みずほフィナンシャルグループが5650億円の損失を出したほか、国内の金融機関だけで1兆2000億円の損失。
欧米の金融機関に比べれば、日本は、みずほFGを除いて、“傷が浅かった”といえますが、その割には株価は下がったまま。このあたりに、サブプライム問題だけに還元できない日本経済の脆弱性が表れていると思います。
みずほフィナンシャルグループが5650億円の損失を出したほか、国内の金融機関だけで1兆2000億円の損失。
欧米の金融機関に比べれば、日本は、みずほFGを除いて、“傷が浅かった”といえますが、その割には株価は下がったまま。このあたりに、サブプライム問題だけに還元できない日本経済の脆弱性が表れていると思います。
何年か後になってみると、「あのとき、ドルの基軸通貨としての地位は失われた」と言われることになるかも知れない。
混迷:米国発・金融危機 崩れるドルの力(毎日新聞 3/21)
円建て外債、3倍超に・今年度発行、欧米での調達避ける(日経新聞 3/22=夕)
欧州、公的支援で“安定”・サブプライム危機(日経新聞 3/23)
サブプライムローン問題に関連した損失が世界全体で8000億ドル(約78兆円)に上るとの試算を、IMFが発表。昨年9月には、2000億ドルとの試算を発表していたのが、わずか半年で4倍化した結果に。
サブプライム損78兆円/IMF試算 保険会社にも拡大(読売新聞)
損失の全容つかめず/サブプライム 9月予想の4倍(読売新聞)
米財務省の発表によれば、サブプライムローン問題での損失は、これまでに公表された分だけで2000億ドル(約20兆円)を超える見込み。
しかも、これで終わりという訳ではなさそう。
サブプライム、公表損失額20兆円超に(TBS News-i)
サブプライム損失「年末にかけ拡大も」・EU財務相理が採択へ(NIKKEI NET)
米経済の最大のリスクはサブプライムローンのデフォルトと多額の債務=NABE調査(ロイター)
年金積立管理運用 7924億円の赤字に転落(MSN産経ニュース)
サブプライムローン問題で、6大銀行の損失額が5291億円になったことが明らかに。
大手行の損失5300億円 米住宅ローンで業績悪化(中国新聞)
サブプライム関連損失365億円=あおぞら銀の07年4-12月期(時事通信)
みずほFGがサブプライム関連損失を倍増、通期予想を下方修正 (ロイター)
新生銀:3月期予想を下方修正、サブプライム損失拡大も(ロイター)
サブプライム問題で、みずほFGが2500億円の損失計上へ。昨日は、三井住友FGが990億円の損失。ほかにモノラインがらみで100億円の損失も計上されている。
みずほ、2000億円追加支援・傘下証券にサブプライム関連で(NIKKEI NET)
三井住友FG、サブプライムで990億円損失・4-12月期(NIKKEI NET)
EUのアルムニア欧州委員(経済・通貨担当)が、「世界的な株安の原因は、アメリカが貿易赤字と財政赤字を放置していることにある」と批判。
現在の株安が、たんに米サブプライムローン問題によるものだけではない、ということを示している。
また、この批判に「EUは大丈夫」ということをアピールする狙いがあることも事実だが、大もとには、アメリカがこれ以上貿易赤字と財政赤字を放置するなら、ドルは基軸通貨としての地位を失うぞという根本的な批判が含まれている。いまやドル不安が世界経済の一番の不安定要因になっているということだ。
東証平均株価が1万3000円割れ。昨年7月の1万8261円から5500円以上下落というのは下落率にして30%以上。米サブプライムローン問題の影響だというけれど、アメリカでもこんなには株価は下落してません。むしろ日本の景気が腰折れしている方が問題なのでは?
世界同時株安の様相 東証1万3000円割れ 欧州、アジアも急落(東京新聞)
日本の株価下落率 世界2位(NHKニュース)
損保ジャパンが、アメリカのサブプライムローン関連の金融商品にたいして、元本や利子の支払いを保証する「金融保証保険」なるものを引き受けていたために、最大で340億円の支払いが生じる可能性が明らかになった。
金融商品に、それとは別に元本や利子の支払いを保証する「保険」をかける(つまり、金融商品が値上がりした場合は、支払いの必要がないので、保険会社は保険料の分だけ丸儲けになるが、金融商品が値下がりすると、損失を補填する必要が生じるわけだ)とは…。「金融的術策」とはいうけれど、いったいどこまで手が込んでいるのか。これだから、サブプライムローン問題の被害がどこまで広がるか、いまだにはっきりしないわけです。
サブプライムローン問題は、まだまだ終息しそうにありません。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、シティグループとメリルリンチが巨額増資を検討していると報道。シティグループの増資は最大で140億ドル(1兆5000億円以上)。メリルリンチは、昨年末に62億ドル(約7000億円)の資本増強を発表したばかりです。
シティグループとメリルリンチ、巨額増資か 米紙報道(朝日新聞)
「市場不安解消を」 米金融保証大手が10億ドル資本増強(MSN産経ニュース)
メリルリンチ、7000億円資本増強・シンガポール投資ファンド出資(NIKKEI NET)
欧州中銀、金利据え置き サブプライムで7カ月連続(中日新聞)
米FRB議長、大幅な追加利下げ示唆(NIKKEI NET)
今度は、同じニューヨークタイムズ紙が年末(12月30日)に掲げた論評。「自由市場というのは、結局、偽りのアイドルではないのか?」と問いかけています。
The Free Market: A False Idol After All?(The New York Times)
昨年10月22日付のニューヨークタイムズ紙に、「形勢が逆転: 貧しい国々が豊かな国々の鼻先で指を振る」という論評が出ています。「鼻先で指を振る」というのは、「チッチッチー」などといって相手の鼻先で指を振って、相手にお説教をたれる、映画やアメリカン・アニメでお馴染みの動作です。つまり、意訳すれば、「形勢逆転、貧困国が富裕国にお説教」というところ。
で、どういう記事かというと、その週末に開かれたIMFと世界銀行の会議で、アルゼンチン、シリア、コンゴなどを中心とする貧困国26カ国のグループ(G26)は声明を発表し、そのなかで、米サブプライムローン問題に見られるように、いまや先進国こそが世界経済の不安定性の要因となり、発展途上国こそ世界経済の安定要因になっていると指摘したことを取り上げ、IMFや世界銀行の会議といえば、先進国が発展途上国の援助を議論するところだったのに、いまやそれが逆転したというのです。
Tables Turned: Poor Countries Wag Fingers at Rich Ones(The New York Times)
ニューヨークの原油先物価格が、とうとう1バレル=100ドルを突破。
直接的な値上げ理由はいろいろあるだろうが、この高騰は、サブプライムローン問題による金融市場の不安から投機的資金が原油市場に流入していることにある。しかし、さらに遡れば、中東情勢の不安定化による「先行き不安定」感がある。日本経済の“安全保障”という立場からいっても、アメリカ言いなりでは何の展望も生まれないだろう。
原油高騰の影響が各方面に。給与は上がらないのに、物価だけ上がっていく…。
きりがありません……。
サブプライム問題で、国内大手銀行6グループの損失が3000億円にのぼる見通し。また、邦銀のサブプライム・ローンを含む金融商品の保有額は1.3兆円にのぼることも明らかに。
さらに、サブプライムに次ぐ「オルトA」というローンでも、同じように焦げ付きがでる可能性も取り沙汰されています。はたしてどうなりますやら…
国内大手銀6グループ サブプライム損失3000億円 3月期見通し 中間利益は45%減(東京新聞)
大手6行:最終益半減 成長戦略、立ち往生 サブプライム直撃、「海外証券化」で損失(毎日新聞)
サブプライム問題:邦銀の保有額は1兆3000億円(毎日新聞)
サブプライム、世界規模損失32兆円 OECD試算(中日新聞)
サブプライム・ローン問題、日本への影響も段々と明らかになってきた。
住友信託銀、サブプライム損失190億円…3月期見通し(読売新聞)
イーバンク銀、サブプライム損失18億円(朝日新聞)
サブプライム 見通し甘く(読売新聞)
サブプライム問題は落ち着くどころか、次々と巨額な損失を計上する企業が現われています。FRB議長は、損失は全体で1500億ドル(約17兆円)にのぼる可能性があると指摘。
米証券大手のモルガン・スタンレーが37億ドル(約4200億円)の損失を計上。独保険最大手のアリアンツは約940億円。日本のあいおい損保は252億円。ベルギー・オランダ系の金融大手フォルティスは1億2000万ユーロ(約200億円)。米AIGは24億5000万ドル(約2800億円)。
サブプライム問題、みずほ証券が1000億円を越す損失を出し、新光証券との合併延期、と日経が報道。
これについて、みずほ証券は「合併期日の変更を決めた事実はない」とコメントを発表したが、サブプライム問題での損失について触れていない分、逆にこれは事実ということか。
みずほ証券、サブプライム損失1000億円超・新光と合併延期へ(NIKKEI NET)
合併期日の変更を決めた事実はない=一部報道でみずほ証・新光証(ロイター)