東京電力発表の怪

実は、東京電力福島第二原発でも、格納容器内の蒸気を建屋外部に放出する「ベント」の準備がされていたというニュース。

第二原発もベントの準備していた…震災翌日に:読売新聞
【放射能漏れ】全号機でベント準備 福島第2の状況公表:MSN産経ニュース

えっ…、と驚いて、あらためて東京電力のプレスリリースをさかのぼってみたら、3月12日午前10時現在のプレスリリースで、「現時点において、安全を確保するため、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置(放射性物質を含む空気の一部外部への放出)の準備を行うことといたしました」と発表されている。同日午前7時の時点で、政府により、福島第二原発から3km圏内に避難指示、3〜10km圏内に屋内退避指示が出ていて、第二原発でも「ベント」の準備が始まっていたことは当時から発表されていたことが確認できた。

しかし、「読売新聞」に書かれている福島第一原発5、6号機の建屋上部に穴を開けた作業については、12日のプレスリリースにはそれらしい記載はまったく見当たらない。

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NHKの不思議なニュース

昨日、NHKがこんな記事を流していました。

“原子力安全庁 役割限定的に”:NHKニュース

読んでみると、共産党が、政府が設置を検討している「原子力安全庁」について、役割を限定的なものにすべきだという見解を発表したというのです。

しかし、共産党は、以前から原子力の規制機関を独立させて、きちんと権限を持たせるべきだと主張していたはず。「役割限定的に」というのは腑に落ちません。さらに、このニュースが配信されたのは8日の午前4時。共産党が見解を発表するには、奇妙な時間。7日の夜に、そうした問題で共産党が記者会見を開いた様子もありません。

いよいよもって摩訶不思議な記事です。で、よくよく調べてみると……

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口の挟みようはいくらでもあると思うのですが…

京都の夏の伝統行事、五山の送り火で、陸前高田の人たちが震災で被害を受けた木を、慰霊や復興の気持ちを込めて薪にしたものを「放射能の危険がある」という理由で拒否した問題で、京都市長は「市がこうしなさいああしなさいとはいっさい言えない」と言っているが、ああしなさい、こうしなさいとは言えなくても、京都市として口の挟みようはいくらでもあるのではないだろうか。

京都市も口挟めない大文字焼き「陸前高田の薪燃さない」 1/2 : J-CASTテレビウォッチ

その1つは、京都市が毎年、京都五山送り火協賛会にたいして、点火執行の経費への補助として930万円を出していること。一部の意見で勝手に運営されるような組織に、はたして市が補助金を出すことが適切なのかどうか、よく再検討してみたらよいのではないだろうか。

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本日のお買い物

ラトル/ブラームス&シェーンベルクミュンシュ/ベルリオーズ:幻想交響曲 ほか

今日は仕事帰りに新宿のタワーレコードでCDを物色。いろいろ気になるものもありましたが、とりあえず買ってきたのはこの2枚。

1枚目は、サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団:シェーンベルク&ブラームスのCD。ブラームスのピアノ四重奏曲第1番のシェーンベルクによる管弦楽曲版とシェーンベルクの室内交響曲第1番(管弦楽版)を収めたもの。

2枚目は、シャルル・ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団:ドビュッシー「海」&ベルリオーズ「幻想交響曲」。有名な、1967年11月のパリ管旗揚げ公演のライブ録音です。

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日米が密かに進めるモンゴル核処分場計画

これも少し古い記事。前にも紹介したことだけど、日本がアメリカと一緒になって、モンゴルに核廃棄物の最終処分場をつくるという計画をすすめている。

モンゴルと言えば、こんどの東日本大震災にあたっても緊急救助隊を派遣し、義援金も贈ってくれた国だが、それなのに、東京電力福島原発事故のあとになっても、この計画をすすめようとしているらしい。

世界を読む:モンゴル核処分場計画/フィンランドに建設中の最終処分場(その1):毎日新聞
世界を読む:モンゴル核処分場計画/フィンランドに建設中の最終処分場(その2止):毎日新聞

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落雷で停電しました…

東京電力 雷雲・落雷情報(2011年8月7日16時42分)

東京電力 雷雲・落雷情報(2011年8月7日16時42分)

先ほど、バシバシバシッとものすごい音がしたと思ったら、停電しました。

落雷です。そのあと、しばらくガラガラ、バシバシと雷が鳴っているなと思っていたら、先ほどからものすごい雨が降り始めました。

停電は1分ぐらいでしたが、いろんな機器の設定が元に戻ってしまいました。(^_^;)

日本への原発導入の背景にアメリカの思惑

ずいぶんと古い記事だけど、日本への原発導入の背景には、日本人の反核・嫌米感情を封じ込めようとしたアメリカ政府の思惑があったことが、米公文書で明らかになった、というニュース。

被爆国の原発導入背景、米文書が裏付け:中国新聞

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行き詰まる「核燃料リサイクル」

日本政府や電力各社がすすめてきた「核燃料サイクル」。その大事な一環であるMOX(プルトニウム・ウラン混合核燃料)を製造していたイギリスの工場が閉鎖されることになった。

この工場の取引相手は日本のみ。その日本で、東京電力の福島第一原発事故で原子炉再稼働のメドが立たなくなり、MOX製造にも見通しが立たなくなったというのが工場閉鎖の理由。濃縮ウラン用に設計された原子炉で、プルトニウムを燃やす危険性は、以前から指摘されてきた。MOX燃料はフランスでも製造されているので、これだけでMOX燃料が「枯渇」するわけではないが、思わぬところから「核燃料サイクル」構想が行き詰まることになったといえる。

英のMOX工場が閉鎖へ 福島原発事故の影響で:共同通信
核燃料サイクル:推進後退 「技術維持に限定」――原子力委予算方針:毎日新聞

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がんばれ、南相馬市!! 原発交付金を辞退

南相馬市が、東北電力が計画中の浪江・小高原発(2021年度運転開始予定)にかかわる「電源立地等初期対策交付金」の今年度分の受け取りを辞退することが明らかに。

交付金は、立地自治体にとっては、一度手を出したら辞められなくなる一種の「麻薬」。一時は地元は潤うようにみえても、実は、原発が稼働して16年たつと自治体の収入ががっくり減ってしまって、次から次へと新しい原発の立地を受け入れていかないと財政破綻する――。そんな恐ろしい交付金を、ともかく返上するという決断はすばらしいものだと思います。

南相馬市、新原発の交付金辞退へ 住民の安全を優先:朝日新聞

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日経電子版「会員100万人突破」というが…

日本経済新聞に「電子版、会員100万人突破」の記事が出ていました。

有料の電子版発行にいち早く踏み切った日本経済新聞ですが、開始から1年5ヶ月で「会員100万人」というと大した普及のようですが、有料会員はわずか14万人。大部分は無料会員です。

通勤電車のなかで、ときどき携帯電話やスマートフォンなどで「日経電子版」を読んでいるを見かけることがありますが、大部分の人は見出しをざっと流していく程度。株や為替など投資をやっている人であれば、電子版でいち早く情報を手に入れる必要もあるでしょうが、それ以外では、紙のほうがはるかに便利です。

日経電子版、会員100万人突破:日本経済新聞

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7・28衆院厚生労働委 児玉龍彦東大教授 怒る!!

本日の東京新聞「こちら特報部」で紹介されていた、東大の児玉龍彦教授の、先月27日の衆議院・厚生労働委員会での参考人発言は、衆議院TVから動画で見ることができます。

私もさっそく見てみましたが、もうほんとに怒り爆発!! という感じ。しかし、それは真剣だからこそ。いまの政府に、これだけの真剣さがあれば、少しは状況も違っていたのでは、と思ってしまいます。

2011年7月28日 厚生労働委員会:衆議院TV

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私立幼稚園児2,000人が県外へ

福島県の私立幼稚園だけで、2,000人が県外に引っ越していったという。福島市だけで、小中学生310人が市外に転校。住民票を県外に移した人は1.9万人でも、実際の県外避難者数は3万6,000人とも4万5,000人とも。

3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月とこんな状態が続いたら、本当に地域社会が崩壊してゆきます。県内避難者を含めれば、もっと多くの人が住み慣れた町や村を離れて、避難生活を余儀なくされているわけです。国は、被害の深刻な実態に見合った支援にすみやかにとりくんでほしいと思います。

園児2千人が退園・県外へ…福島の私立幼稚園:読売新聞
放射線不安、福島市の小中学生310人市外転校:読売新聞
福島県1万8601人減 5月1日現在の推計人口:河北新報
縮む福島 県外避難3.6万人、失業4.6万人:朝日新聞
東日本大震災:福島第1原発事故 県外避難4万5242人/福島:毎日新聞

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こんなものを買ってしまいました

広上淳一監修『CDでわかるクラシック入門』(ナツメ社)

広上淳一監修『CDでわかるクラシック入門』

4月に、広上淳一さんがこんな本を出していました。(^_^)

「クラシック入門」を謳う本はいろいろありますが、これは、「クラシック音楽の実質」を理解することを目的とした本です。そこで、音楽の調、テンポ、強弱、伸ばす・伸ばさない、繰り返す・繰り返さない、などなど、作曲家がどこにどんな仕掛けを仕込んでいるかを読み取れるようになろう、あるいは、演奏のテクニック、演奏家の腕の見せ所などなど、クラシック音楽の仕組みが解説されています。

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揺れました…

気象庁2011年8月2日0時09分発表

気象庁2011年8月2日0時09分発表

ちょうど寝ようとしていたところで、揺れました。

最初はちょっと「あれ? 揺れてる?」という感じでしたが、しばらくしてカタカタと横揺れが来ました。うちのあたりでは震度2か3程度でした。

また東北で揺れたのかと思ってテレビをつけると、駿河湾が震源。いちおう東海沖地震とは関連性がないとのとことですが、心配です。

静岡中部で震度5弱、浜岡原発異常なし:TBS News-i

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仙台オペラ協会「鳴砂」

仙台オペラ協会「鳴砂」

仙台オペラ協会「鳴砂」

新国立劇場の地域招聘公演ということで、仙台オペラ協会の「鳴砂」というオペラを見てきました。

初演は1986年。昨年、20数年ぶりに再演され(改訂版による)、今回、初の東京公演となったわけです。3月の東日本大震災で、出演者のみなさんも被災して、公演をおこなうかどうか議論を重ねたそうですが、「一歩でも前へ」ということで昨日、今日の公演にこぎ着けたわけです。

舞台は、美しい「鳴砂」の浜を持つとある漁村。そこに、嵐に流されて不思議な船が流れ着いたことから、悲劇が起こるという、悲しいお話ですが、ラストは、出演者全員に加えて、現在に生きる人々が登場して、未来への希望や復興が描かれます。会場のお客さんからも、大きな拍手が送られていました。

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渋いプログラムでしたが

新日本フィルハーモニー交響楽団 第481回定期演奏会(サントリーホール)

新日本フィル定期演奏会。指揮はアルミンク。28日、サントリーホールにて。

  • ウォルトン:ヒンデミットの主題による変奏曲
  • ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 op.15
  • ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

ヒンデミット好きの私としては大変楽しみなプログラムでしたが、やっぱりちょっと渋すぎたのか、ホールはかなり空席が目立ちました。

3曲の中で、一番よかったのは、2曲目のブリテンのVn協。ブリテンって、戦争レクイエム以外はあまり聴いたことがないのですが、この曲は、スペイン内戦の迫りくる「不安」をモチーフにした作品。それをソリストのイザベル・ファウストが見事に引き込んでいくという感じで、思わず引き込まれてしまいました。

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内閣支持率は低くても、「脱原発」への支持は70%

少し前の記事ですが、共同通信が世論調査を実施。内閣支持率の低迷とか、民主党の支持率の低下とかについては、いちいち論及する必要ないだろう。

それにしても、内閣支持率が17.1%ときわめて低いにもかかわらず、「脱原発依存」の方針(ただし個人的見解!)にたいしては高い支持が寄せられている(「賛成」「どちらかといえば賛成」をあわせると70.3%)ことは注目される。

「脱原発」7割賛成:東京新聞

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放射性物質はどこへ?

東京電力福島第一原発の1号機の格納容器内の放射性物質の濃度が、東京電力の想定の1000分の1しかなかったことがわかったという。

では、1000分の999はどこへいったのか? 大気中に放出されたか、汚染水に混じって流れ出してしまったか。あるいは、もしかすると、幸いなことにも、圧力容器から格納容器内に漏れ出した放射性物質の量が東京電力の想定よりもかなり少ないのかも知れない。

いずれにしても、炉心の状態について、東京電力の想定が正しくないことだけは明らかで、できるだけ早く正確につかむことが事故収束には不可欠だ。

福島1号機格納容器内の放射性濃度、推定下回る 東電測定:日本経済新聞
【放射能漏れ】格納容器内の濃度「想定の1000分の1」 福島第1原発1号機測定:MSN産経ニュース
【原発】格納容器内の放射性物質濃度、想定以下:テレビ朝日

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ペルー新大統領、「富の独占と貧困なくす」と演説

新大統領に就任したウマラ氏(ロイター)

新大統領に就任したウマラ氏(ロイター)

ペルーのウマラ新大統領が就任。就任演説で「富の独占と貧困を完全になくす」と演説しました。南米では、アメリカの経済支配からの自立と、貧困対策・格差解消をめざす左翼政権が選挙によって次々と誕生しています。

「富の独占と貧困なくす」ペルー新大統領が演説:テレビ朝日

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