岩波文庫で新訳が出たケインズ『一般理論』を読んでみたが、分かるところといまいち分からないところが、マダラに残ったので、新野幸次郎・置塩信雄共著『ケインズ経済学』(三一書房、1957年)を読んでみた。
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ケインズ『一般理論』
ケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』。岩波文庫で新しい訳が出たので読み始め、そろそろ上巻が終わるところまできました。しかし、すでに義務感だけでページをめくっているような状態。(-.-;)
追い込まれた1日
日曜日の学習会の準備で、いよいよ追い込まれる。
青年を対象にして、科学的社会主義の経済学について講義をするのだが、現実の経済問題とのつながりを念頭におきつつ基本のところをがっちり話してほしい、というのが現地の希望。与太話では、そんなことは何度も喋ってきたが、それをメインに、きっちり話せと言われると、何をどう話したらよいか、なかなかまとまらない。
浅野栄一『ケインズ一般理論入門』
古い本ですが、浅野栄一『ケインズ一般理論入門』(有斐閣新書、1976年刊)を読み終えました。伊東光晴氏のケインズ理解と重なるところもたくさんあるのですが、同じことを主張していても、伊東氏と角度が違っていたりして、理解が深まるところがたくさんありました。
読み終わりました(2) 伊東光晴『ケインズ』
伊東光晴氏の新著『現代に生きるケインズ』(岩波新書)に続けて読んでいた『ケインズ』(講談社学術文庫)ですが、こっちも読み終わりました。
う〜む、やっぱりちゃんと読まんとあかんなぁ〜、というのが一番の感想。『現代に生きるケインズ』で論じられている問題が、いろいろ、もっと詳しく論じられています。アクセントの置き方などでちょっと変わっているところもありますが(たとえばカーンの波及的乗数効果論にたいする評価は、新著に比べて、それほどシビアじゃなかったり、など)。その代わり、流動性選好利子論や投資決定論などの説明は、ずっと詳しくて、よく分かります。
読み終わりました 伊東光晴『現代に生きるケインズ』
とりあえず読み終わりました。
本書で、伊東光晴氏が批判しているのは次のような論点です。
- 新古典派が貯蓄を利子率の関数とみなすこと
- 実質賃金率によって労働供給量が決まるとする新古典派の労働市場分析
- 貨幣数量説(ヒックスの「IS-LM理論」)
- カーン流の波及的「乗数効果」理論
- 収穫逓減を前提とした新古典派の均衡価格論
全部理解できたわけではありませんが、それでもなるほどと思うところがいっぱい。置塩信雄先生は、ケインズ理論の方が新古典派よりも資本主義経済の動きをよりリアルに反映していると指摘されていますが、本書を読むと“なるほど”と思います。
さっそく読んでます 伊東光晴『現代に生きるケインズ』
先週末発売されたばかりの伊東光晴『現代に生きるケインズ』(岩波新書)ですが、さっそく読み始めて、まあだいたい半分ぐらいまで読み終わりました。
スタンスとしては、サブタイトルに書かれているとおり、「モラル・サイエンスとしての経済理論」という側面がぐっと押し出されています。理論的には、ハロッド流の貯蓄曲線、カーン流の「波及的乗数理論」、それにヒックスの「IS-LM理論」ではない「一般理論」という感じです。新古典派総合で近経を勉強した世代としては、なかなかショッキングな中味かも知れません。
置塩信雄『現代資本主義と経済学』を読み返す
「新自由主義」批判との関係で、あらためて、置塩信雄先生のケインズ経済学にたいする批判を勉強し直そうと、先週から『現代資本主義と経済学』(岩波書店、1986年)を読み返していたのですが、今朝ようやく読み終えました。
これは、『蓄積論』や『マルクス経済学II』で論じられていたことだと思うのですが、置塩氏は、正常に剰余価値を実現するためには、資本家の投資需要が不可欠であることを解明されています。要するに、C+V+MのうちMを資本家の個人的消費だけですべて消費することは不可能だということです。
置塩信雄『近代経済学批判』
置塩信雄先生の『近代経済学批判』(有斐閣双書、1976年)を読み終えました。