造

いまやっているNHKの特集番組で言っていたこと。

  • 日本ERIでは、担当者の約3分の2が、姉歯建築士の図面を見て、柱が細い、などの疑問をもっていたという事実。
  • しかし、日本ERIは、構造計算ソフトを持っていなかったという事実。

最初の点は、「偽造」に関して言えば、かならずしも「見抜けない」といった高度なものではなかったということを意味するのではないでしょうか。それを見抜けなかったということは、審査機関に審査能力がなかったということに他なりません。1級建築士が計算した結果を審査するのだから、誰だって、審査機関の職員は1級建築士以上の能力を持った人がやっていると思うはず。しかし実際はそうではなかった訳で、あきれるばかりです。

2つめの点は、審査機関は構造計算のプロセスが適正に行なわれているかどうかの確認をおこなっているだけで、建物の安全性、耐震性そのものは審査していないということを意味します。これは、イーホームズの社長も繰り返し言っていることで、詰まるところ、いまの建築物の構造計算の審査制度が、実は審査制度ではないという問題が浮き上がってきます。建築審査・確認制度全体を、もう一度、土台から検討し直してみる必要があるのではないでしょうか。