春闘政策だけでなく

日本経団連の経営労働政策委員会報告が発表されました。

経営労働政策委員会報告というのは、これまでは経営者側の春闘政策といった位置づけだったが、こんどのを読むと、それだけにとどまっていないことが分かる。きちんと読んでみる必要がありそう。

日本経団連:2007年版 経営労働政策委員会報告(概要)「イノベーションを切り拓く新たな働き方の推進を」 (2006-12-19)

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田中直毅氏はクビ?!

日本経団連が、21世紀政策研究所の運営体制を大幅に見直し。

新しい21世紀研の活動目的として、次の2つを掲げています。

  1. 経団連の政策立案・推進能力の強化に貢献する。
  2. 政治のリーダーシップの強化に向けて、政治任用などとして活躍する人材を育成・輩出する。

そして、経団連会長が同研究所の会長に就任、理事長には経団連副会長もしくはその経験者があたり、経団連会長、副会長全員、事務総長が研究所の運営委員として、直接運営にあたるというのだから、相当本気でてこ入れするつもりのようです。

日本経団連:2007年度以降の21世紀政策研究所の運営について 2006-11-13

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ホワイトカラー・エグゼンプション制度をめぐるニュース2つ

日本経団連が厚労相に会談を呼びかけ、「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」(1日8時間の労働時間規制の適用除外)の実現を迫る。他方、肉親を過労死でなくした遺族の方々が、過労死を蔓延させるだけだとして、労働時間規制の適用除外をやめるよう厚労省に申し入れ。

厚労省は、来年の通常国会に、労働時間規制の適用除外をすすめる法案を提出する計画。ということで、財界のわがままが押し通されるのか、それとも反対世論がそれを上回るのか。大事な時期を迎えることになりそうです。

労基法除外 給与水準で限定を(NHKニュース)
労働時間見直し 導入見送りを(NHKニュース)

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労働法制についての経済同友会意見書を読む

経済同友会が、11月に発表した労働法制にかんする意見書をあらためて読んでみました。

メディアでは、この意見書について、同友会は「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」に難色を示した報道したところもありましたが、よく読むと、ホワイトカラー・エグゼンプション制度は「将来進むべき方向としては適正な考え方」と述べていて、制度そのものには反対していないことが分かります。

「労働契約法制」及び「労働時間法制」に関する意見書(経済同友会)

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自民党、財界こぞって消費税増税へ

日本経団連が、2009年に消費税率を2?3%引き上げるよう政府・与党に求める方針を固めたら、自民党は、来年度の税制改正大綱で、消費税引き上げを含む増税路線を打ち出すことに。

さあ、2007年は、消費税増税論議をめぐる決戦の年になりそうです。参院選で、きっぱり決着つけましょう。

<経団連>「消費税7?8%に」提言へ 09年めど引き上げ(毎日新聞)
「消費税」大綱に明記へ 税率上げや時期は来年検討(東京新聞)

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三菱東京UFJ銀行が政治献金を再開

三菱東京UFJ銀行が自民党への政治献金を再開することに。

公的資金の返済が終わったから、と言うことですが、政治献金を再開する前に、まず税金を払ってほしいものです。

三菱UFJが政治献金再開…9年ぶり、3000万円 (読売新聞)
大銀行 法人税ゼロ/空前のもうけ3兆円なのに/国民は住民税増税・負担増なのに(しんぶん赤旗)

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最近の財界戦略

労働者教育協会の『季刊 労働者教育』で、金田豊氏が「財界の職場支配の再編」という論文を書かれています。そこで、人事・雇用管理・労資関係にについての財界の一連の提言・報告がとりあげられています。今後の財界の職場戦略を知る材料になるので、とりあえずリストアップ。

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派遣はあくまで一時的なもののはず

政府の経済財政諮問会議で、派遣労働者の直接雇用義務撤廃の動きが。

そもそも、派遣というのは一時的・臨時的・補助的なもの。だから、1年あるいは3年以上継続して派遣を受け入れ続けた場合は、ちゃんと正社員として雇いなさい、というのが、直接雇用義務です。これを撤廃するというのは、派遣労働者というのはそもそも一時的・臨時的・補助的なものという根本をくつがえすものです。

派遣労働者の直接雇用、政府の義務撤廃を検討 経財会議(朝日新聞)

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4.8%だからといって認めることはできない

日本経団連、厚生労働省が導入を狙っている「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度。厚労省が、対象となる労働者を年収1000万円以上にしようとしていることが明らかに。

年収1000万円以上というと、現在の労働者の4.8%。日本経団連が求める「年収400万円以上」に比べると、対象は非常に限られます。しかし、だからといって安心してはいけません。

労働者派遣法のときも、最初は対象職種を限定して、ともかく制度を導入。そのあとで、どんどん枠が広げられていきました。「ホワイトカラー・エグゼンプション」だって同じです。4.8%だったら大勢に影響ないと思って油断したら、ひとたび制度がつくられた後、たちまち対象が広げられていくことは確実です。

労働時間規制の撤廃 「年収1000万円超」検討(東京新聞)

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厚労省、自律的労働時間制度、来年通常国会提案へ

日本経団連などが要求している「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度を実現するために、厚生労働省が来年の通常国会に法案を提出する方向で労働政策審議会に具体案を提示するもよう。

「自律的労働時間制度」とか「多様な働き方を可能にする」というと、なんだか素晴らしいもののように思えてきますが、つまるところ、賃金を労働時間の長さに比例させるという大原則を取っ払ってしまい、いくら長時間働いても残業代は一円も出ないようにしてしまおうというもの。現在の「成果主義賃金」や「年棒制」は、個々の労働者の同意がなければ実施できないが、「自律的労働時間制度」が実現したら、個々の同意がなくても、「残業代なし」の新制度が導入できるようになります。だいたい今の日本の職場で、労働者が自由に労働時間を決められる職場があるでしょうか? いまでも30代男性の3分の1は週60時間も働かされ、サービス残業はなくなりません。そんな状況で、「自律的労働時間制度」によって、企業側に労働時間管理の義務がなくなり、残業代不要になったら、いったいどうなるか。簡単に想像がつくはずです。

自由度高い労働時間制、健康管理強化など条件 厚労省が導入案 労政審に提示へ(日経新聞)
残業代11.6兆円失う(神戸新聞)
労働時間規制の緩和、「導入しないで」 過労死遺族ら(朝日新聞)

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御手洗氏、請負の規制緩和を要求

キヤノンがらみで、偽装請負に関するニュースが2つ。

1つは、キヤノンの工場で働く請負労働者が、「偽装請負だ」として、キヤノンに正社員としての雇用を申し入れたというニュース。もう1つは、そのキヤノンの御手洗氏が政府の「経済財政諮問会議」で、請負にかんする法律が厳しすぎるとして「見直し」を求めたというニュース。

後のニュースを読むと、御手洗氏のねらいが、請負労働者に対して受け入れたメーカーが直接指示できるようにしたいというのが、「見直し」の一番の要求であることが分かります。で、その「見直し」が実現したとすると、最初のニュースの請負労働者が「偽装請負だ」と訴えることができなくなる、という仕掛けになっています。

請負というのは「業務」を請け負うもの。メーカー側がいちいち指示を出さないと生産できないようなところが業務を請け負うということ自体が、そもそもおかしいのです。

キヤノンの偽装請負、労働者が正社員化申し入れ(朝日新聞)
請負法制「無理ありすぎる」 御手洗氏、経財会議で発言(朝日新聞)

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日本経団連が、自民党、民主党の政策評価を発表

時間がないので、今日は貼り付けるだけ。

日本経団連:2006年政策評価の発表にあたって 2006-09-25

それから、9月22日に、御手洗会長が安倍新総裁に会い、5項目の要望を申し入れたそうです。経団連のホームページには公表されていませんが、新聞報道から。

経団連会長、安倍氏にアジア重視の外交など要望 (NIKKEI NET)
アジア重視の外交を、経団連会長が安倍新総裁に要望(読売新聞)

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御手洗会長、憲法改正で集団的自衛権の実現求める

日本経団連の御手洗会長が、11日の定例記者会見で、「集団的自衛権と憲法は矛盾している」「解釈で補っているのは無理がある」として、憲法を改正して集団的自衛権を行使できるようにすべきだと考えを示した。

敵対的買収は日本では難しい=経団連会長(ロイター/朝日新聞)

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経団連の政治献金10%増

日本経団連の会員企業による政治献金が2005年には10%増え、24億8000万円に。自民党が24億2000万円、民主党が6000万円。企業・団体献金全体が減る中で、経団連が斡旋した献金が増え、献金した企業は約650社も増えているというのは、それだけ日本経団連の影響力の拡大を意味する。

企業は営利団体。見返りを期待した献金は贈賄、見返りを求めない献金は背任になり、どっちに転んでも犯罪です。

経団連会員の政治献金、10%増の24億8000万円・05年(NIKKEI NET)

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御手洗経団連会長が日本記者クラブで講演

8月28日、日本経団連御手洗会長が日本記者クラブで講演。
きちんと分析したいのだが、時間がないので、とりあえず貼り付けておきます。(._.)φメモメモ

「希望の国」を目指して:日本記者クラブにおける御手洗会長講演(日本経団連)

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開き直り

小泉首相が靖国神社を参拝。「あの戦争は正しい戦争だった」と主張する靖国神社への首相の参拝は、靖国神社の誤った主張にお墨付きを与えるものです。

予想されたとおりだとはいえ、「いつ参拝しても批判があるなら、今日参拝するのがふさわしい」とは“開き直り”そのもの。「A級戦犯のために参拝しているのではない」とも言っていたようですが、しかし、「A級戦犯を参拝しなかった」とは言えないところが、靖国参拝論の矛盾を示しています。

小泉首相 靖国神社に参拝(NHKニュース)

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