日曜日(9/2)の「毎日新聞」の書評欄で、伊東光晴氏が関志雄『中国を動かす経済学者たち』の書評を書かれていましたが、なかなか的確な書評だと思いました。
で、この書評で、伊東光晴氏は、「理解できない」「わからない」を連発されています。たとえば
日曜日(9/2)の「毎日新聞」の書評欄で、伊東光晴氏が関志雄『中国を動かす経済学者たち』の書評を書かれていましたが、なかなか的確な書評だと思いました。
で、この書評で、伊東光晴氏は、「理解できない」「わからない」を連発されています。たとえば
しばらく整理してませんでしたが、ここらでまとめておきます。哲学あり、歴史あり、経済学あり、小説ありで、相変わらず僕の読書傾向は不明です。(^_^;)
とりあえず、ここまでが11月刊行分。10月以前刊行分は続く…。
古い本ですが、浅野栄一『ケインズ一般理論入門』(有斐閣新書、1976年刊)を読み終えました。伊東光晴氏のケインズ理解と重なるところもたくさんあるのですが、同じことを主張していても、伊東氏と角度が違っていたりして、理解が深まるところがたくさんありました。
伊東光晴氏の新著『現代に生きるケインズ』(岩波新書)に続けて読んでいた『ケインズ』(講談社学術文庫)ですが、こっちも読み終わりました。
う〜む、やっぱりちゃんと読まんとあかんなぁ〜、というのが一番の感想。『現代に生きるケインズ』で論じられている問題が、いろいろ、もっと詳しく論じられています。アクセントの置き方などでちょっと変わっているところもありますが(たとえばカーンの波及的乗数効果論にたいする評価は、新著に比べて、それほどシビアじゃなかったり、など)。その代わり、流動性選好利子論や投資決定論などの説明は、ずっと詳しくて、よく分かります。
とりあえず読み終わりました。
本書で、伊東光晴氏が批判しているのは次のような論点です。
全部理解できたわけではありませんが、それでもなるほどと思うところがいっぱい。置塩信雄先生は、ケインズ理論の方が新古典派よりも資本主義経済の動きをよりリアルに反映していると指摘されていますが、本書を読むと“なるほど”と思います。
先週末発売されたばかりの伊東光晴『現代に生きるケインズ』(岩波新書)ですが、さっそく読み始めて、まあだいたい半分ぐらいまで読み終わりました。
スタンスとしては、サブタイトルに書かれているとおり、「モラル・サイエンスとしての経済理論」という側面がぐっと押し出されています。理論的には、ハロッド流の貯蓄曲線、カーン流の「波及的乗数理論」、それにヒックスの「IS-LM理論」ではない「一般理論」という感じです。新古典派総合で近経を勉強した世代としては、なかなかショッキングな中味かも知れません。
またまた前回から1ヵ月以上立ってしまいました。時々整理しておかないと、ホントに何を買ったのか、買った本人にもわからなくなるのですから、困ったもんです…。(^_^;)
まずは4、5月刊の新刊書。
経済学者の都留重人氏が死去。
高校生の時、経済学に興味を持って初めて読んだ本の1つが都留重人氏の『経済学はむずかしくない』(講談社現代新書、初版1964年、第2版1981年、現在絶版)だったと思います。他に伊東光晴『ケインズ』(岩波新書)などを読んで、こういう経済学を勉強しようと、母校の経済学部を受験しました。
でも、合格してみると、都留重人氏は学長を務めたあと退職されており、伊東光晴氏も他大学へゆかれていて、希望していたような経済学を講義する先生は誰もいない…。ということで、呆然としてしまったことを思い出します。
晩年は経済学だけでなく、日米安保体制、憲法問題など積極的に発言されていたのが印象的でした。
締め切り前の忙しい時期ですが、昨日は、仕事帰りの満員電車の中で、久しぶりに『世界』を読みながら帰ってきました。毎月買ってはいても、まともに読むのは久しぶりです。(^^;)
まず読んだのは、池明観氏の連載「境界線を超える旅」。氏の半生をふり返った自伝的な連載ですが、ちょうど「韓国からの通信」を書き始めた時期のことが書かれています。そのとき僕はちょうど中学3年生で、『世界』という雑誌のことは全く知りませんでした。それがまとめられて岩波新書として刊行されたときには、自分で買って読んだ記憶がありますが、もとよりどれだけ理解していたか…。連載を読みながら、あらためて「維新体制」下の韓国民の暮らしを思い浮かべました。池明観氏が、金大中事件について「日本国民が韓国の問題にたいして近代史以降これほど人道的関心を示したことがあるであろうか」と述べておられるのが印象に残りました。
そのほか、河野洋平衆院議長へのインタビュー「日中『政冷』を憂慮する」、伊東光晴氏の論文、金子勝氏とA・デウィッ氏の論文をとりあえず読みました。
伊東光晴「景気上昇はなぜ起きたか」は、90年代不況の初期対策として増税をおこなうべきだったと主張しており、にわかには理解しがたいところもありますが、日本の場合、減税が景気刺激策として効果がないという指摘は説得力があります。注にあげられた赤羽隆夫『日本経済探偵術』、同「図解、2003年の経済」(『エコノミスト』2003年1月14日号)は読んでみる価値あり?
金子勝、A・デウィット「ネオコンからテオコンへ」は、前に「日刊ゲンダイ」の記事として紹介した話とテーマは同じですが、内容はずっと真面目なもの。<1>ブッシュはチェイニーなどに操られる人形だという漫画的理解とは異なって、ブッシュはホワイトハウスの政策決定過程において実際に大きな役割を果たしている、<2>ブッシュ自身がアドバイザーの人脈を非常に小さな均質なグループに限るようになりつつあり、政策を決定する際には、多くの情報にもとづく議論や熟考よりも、信仰心と祈りに強く裏打ちされた「本能的直感」を重視するようになっている、という米ジャーナリストの分析を紹介しています。