「日中関係の基本について」で、中国側が「3つの歴史的文書にもとづいて」と主張しているその3つの文書というのは、日本政府も署名した外交文書なのだから、日本側もその原則に則って日中関係の諸問題に対応すべきであると述べたことについて、kankichi@blog:SAKURA edition: 少しは前提を疑わないと。で、私が、「中国や韓国が主張する歴史認識が絶対的に正しいと言う前提」に立って「中国が主張する歴史認識を日本が受け入れるべき」と主張しているかのようなコメントをいただいたので、もう少し私の考えを述べておきます。
歴史認識というものは、歴史の科学的・実証的な研究の積み重ねの上に成り立つものであり、したがって、研究の蓄積・発展に従って当然、変化するものであり、「絶対に正しい」などという歴史認識は、そもそもありえないと思っています。ですから、私が、中国や韓国の主張する歴史認識が絶対に正しいという前提に立っているという“前提”の方が間違っています。
それから、私は、A級戦犯が合祀された靖国神社に内閣総理大臣が参拝することは、「侵略戦争に対する反省」を表明した日中共同宣言や村山談話に反している、と思っています。また、「従軍慰安婦の書かれた教科書が減って良かった」という文部科学相の発言に、中国や韓国が、日本は「侵略戦争に対する反省」を本当に守っているのだろうかと疑問を持つのは、十分理由のあることだと思います。こうしたことは、「独善的なナショナリズム」なのではないでしょうか?
また、さきの日米安全保障協議委員会(2+2)の共同声明で、中台関係を日米の「共通の戦略目標」として取り上げたことは、国交正常化声明で明らかにした「1つの中国」の立場とは両立しないと思います。日本は、日清戦争で台湾を中国から割譲させた国なのですから、とくに台湾問題については、台湾は「中華人民共和国の領土の不可分の一部である」という立場をきちんと守る必要があると考えます。