雑誌Pen 不破さんの『マルクスは生きている』を紹介

雑誌『Pen』2009年8月15日号(阪急コミュニケーションズ)

雑誌「Pen」の8月15日号が、本の紹介ページで、不破哲三『マルクスは生きている』(平凡社新書)を取り上げています。

評者は、「マルクスについて、誤解していた」「マルクスの思想は、たんなる社会主義のススメではない。あなたが身を粉にして働いているのは、いったい誰のためなのか。働くことの意味をじっくり考えさせる一冊だ」とコメントしています。

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本日のお買い物

サミュエル・ホランダー『リカードの経済学』(日本経済評論社)

サミュエル・ホランダー『リカードの経済学』(日本経済評論社、1998年刊)

リカードウの『経済学および課税の原理』をきちんと読みたいので、なにかコンメンタールはないか? と聞いたら、「やっぱ、これしかないでしょ」と言われたので、ついに買いました。上下2冊で1,000ページ超、古本でも9,000円しました。

はたして、この忙しい最中にどこまで読めるか分かりませんが、がんばって挑戦してみたいと思います。

6月の失業率さらに悪化し5.4%に

完全失業率の推移(男女計、季節調整値、労働力調査、2009年6月)

6月の失業率が発表された。5月よりさらに0.2ポイント悪化して、完全失業率は5.4%に。過去最悪は2003年4月の5.5%で、それにあと0.1ポイントとなったが、現在は5カ月連続で悪化しており、もはや過去最悪突破は確実だろう。

6月失業率5.4%、最悪に迫る 求人倍率最低、0.43倍 : NIKKEI NET

総務省統計局の発表データはこちら。↓PDFファイルが開きます。

労働力調査(基本集計) 2009年6月分(速報)結果の概要 (PDF:290KB)

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マルクスはリカードウをどう読んだのだろう?

『剰余価値学説史』を読んでみると、マルクスは、すでにリカードウを自家薬籠中の物にしている。『57-58年草稿』の学説史の部分を読んでみても同じ。

そもそも1851年に、エンゲルスにたいして、古典派経済学はリカードウ以来なんの進歩もしていないと書いて送っているのだから、そのころにはすでに十分読みこなしていたと考えられる。

しかし、リカードウの『諸原理』を読んで、あそこからマルクス的な労働価値学説を引き出すには、かなりの読みこなしが必要なはずで、いったいマルクスは、どんなふうにリカードウあるいは『諸原理』を読んでいったのだろうか?

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意外と優雅なF式生活?! 倉谷うらら『フジツボ』

倉谷うらら『フジツボ 魅惑の足まねき』(岩波科学ライブラリー)

岩波科学ライブラリーの最新刊の1つ。倉谷うらら『フジツボ 魅惑の足まねき』

フジツボと言われると、みなさんはどんなイメージをもたれるでしょうか? 本書でも紹介されていますが、「ビッシリ、ベッタリ、気持ち悪い」などなど。ところが、これがフジツボ研究者に言わせると、「可愛い、チャーミング、繊細、わくわくする、蠱惑的」等々。著者は、フジツボに敬愛をこめて、これをFと呼んでいます。

で、そのフジツボ、分類学的にはいったい何の仲間なのか?

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チョン・ミョンフン×東フィル×ブラームスSym.1&2

チョン・ミョンフン×東フィル×ブラームス交響曲第1番&第2番

チョン・ミョンフン×東フィル×ブラームス交響曲第1番&第2番

東京フィルハーモニー交響楽団 第775回サントリー定期シリーズ

 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73

指揮:チョン・ミョンフン/コンサートマスター:三浦章広
サントリーホール/2009年7月24日 午後7時開演

今日は、サントリーホールで、チョン・ミョンフン×東フィルによるブラームス・チクルスの第1夜。交響曲第1番と第2番という重厚なプログラムでした。

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景気沈滞で共産主義にむかう日本人

イギリスのデイリーテレグラフ紙が「景気沈滞で共産主義にむかう日本人」という記事を掲載。

42歳のサラリーマン、オバタ・ケイスケさんなどを登場させて、「共産主義が答えなのかも知れない」という声を紹介しています。

Japanese turn to communists in downturn – Telegraph

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豪ABCラジオ 日本共産党にインタビュー

オーストラリアのABCラジオのニュースで、日本共産党が取り上げられました。インタビューでは、日本共産党の志位和夫委員長だけでなく、最近日本共産党に入党した29歳の青年サトミ・ケンタロウさんも登場しています。

ABC Radio Australia:Connect Asia:Stories:Japan communists hope to boost numbers in next month's elections

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蒸気や圧力で泥をつくる?

『資本論』第13章「機械と大工業」の第8節eで、マルクスは、工場法を導入することによって、かえって生産力の発展が促される、という話をしています。そのなかで、注278がついているところ(ヴェルケ版ページで500ページ)に、陶器の作り方の話が出てきます。

これは、製陶業での技術改良の話を、『工場監督官報告』から引用しているところなのですが、そのなかに、こんな表現が出てきます。(新日本新書<3>820ページ。大月書店全集版620ページ)

蒸気による代わりに圧力によって陶土漿をつくる改良された方法……

陶土漿というのは、陶器用の土に水を混ぜてドロドロにしたものであるとの訳注が、新日本版にはついています。しかし、蒸気で陶土漿をつくるかわりに圧力で陶土漿をつくる、って、いったいどういうことなんでしょうか? どう考えても、よく分かりません。

この部分、大月版では、「蒸発によらないで圧力によって陶土漿(slip)をつくる」となっています。蒸気と蒸発では、全然意味が違ってきますが、それもまた疑問。謎が謎を呼ぶばかりです。

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国会解散 さあ自公政治を終わらせよう!!

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本日、衆議院が解散されました。

自公政治を決定的に終わらせて、新しい政治をひらく絶好の機会がやって来ました。

小雨模様ですが、新宿西口で、いま日本共産党の解散第一声の演説会が開かれ、志位和夫委員長が演説しています。

投票日は8月30日。暑い(熱い?)夏になりそうです。

大丈夫でしょうか…?

バスカード

バスカードを洗濯機で洗ってしまいました。(T^T)

これまでも、何度か洗濯機で洗ってしまったことはあるのですが、今回はジーンズと一緒に洗ってしまったため、損傷度が激しく大です。かなりベコベコになってます。(写真で分かりますか?)

はたして無事に使えるでしょうか…? (^^;)

自転車のバンク修理のあいだに手話について学ぶ

月刊『言語』2009年8月号(太修館書店)

自転車がバンクしてしまったので駅前の自転車屋さんで修理してもらいました。待ち時間のあいだに、近くの書店で見つけた月刊『言語』(太修館書店)8月号。手話については、前から、一番身近にある「外国語」として興味があったので、さっそく買い込んで、近くの喫茶店でぱらぱら読んでみました。(^^;)

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それは「正比例」か、「反比例」か?

『資本論』第1部第3章「貨幣または商品流通」の第3節「貨幣」b「支払手段」の終わり近く、注(107)がついているところで、マルクスは、次のように書いています。(上製版Ia、238ページ、新書版第1分冊、239ページ)

支払手段の通流速度にかんする法則の帰結として、どんな起源をもつ支払いであろうと、すべての周期的支払いにとって必要な支払手段の総量は、諸支払期間の長さに正比例する。

この部分、長谷部文雄氏の翻訳では、次のようになっています。

支払い手段の通流速度にかんする法則からして、その起源のいかんをとわずすべての周期的な支払いにとっては、支払手段の必要分量は支払期間の長さに逆比例する、ということになる。

ご覧のように、新日本訳で「正比例」となっている部分が、長谷部訳では「逆比例」(反比例)と、正反対の意味に訳されています。「正比例」か「反比例」か、 どっちが正しいのでしょうか?

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ところで「章標」って何?

カミザワさんのコメントから、さらに問題意識が発展。そもそも「章標」って何? という話です。もちろん、マルクスが『資本論』でどういう意味で使ったのかということではなくて、「章標」という言葉は日本語としてどうなのよ、という話です。

ちなみに「章標」という言葉は、手元にあるいろいろな国語辞典を引いても、どれも載っていません(三省堂『大辞林』、岩波『広辞苑』、小学館『大辞泉』、三省堂『新明解』、太修館『明鏡』など)。似ている言葉としては、「章票」、あるいは「標章」は出てきますが、「章標」というのは、どうやら広く世間で使われている言葉ではなさそうです(もちろん、そうしたことは学術用語にはしばしばあるものですが)。

だからこそ、「章標」ってなによ? ということになるわけです。で、またまた電子辞書を駆使して、いろいろ調べてみました。(^_^;)

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