破綻した民主党「郵政」改革案

民主党は、「郵政」について、2006年度中に郵便貯金の預入限度額を700万円に、にその後さらに500万円に引き下げ、8年以内に郵便貯金220兆円を半減させるとしています。

しかし、現在、郵貯の500万円超部分は約50兆円で、郵貯全体の4分の1ほどしかありません。つまり限度額を500万円にしたとしても、郵貯半減は不可能ということです。

郵貯は小口預金が中心。それを無理やり半減させようというのが、もともと無理なのです。

<郵便貯金>500万円超える部分の残高は50兆円毎日新聞

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大企業はこんなに減税されている

産業再生法という法律があります。正式名称は「産業活力再生特別措置法」。1999年8月に制定された法律で、リストラを予定している企業がリストラ計画を作成し国に申請し、一定の条件を満たせば、計画に見合って、登録免許税などの減税措置などが受けられるというものです。

施行(1999年10月)から今年7月までに、372件の申請が認定されました。認定された「計画」による人員削減数は9万9608人。それに対する登録免許税の減税は総額で980億7500万円になります。リストラすれば、1人につき98万4600円の減税が受けられる、という計算です。(日本共産党・塩川哲也前衆議院議員の調査)。

しかもその上位10社をみると、みずほFG、りそなFG、三井住友FG、三菱東京FG、UFJグループなど銀行グループや、三菱自動車、ダイエー、カネボウなど大企業ばかりです。10社で760億円あまりの減税措置。雇用を守るために減税や助成をするならともかく、リストラすればするほど減税してもらえるなんて、逆立ちも甚だしい。

財源を云々するなら、まずこういう余計な減税措置の見直しをしっかりやってほしいものです。

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米軍、嘉手納基地で即応訓練

24日、午前8時20分から、米軍が嘉手納基地で模擬弾を爆発させての即応訓練を実施。大きな爆裂音、白煙が町内にまで広がる、拡声器によるサイレン音など、住民に多大な迷惑がおよんだ揚げ句、司令官が「別の場所で行われていると思っていた」とは…。

↓ちょっと衝撃的な写真。こんな訓練が住民のすぐ近くでやられているのです。(24日午前8時30分ごろ、嘉手納町役場提供)

嘉手納町役場の駐車場脇でわき上がる白煙

嘉手納役場に炸裂音と白煙 米軍、即応訓練か(琉球新報)
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沖縄米軍、自動車道で訓練中、乗用車と衝突事故

沖縄自動車道で、米軍の大型トラック4台が料金所をでたところでUターン中に乗用車と衝突事故。米軍側は、大型車両に熟練するための訓練中だったと主張。地位協定で米軍には基地間の移動は認められているが、訓練なら、通告なしに公道で実施するのは許されない。

ところが外務省は、自分でも詳細を確認していないと認めておきながら、「容認される」との立場をさっさと表明。国民の安全より米軍の都合を優先する立場が、あらためて露わに。

米軍、自動車道で訓練 乗用車と衝突事故(琉球新報)
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よく言えたもの…

国民新党の長谷川憲正参院議員が新党日本に移ったことについて、公明党の神崎武法代表が「国民を愚ろうするもの」と批判しています。

しかしその公明党は、かつて新進党が結成されたときに、公明党を分割し、衆議院議員は新進党、参議院は公明に、なおかつ地方議員は公明党のままとして、新進党が分裂すると、また公明党を結成…。これほど国民を愚ろうした話はないでしょう。

まあ、もちろん数合わせのために議員移籍するなどというのは、ほんとにひどい話なんですが、だからって公明党・神崎氏にそれを批判する資格はないでしょう…。

議員移籍、各党党首から批判の声(TBS News-i)
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美浜原発がまた事故

昨年8月に2次系配管破断で高温蒸気が噴き出し作業員11人が死傷する事故を起こして、現在停止中の福井県の関西電力美浜原発3号機が、また事故を起こしました。

こんども配管の事故で、ごくわずかとはいえ放射能を帯びた冷却水が作業員にかかるという事態に。

関電美浜原発で冷却水漏れ・2人が微量の放射能浴びる(日経新聞)

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郵政造反派はやっぱり自民

郵政民営化法案をめぐって、造反派vs.小泉「刺客」の「対決」が面白可笑しく報じられていますが、造反派は、自民党執行部からみても自民党であることを、武部氏自身が自ら証明。選挙のときだけ、離党していれば、当選後は復党を認めます…って、それはあまりに有権者をバカにしてませんか?

出馬前に自発的離党なら当選後に復党も、と自民幹事長(読売新聞)

しかし他方で、造反派の方も、「私は、けっして小泉内閣に反対したわけではありません」と主張。早くも、反自民・反小泉ではさらさらないと白旗を揚げた状態。党首の県知事が好きだからと言って、こんなのに投票したら、あなたの貴重な一票を自民党と小泉首相に持ってかれますよ?

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「百人斬り」訴訟、元将校遺族の訴え棄却

「百人斬り」報道によって人格権を傷つけられたとする元将校遺族の訴えについて、東京地裁が棄却の判決。

当時の東京日日新聞の「百人斬り」報道について、判決は、「記事は二将校が東京日日の記者に百人斬り競争の話をしたことをきっかけに連載され、報道後に将校が百人斬りを認める発言を行っていたこともうかがわれる」と指摘。

将校遺族の請求棄却 「百人斬り」報道訴訟(産経新聞)
元将校遺族の請求を棄却 「百人斬り」訴訟で東京地裁(朝日新聞)

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経済セミナー8月号

経済セミナー8月号が「日本は『格差社会』か」という特集を組んでいたので、ひさびさに買ってみました。

  • 太田清「日本の経済格差は広がっているか」
  • 大竹文雄「日本の所得格差のパズルを解く」
  • 高林喜久生「『格差』とは何か」
  • 佐藤俊樹「若年層と『目に見える』格差」
  • 白波瀬佐和子「『みえる格差』と『みえない格差』」

結論から言ってしまえば、「特集」と銘打った割にはちょっと寂しい。佐藤俊樹氏などは、相当やけっぱちになって書いている感じがします。(^_^;) しかし、それでも日本が格差拡大社会になっていっていることは明らかです。

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楽なのは…

一番楽なのは、無責任にテレビで放言してる経済評論家。たまに、大臣にさせられて貧乏くじを引かされる場合もありますが、それは自業自得。その次に楽なのは、無責任な放言を繰り返しても何の責任も問われない国会議員や大臣。それから、テキトーな中身のない経済本を書いて金儲けしているアメリカ帰りの自称・経済学者。

「公務員は楽だから」=郵政労組を批判?竹中担当相(時事通信)
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ジョーン・バエズ、まだまだ頑張ってるんですね

ブッシュ大統領の牧場近くの抗??ャンプに参加したジョーン・バエズ

テキサス州のブッシュ大統領の私邸近くで、母親が、息子がなぜイラク戦争で戦死しなければならなかったのか、その理由が聞きたいと座り込んでいた話。お母ちゃん自身は、その母親が急病で倒れたとのことで一時自宅に帰っていますが、引き続き様々な支援の活動が広がっているようです。

そんななか、伝説の“フォーク女王”ジョーン・バエズが、この抗議行動に参加したというニュースが流れています。お??、まだまだ現役で頑張ってるんですね?。ファイト!

Music Article | Reuters.com
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やっぱり偽物だった

イギリス海岸で見つかった記憶喪失のピアノマン――実は偽物だったと英紙デイリー・ミラーが報道。

折しも日本で公開直前だった映画「ラヴェンダーの咲く庭で」と瓜二つの話に、最初っから「話が出来すぎ」と思ってたんですが。ひょっとして、映画会社の回し者だった? しかし本人がドイツに帰国したあとというのでは、裏付けの取りようもなく、このニュースさえ本当かどうか分かりませんね。(^^;)

「謎のピアノマン」記憶喪失は芝居?(TBS News-i)
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社民党の怪

社民党は、総選挙に向けて「憲法9条を守る社民党が必要だ」とアピールしているが、それにもかかわらず、憲法9条改定をかかげる民主党と選挙協力。7選挙区で民主党が立候補しないことで合意というが、当然、社民党が立候補しない選挙区では民主党への応援が求められるはず。本当にそれでよいのか?

土井氏は比例単独5位 7小選挙区で民主と協力(共同通信)
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大企業・高額所得者は、こんなに減税してもらっている

1983年までは、所得税の最高税率は8,000万円超で75%、これに住民税(所得割)が4,900万円超で18%でした。で、課税所得1億円の場合、税金は7,751万円。これが、現在は、所得税の最高税率が1,800万円超で37%、住民税が700万円超で13%にまで引き下げられ、その結果、同じ課税所得1億円の場合の税額は4,720万円に。約3,000万円、かつての税額から見れば40%もの減税の恩恵を被ってきたのです。

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musical baton

「壊れる前に」のウニさんから、ミュージカル・バトンをいただいたところで、自宅のPCが壊れたため、すっかり遅れてしまいました。

●コンピュータに入っている音楽ファイルの容量

1.29G。これって多いのか少ないのか、どっちなんでしょう? この前、遅ればせながらmp3プレーヤーを買ったので、あれこれCDを読み込ませてみたのですが、<1>音質が悪すぎる、<2>メモリが1Gしかなく、頻繁にファイルを入れ替えないといけないので面倒。ということで、結局、またMDに戻ってしまいました。(^^;) したがって、HDD内の音楽ファイルは増えそうにありません。

●最後に買ったCD

ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団/チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番、第6番《悲壮》(UCCG-3312/4)――1960年にロンドンとウィーンで録音されたムラヴィンスキーの銘盤。演奏はもちろんですが、西側で録音されたため、ムラヴィンスキーのCDとしてはめずらしく、音質が非常にいい。チャイコフスキーの曲はどうしても甘くなりがちですが、こんな渋い演奏もあるのだということを知り、感動してます。

●今聞いている曲

現瞬間は、音楽は聴いてませんが、今日聴いたのは、同じくムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団/ショスタコーヴィッチ:交響曲第10番(1976年3月、レニングラード・フィルハーモニー大ホールで録音)。このCDは、クラシック音楽を聴き始めた最初の頃に買ったもの。録音には不満がありますが、演奏はピカイチです。

●よく聞く、または特別な思い入れのある5曲

う〜む、5曲と言われると、難しい…。ということで、こだわりのある演奏を5つ上げたいと思います。

  • ギュンター・ヴァント指揮、北ドイツ放送交響楽団/ブルックナー:交響曲第9番――2000年11月のヴァント最後の来日コンサートのライブ録音。チケットはとっくに売り切れていたのですが、たまたまネットで知り合った人に貴重な1枚を譲っていただき、1晩だけ聞きに行くことができました。
  • ピエール・ブーレーズ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/ブルックナー:交響曲第8番――朝比奈隆、ギュンター・ヴァントとはまた違ったブルックナーを初めて知った1枚。ブーレーズのマーラー・シリーズも必聴のCDです。
  • ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》――1947年、フルトヴェングラーがドイツ国内復帰をはたした最初の演奏会という、言わずもがなの超有名な歴史的銘盤。60年近く前の演奏ですが、いま聴いてもものすごく新鮮で情熱的。もともと《運命》という曲自体あれこれやるとあざとくなる作品ですが、この演奏は、余計な脚色はいっさい排しつつ、しかし、自ずと内側から沸き上がってくるものに突き動かされるような感動を味わわせてくれます。
  • 内田光子/シューベルト:ピアノ・ソナタ集――シューベルトのピアノ・ソナタ、即興曲などCD8枚にわたるチクルス。内田光子という演奏家を初めて知り、シューベルトのピアノ曲というものがこんなに奥深いことも初めて知ったCD集。それまで、もっぱら交響曲や協奏曲しか聴かなかったので、一気に音楽の世界がひろがった感じでした。
  • フィリップ・ヘレベッヘ指揮、コレギウム・ヴォカーレ/J.S.バッハ:マタイ受難曲――それまでバッハは全く聴いたことがなかったし、そもそも第9やマーラーの交響曲を除けば、《歌》の入る曲はどちらかというと嫌いだったのが、まったく一変させられました。これを聴いてから、バッハ・コレギウム・ジャパンの公演やミシェル・コルボの来日公演など、すっかりバッハの受難曲に魅せられています。

ということで全部クラシックになりましたが、たまには他のジャンルの音楽も聴くので、クラシック以外から2枚だけ上げておきます。

  • キース・ジャレット:ケルン・コンサート――大学4年のときに、友人がテープに録音してくれて、初めて聴いたキースのアルバム。他にもキースのアルバムはたくさん持っていますが、やっぱり一番こだわりがあるのはこれ。
  • 中森明菜:歌姫<スペシャル・エディション>――酒やら何やらで、ボロボロになってしまった感のある中森明菜ですが、歌わせたら、山口百恵に次ぐのは、やっぱり彼女をおいて他にないでしょう。(^^;)

ということで、本当なら最後にバトンを渡す人を5人上げないとダメなんですが、そういう相手もおらず、僕のところに届いたバトンはこれにて打ち止め…ということにしたいと思います。お許しください。

壊れる前に…: ミュージカル・バトン

小野善康『景気と経済政策』

小野善康『景気と経済政?』

伊東出張のときに読んだ『貨幣経済の動学理論』がおもしろくて、同じ著者の岩波新書『景気と経済政策』(1998年)を読み始めました。

こっちは、景気と経済政策の関係をどう考えるかというもっと具体的な話なので、経済理論そのものについての展開は少ないが、その分、難しい理屈よりも、基本になる考え方みたいなものが分かりやすく展開されている。

著者の強調することは、突き詰めていえば、たった1つ。同じ経済政策でも、景気の局面との関係で、政策の影響、効果は違ってくる、ということ。著者は、「供給側の経済学」と「需要側の経済学」という2つの角度から、その問題に迫っていくのだが、注意が必要なのは、著者がこの本でいうところの「供給側の経済学」「需要側の経済学」というのは、いわゆるサプライサイド・エコノミクスとかケインズ経済学とかをさすものではないということ。もっと広い意味で、1つの経済現象を2つの視点から取り上げている。

たとえば競争と企業淘汰の問題について。著者は、こう述べている。
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