原子力安全委員会の班目委員長が、原発のストレステストについて「『1次評価』だけでは安全性を評価するには不十分だ」と発言しています。これがもし本当だとしたら、「1次評価」合格で原発を再稼働させようという政府の思惑を完全に吹き飛ばすことに。しかし、あの班目さんが根本的に心を入れ替えたならともかく、ホントにそんなことを言い出したんでしょうか?
と思って、少し調べて囁きました。
原子力安全委員会の班目委員長が、原発のストレステストについて「『1次評価』だけでは安全性を評価するには不十分だ」と発言しています。これがもし本当だとしたら、「1次評価」合格で原発を再稼働させようという政府の思惑を完全に吹き飛ばすことに。しかし、あの班目さんが根本的に心を入れ替えたならともかく、ホントにそんなことを言い出したんでしょうか?
と思って、少し調べて囁きました。
原子力安全委員会の班目春樹委員長と、原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長が、国会事故調で証言。
班目氏は、「瑕疵があった」「対策をやらなくてもいいという言い訳に時間をかけた」と、原子力安全規制体制の欠陥を認めたが、無責任というか今さらながらというか、あっけらかんとした態度に呆れてしまう。こういう無責任な人物が、日本の原子力安全規制体制のトップだったのかと思うと、本当に怒りがわく。
【放射能漏れ】2トップ、福島事故で謝罪 「言い訳に時間をかけた」「私は文系で…」:MSN産経ニュース
SPEEDI:班目氏「避難に使えぬ」…国会事故調:毎日新聞
原子力安全委の責任者が「瑕疵」を認めたのだから、現在すすめられてるストレステストについても、ちゃんとした安全規制機関を作ってから、しっかり評価してほしい。
東京電力の福島原発事故を踏まえて、原子力安全委員会が、原発事故の防災重点地域を30km圏に拡大する方向を決めたそうです。
実際、今回の事故では、20km圏内は避難、30km圏内は屋内退避になったのですから、30km圏を対象に原発事故を想定した防災計画をすすめていくことは当然でしょう。
しかし、そうなると、たとえば茨城県水戸市は東海原発から30km圏内に含まれ、県庁さえ避難しなければいけないことになります。さらに東海原発30km圏内には100万人が暮らしています。はたしてこれだけの人が無事に避難できるのか? あるいは、そんな避難計画が立てられるのか? 課題は山積です。
今朝の「東京新聞」1面トップに載っていたスクープ記事。
18年前に、原子力安全委員会のワーキンググループ(WG)が、全交流電源喪失を想定した調査・検討をおこなっていたという。報告書は、全交流電源喪失が長時間におよぶと「炉心の損傷等の重大な結果に至る可能性が生じる」と、その危険性を認めておきながら、結論としては、全電源喪失の「発生確率は小さい」と結論づけたのだ。
同紙の「解説」記事によると、このワーキンググループには、東京電力や関西電力の技術者も参加していたという。どういう経緯で、全電源喪失の危険性が棚上げされたのか、どうしてワーキンググループの報告書が公開されなかったのか、徹底した検証が必要だろう。
菅内閣が打ち出した「我が国の原子力発電所の安全性の確認について」(いわゆる「統一見解」)。政府の統一見解として閣議決定されるのかと思いきや、枝野幸男・内閣官房長官と海江田万里・経済産業大臣、細野豪志・内閣府特命担当大臣の連名。
内容は、首相官邸「東日本大震災への対応」ページから確認できる。
経済産業省の「安全宣言」で、停止中原発の再稼働をすすめようとしていた路線が、事実上、破綻したことは明らか。しかし、「統一見解」では「稼働中の発電所は現行法令下で適法に運転が行われている」、「定期検査中の発電所についても現行法令に則り安全性の確認が行われている」と述べるなど、過去の「安全神話」を引きずっている ((それでも、稼働中の原発については「適法に運転が行われている」とは述べていても、「安全性の確認が行われている」と書かれていないことが注目される。))。
一次評価と二次評価の2段階のテストについて、枝野官房長官は「一次評価は二次評価に向けた途中経過の報告ではない」(7月11日記者発表)と述べたものの、再稼働にむけて「簡易評価」を先行させたという印象は否めない。
さらに、原子力安全委員会による確認のもと、「評価項目・評価実施計画」を作成するが、評価そのものは電力会社がおこなうことになっている。東京電力は過去に何度もデータ捏造の前科をもつし、九州電力は「やらせメール」を組織的におこなう「風土」をもつ会社。こんなところが「評価」をおこなって、本当に安全審査になるのか疑問だ。
そして、それを原子力安全・保安院が確認し、原子力安全・保安院の確認作業の「妥当性」を原子力安全委員会が確認する、という。これを「ダブル・チェックがおこなわれる」と説明しているメディアもあるようだが、原子力安全委員会は、原発の安全性を直接チェックするわけではなく、原子力安全・保安院のチェックが適切におこなわれたかどうかを確認するだけ。こうしたやり方は、これまでの原発の安全審査でもやられてきたもので、それがダブルチェックになっていなかったことは、福島第1原発の事故が証明している。
そもそも、今回の事故で、政府自身、規制機関の原子力安全・保安院が、原発推進機関である経済産業省の一機構とされていること自体を問題だとして、原子力安全・保安院の分離・独立が必要だとしているが、それもまだまったくおこなわれていない。原子力安全委員会が、十分機能していないことも、誰もが強く感じているところだ。
まず、原子力安全・保安院を経済産業省、政府から独立させ、原子力安全委員会をふくめて、十分な権限とみずから検査・評価をおこないうる十分な体制を確立し、そのもとで安全点検をすすめければならない。
マスコミ各紙でも、共通して、こうした問題が指摘されている。菅政権の「混乱」を批判する声は大きいが、そもそもこれまでの「安全神話」を打破しようというのだから、さまざまな「混乱」が生じること自体は避けがたい。問題は、国民の声に押されて、原発の安全性をより厳重に再確認する方向にむかう動きと、それを曖昧にして骨抜きにしようという動きとのあいだで起きている「混乱」を、メディアはいったいどちらの側へ進めようとしているのか、ということだ。そこを、私たちもきちんと見極めていかなければならない。
社説:原発テスト―第三者の検証が要る:朝日新聞
社説:原発安全評価 2段階の意味を明確に:毎日新聞
原発統一見解 再稼働への二重基準だ:北海道新聞
原発統一見解 再稼働前提で理解得られるか:愛媛新聞
社説:原発統一見解/政府は何をやりたいのか:神戸新聞
【東日本大震災】原発統一見解 「まずは動かせ」が透ける:新潟日報
原発再稼働の統一見解 安全性確保を最優先に:中国新聞
原発政府見解 首相の説明を聞きたい:信濃毎日新聞
原発の再稼働 混乱招くあいまいな統一見解:読売新聞
この統一見解で原発は再稼働できるか:日本経済新聞
【主張】原発統一見解 国民に不便強いるだけだ:MSN産経ニュース
昨日のニュースになりますが、原子力安全委員会の班目委員長が、東京電力の福島原発事故に関連して「第2、第3の防護手段がないといけない」と述べて、「まさに人災だ」と発言したそうです。
しかし、その「第2、第3の防護手段」ができているのかどうかを審査し、点検するのが、あなたの仕事だったのでは? それをやらずに「人災」だといわれても困ります。