いまや原発政策が、日本の階級闘争の最大の対決点に

本日の「産経新聞」によると、経団連の米倉会長が、早期の解散・総選挙を求める考えを示したという。

原発再開によるエネルギー安定供給を求める経団連が、浜岡原発の当面停止、「脱原発依存」発言やら、定期検査中原発再稼働への「ストレステスト」の導入などを求める首相にたいして、内閣打倒をめざすという訳だ。

原発政策をめぐる対決は、いまや日本の階級闘争の中心かつ最大の対決点になっているのだ。ややこしいのは、菅首相自身に、その自覚も覚悟もないこと。しかし、菅首相がどうしようと、またどうなろうと、原発の再開・推進をめざす財界・大企業の企みを許すのか、それともそれを打ち破って、新しい日本の進路を切り開くのか、それがいまや日本の階級闘争はそういう局面にさしかかりつつあるのではないだろうか。

経団連・米倉会長「早く解散・総選挙を」 – MSN産経ニュース

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規制機関が推進の「やらせ質問」要請とは…

今日、衝撃的なニュースが流れました。原子力安全・保安院が、2007年8月にひらかれた浜岡原発のシンポジウムで、中部電力にたいして参加者が反対派だけにならないように質問を作成し、地元参加者に質問させるよう依頼していたというのです。

原子力安全・保安院は、建て前上は、原発の規制機関のはず。それが、推進のための「やらせ質問」を組織しようとしていたとは……。共産党は、以前から、規制機関とされる保安院が推進機関である経済産業省のもとにあるのはおかしいと指摘してきましたが、それが単に形式上の問題ではなく、実態としても保安院が推進機関になっていたということです。

もはや、原発の規制を保安院に任せることはできません。まず保安院を根本的に改組して、政府から独立した、権限と能力のある規制機関をつくるところから、日本の原発行政の切り替えを始めなくてはなりません。

保安院:中部電に「やらせ質問」要請 プルサーマルシンポ:毎日新聞
保安院 中電に質問依頼を要請:NHKニュース
四国電も「保安院から動員要請」 06年のシンポ:日本経済新聞

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小松左京さん死去

SF作家の小松左京氏が亡くなった。

僕がSFを読み始めたころ、ちょうど「日本沈没」がラジオドラマとして放送されていて、小松左京はいわば「時の人」だった。「日本沈没」はその後映画化もされたけれど、僕には、あの毎日15分のラジオ放送が思い出される。

「日本沈没」SF作家・小松左京さん死去 80歳:MSN産経ニュース

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「子ども手当見直し」は予算の節減にならない?!

「子ども手当」について、上限860万円で所得制限を設けることで、民主党と自民党・公明党の実務者協議で「たたき台」がまとまったというニュースが流れている。

自民党・公明党にしてみれば、民主党の「目玉」公約だった「子ども手当」に「傷」をつけ、それによって民主党の「マニフェスト」のデタラメぶりを印象づけたいという思惑があるので、まだまだこれでまとまるかどうかは不明だが、そんななかで、「しんぶん赤旗」が興味深い記事を載せていた。

子ども手当見直し 支援・節約にならない 佐々木議員が批判:しんぶん赤旗
子ども手当でたたき台、上限860万円:TBS News-i

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電力不足は企業の海外シフトの要因にならない!!

少し古い記事だが、ロイターがおこなった企業調査の結果がウェブに出ていた。

記事では「電力不足問題、製造業の海外シフト要因に」となっているが、調査結果をみると、「中期的な電力不足や電力コスト上昇は、業務拠点を海外にシフトさせる要因となるか?」の質問に、「なる」と答えたのは13%だけ、50%は「ならない」と答えている。製造業に限っても、「なる」は25%にたいして「ならない」は38%だ。

海外需要にかんしても、「震災前を下回る」と答えているのは全体の23%、製造業では15%しかない。それにたいして、内需については、全体の42%、製造業の46%が「震災前を下回る」と回答している。むしろ問題なのは、内需の落ち込みなのだ。

ロイター企業調査:電力不足問題、製造業の海外シフト要因に:Reuters

ところで、「電力不足が続くと、企業が海外に出て行ってしまう」という議論にたいし、今日の「しんぶん赤旗」日刊紙がおもしろい話を紹介している。

電力不足 財界「海外移転」いうが/アジア 日本より深刻:しんぶん赤旗

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今度は腐葉土から

こんどは、腐葉土から放射性セシウムが1kgあたり1万1000ベクレルも検出された。落ち葉からは7万2000ベクレルの放射線量を検出したという。

これらは、新たに排出された訳ではなく、要するに3月の爆発事故のときに環境中に放出されたもの。放射性ヨウ素は半減期が約8日間だから、100日もたつと放射線レベルは4000分の1以下に減るが、セシウムはそうはいかない。そして、それらがいま稲わら、落ち葉、腐葉土からも次々と検出されているわけだ。

しかし勘違いしてはいけない。「計る」から見つかるが、計らなくても放射性物質はそこに存在しているのだ。

業者保管分からもセシウム 栃木県産の腐葉土:MSN産経ニュース
市販の腐葉土から放射性セシウム:NHKニュース

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子どもだって、ここまできちんと分かってる

昨日の「毎日新聞」夕刊に載っていた、東京電力福島第一原発の事故で「避難準備区域」とされた南相馬市の小学校の児童たちが転校していった友だちと文通を始めたという記事。

それを読んでみると、「もしみんなが原発のびょうき、こうじょうせんがんになったら、ぜったいわたしはなおるのをみまもる」とか、「原子力にちかいところからひなんしてきたから、きらわれると思っていた」など、小学校4年生なりに原発事故の危険性や「差別」の不安を受け止め、心を痛めていることが分かる。あらためて事故の深刻さを考えずにはいられない。

東日本大震災:文通で深まる絆 避難準備区域、福島・南相馬の石神第二小4年生:毎日新聞

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こんどは團伊玖磨《HIROSHIMA》

團伊玖磨:交響曲全集(山田一雄、團伊玖磨指揮、ウィーン交響楽団)

團伊玖磨:交響曲全集

佐村河内守氏の交響曲第1番《HIROSHIMA》に続いて、こんどは團伊玖磨氏の交響曲第6番《HIROSHIMA》を聴いてみたいと思っていたら、タワーレコードで交響曲全曲集が3,000円で売っていたので、早速買ってきました。

團伊玖磨氏の《HIROSHIMA》を聴いてみようと思ったのは、読響の『月刊オーケストラ』7・8月号の下野竜也氏の一文。

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下野竜也×読響×ブルックナー+上岡敏之×東フィル×シューベルト

読売日本交響楽団第4回オペラシティ名曲シリーズ(2011年7月18日)東京フィルハーモニー交響楽団第806回サントリー定期演奏会(2011年7月22日)

先週は2つのコンサートを聴いてきました。

まず18日、下野竜也氏が振る読響のコンサート。ヒンデミット&ブルックナーという意欲的なプログラムでした(こういうのを「名曲コンサート」でやるあたりが下野さんらしい)。

  • ヒンデミット:〈さまよえるオランダ人〉への序曲〜下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした〜(下野竜也編・弦楽合奏版、世界初演)
  • ヒンデミット:管弦楽のための協奏曲 op.38 (日本初演)
  • ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 WAB.104 〈ロマンティック〉(ハース版)

22日は、サントリーで東フィルの定期。ヴッパータール響で活躍中の上岡敏之氏の指揮。

  • シューベルト:交響曲第7番 ロ短調「未完成」 D759
  • シューベルト:交響曲第8番 ハ長調「グレート」D944

まず、下野さんの読響定期から。

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佐村河内守:交響曲第1番《HIROSHIMA》

佐村河内守:交響曲第1番《HIROSHIMA》

佐村河内守:交響曲第1番《HIROSHIMA》

今日、某新聞に紹介されていましたが、佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんの交響曲第1番《HIROSHIMA》のCDが、昨日、発売されたということで、さっそく帰りに新宿タワーレコードで買ってきました。

広島に被爆2世として生まれ、聴力をすべて失ってなお書き上げられた作品。全3楽章、80分を超える大作で、しかも、マーラー、ショスタコーヴィチを思わせるような正統派の交響曲です。聴いてみると、曲の細部まで充実した、こうでしかありえないという緻密な構成でありながら、ところどころに懐かしさを感じるような音の構成があって、まったく飽きさせるところがありません。曲のエネルギーの大きさに圧倒される、実に堂々とした作品です。

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WSJ紙日本版にコラム「なぜ赤旗ばかりがスクープ飛ばすのか」

インターネットのウォールストリートジャーナル日本版に、「なぜ赤旗ばかりがスクープを飛ばすのか」というコラムが登場。

コラム子の金子啓子さんは、九州電力「やらせメール」だけでなく、資源エネルギー庁が「不適切・不正確な情報への対応」のために新聞やインターネットを監視して情報収集していたことを取り上げた記事にも注目しています。

【日本版コラム】なぜ赤旗ばかりがスクープ飛ばすのか―「やらせメール」「ネット監視」など:WSJ日本版

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まだ上陸してないようで…

台風6号(気象衛星画像、2011年7月19日22時15分、気象庁)

台風6号(気象衛星画像、2011年7月19日22時15分、気象庁)

のろのろ台風6号は、気象庁の発表によれば、21時現在、室戸岬付近にあって、四国に上陸するおそれはなくなったとのこと。このまま、和歌山県を目指してすすんでいくのでしょうか。

台風第6号に関する情報 第100号:気象庁

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Just in Time?!

台風6号(気象衛星画像2011年7月19日8時15分、気象庁)

台風6号(気象衛星画像2011年7月19日8時15分、気象庁)

台風6号の接近で、東京も未明からとき折り激しい雨が降り出しました。

でも、ちょうど出かけようと思った頃は雨が降ってなかったので、自転車でそのまま駅へ。

駅前の駐輪場に着いた途端に、ざーっと音を立てて雨が降り出しました。しかし、オイラはまったく濡れずにすみました。

これも日頃の行いがいいおかげ?!

日刊「しんぶん赤旗」を読もう(4)

今日は、朝から、なでしこジャパンのW杯優勝で盛り上がった。午前10時からのNHK-BSでの録画中継を見ていて、結果がわかっているのに思わず「よし!」と叫んでしまうほど、お互いに全力でぶつかり合った試合。おめでとうございました。ヽ(^o^)丿

さて、今日の「しんぶん赤旗」で一番注目されるのは、「米大統領 富裕増税を主張」という国際面の記事。

16日に、ラジオ・インターネット演説で財政再建策を訴えたオバマ米大統領は、富裕層減税の廃止に反対する共和党に対して、「最も富裕な米国人にも、それ相当の負担をしてもらわなければ、問題は解決できない」「何百億ドルも利潤を上げている石油会社が特別な税控除を受けていいとは思わない。ヘッジファンドの経営者が、自分の秘書よりも低い税率ですむことがあっていいわけがない」と語ったのだ。

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重厚で切れ味よく 飯守×東京シティフィル×ベートーヴェン第5番ほか

東京シティフィル第247回定期演奏会(2011年7月13日)

先週の水曜日、オペラシティで、飯守泰次郎氏による、東京シティフィル「ベートーヴェン交響曲全曲シリーズ」の最終回を聴いてきました。当初は3月17日に予定されていましたが、東日本大震災のために延期されていたものです。

  • ベートーヴェン:「コリオラン」序曲 op.62
  • ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 op.36
  • ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67

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読み終わりました 『リチャード3世』

松岡和子訳『リチャード三世』(ちくま文庫)

松岡和子訳『リチャード三世』

『ヘンリー6世』の方を読み終わってないのに、『リチャード3世』の方を先に読み終わってしまいました。(^_^;)

話は、バラ戦争。ランカスター家とヨーク家との対立。イギリス人なら常識の出来事なのかも知れませんが、双方が入り乱れて、登場人物の名前と系図を較べながら読むしかありませんでした。(^_^;) 

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日刊「しんぶん赤旗」を読もう(3)

昨日は忙しくて書き込めなかったので、2日分の「しんぶん赤旗」について。

まず今日の「しんぶん赤旗」。1面トップは、1973年、東京電力福島第2原発をめぐって日本で初めて開かれた公聴会の時、東京電力が世論誘導の「やらせ」をやっていたと暴露している。あきれるのは、地元・楢葉町の人口が7000人しかないのに、公聴会の傍聴希望者が1万6158人もいたこと。組織的動員以外の何ものでもないだろう。そういうことを、電力会社は、最初の時からやっていたのだ。電力会社の「やらせ」体質は根深い。

3面は、原子力発電を推進するために税金から出されている原子力広報・教育予算が毎年60億円にのぼる、という特集記事。大手広告代理店の電通、博報堂や、経済産業省・文部科学省所管の財団法人・日本原子力文化振興財団(まあ、要するに、役人の天下り先外郭団体だ)が、そうした企画を請け負っているのは当然とも言いうるが、「産経新聞」がそれを請け負っているというのは、ジャーナリズム失格だろう。

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出荷制限だけでは解決しないぞ!!

福島産の食用牛から放射性セシウムが見つかった問題で、政府は、福島県全域の出荷制限を検討しているという。しかし、稲わらの放射能汚染は、すでに宮城でも検出されている。

しかし、放射能汚染がみつかるたびに出荷制限をおこなっていても、問題の根本的解決にはけっしてならない。

福島県の牛 出荷制限指示を検討:NHKニュース
宮城の稲わら 目安の2.7倍:NHKニュース

なによりも、大急ぎで各地の放射能汚染の実態を詳細に調べて、どこにどれぐらいの危険があるかを明らかにしなければ、いつまでたっても、食品の放射能汚染が見つかるたびに、私たちは不意打ちを食らって、「すでに流通してしまった」「食べてしまったが、大丈夫か?」と大騒ぎを繰り返すだけ。食品の安全管理のために、抜本的な調査・対策をすすめなければいけない。

稲わらの汚染が発見された宮城県登米市、栗原市は福島原発から150km圏。これだけの範囲に放射性セシウムが広がっているとすると、相当な広範囲を調査する必要があるだろう。また、こんご稲わら→食用牛だけでなく、ほかにもさまざまな食品の汚染も起こりうるかも知れない。

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揺れました…(^_^;)

気象庁2011年7月15日21時5分発表

気象庁2011年7月15日21時5分発表

9時1分ごろ、茨城県南部を震源とする地震。私のところでも、震度2か3ぐらいの揺れを感じました。

気象庁|地震情報

東日本大震災の直後は東京でも震度5なんていう地震があったりして、夜中も眠れなかったりしましたが、最近はすっかり落ち着いていたので、ちょいと驚いてしまいました。