27日(日)、上野の東京文化会館で、二期会のオペラ「蝶々夫人」を見てきた。栗山昌良の二期会オペラ演出60年を記念する企画でもある。
ストーリーはよく知られたとおり。第1幕では、戸籍管理官として神主が出てきたかと思えば、ボンゾーなる僧侶がでてきて、キリスト教に改宗した蝶々さんを「猿田彦の神」の信仰を捨てたと言って非難するなど、ジャポニズム満載で、何度見ても馴染めないのだが、第2幕では回りの心ない言葉に耳を貸さず、ピンカートンの帰りを待つ蝶々さんの切なさ、さらに第3幕ではピンカートンの夫人の姿を見るなりすべてを悟り、我が子をゆだねて自害して果てるストーリーに、もう涙ボロボロ、鼻ズルスル…。
マドンナの木下美穂子さんは、15歳の蝶々さんというには貫禄がありすぎた?感じもしなくはないが、ルスティオーニが目一杯鳴らすオケを圧倒する存在感は見事だった。スズキ役の小林由佳さんも良かった。男性陣では領事のシャープレスを演じた泉良平氏が役どころを上手く演じていたように思う。
【公演情報】
東京二期会オペラ劇場 二期会名作オペラ祭り
ジョコモ・プッチーニ作「蝶々夫人」
指揮:ダニエーレ・ルスティオーニ
演出:栗山昌良
舞台美術:石黒紀夫
出演:木下美穂子(蝶々夫人)、小林由佳(スズキ)、谷原めぐみ(ケート)、樋口達哉(ピンカートン)、泉良平(シャープレス)、栗原剛(ゴロー)、鹿野由之(ヤマドリ)、佐藤泰弘(ボンゾ)、渥美史生(神官)ほか
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
2014年4月27日(日) 午後2時開演、東京文化会館