柏崎刈羽原発、地盤が10センチも隆起していた!!

東洋大学などのグループの調査で、柏崎刈羽原発で地盤が10センチも隆起していたことが明らかになりました。

「活褶曲」というのは、地盤が水平方向の圧力を受けて、数kmの波長でうねうねと褶曲しているもので、なおかつ過去200万年ぐらいの間に地震で動いたことがあるものをいうそうです。で、新潟中越地方は、日本でも珍しい「活褶曲」がみられる地帯で、これが2004年の中越地震で大きな被害が出る原因にもなったと言われています。

で、こちらの地図を見ると、中越地方の「活褶曲」の様子がよく分かりますが、この地図では柏崎・刈羽原発のところは空白、つまり「活褶曲」はない、ということになっています。しかし、どうやらそうではなかったということのようです。

柏崎原発の地盤10センチ隆起 活褶曲が動いた可能性(朝日新聞)

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東京電力の管理はあまりにずさん

柏崎・刈羽原発で、中越沖地震の時、核燃料プールの水が作業員にかかっていたことを東京電力が3週間たって公表。

発表が遅れたことについて、東京電力は、「ヒアリングに時間がかかった」と言っていますが、当日、管理区域退出にあたって放射能汚染の検査をしているのだから、ヒアリングが終わるまで分からなかった、などということはありうるはずがありません。それとも、退出時の検査は、あとで調査しなければならないほど、いい加減だったのでしょうか?

なんにせよ、肝心の原子炉内の安全管理が下請け、孫請けまかせという実態が問題です。

柏崎原発で作業員に放射能の水かかる、3週間たって公表(読売新聞)
原発作業員、核燃料プールの水かぶる 中越沖地震時(朝日新聞)

で実は、東京電力は、作業員のゴム長靴が行方不明になっていたことを、これまた3日に明らかにしていた。このときは、「近くに置いてあった」と説明しているが、そもそもなぜ原子炉近くにゴム長靴が置いてあったのか、非常に不可解な説明。

中越沖地震:柏崎刈羽原発1号機でゴム靴不明、炉内落下か?上中越沖地震(毎日新聞)

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原発の安全管理の自覚なし…

新潟県中越沖地震の直撃を受けた柏崎・刈羽原発で、地震直後の出火にたいし消火設備がちゃんと動かなかったり、放射能に汚染された水が漏れ出したりと事故続きの東京電力ですが、さらに、手抜かりな事態が次々と明らかになっています。

とくに本震の地震データを消してしまったというのは致命的。これまで、原発を地震が直撃したらどうなるかというのは、一種の“神学論争”でしたが、それがようやく実際のデータにもとづいて検証できる、と思った矢先に、そのデータそのものが消えてしまったのですから、東京電力にはあまりに僥倖、というべきでしょう。

地震データ消失、放射性物質まだ放出…原発ずさん対応続々(読売新聞)
放射性物質 18日まで漏れる(NHKニュース)
原因はマニュアル破りか排気筒の放射能検出(徳島新聞)
東電原発トラブル63件に 燃料プールの作業台落下(中日新聞)

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東京電力、柏崎・刈谷原発の断層を事前に知っていた?

「毎日新聞」によると、新潟県中越起き地震を起こした断層の一部を、東京電力は、柏崎・刈羽原発を建設する際の事前調査で見つけておきながら、影響を小さく見積もっていたことが明らかに。

中越沖地震:東電が活断層を過小評価? 原発建設前に発見(毎日新聞)

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柏崎・刈羽原発でトラブル続々…

読売新聞によれば、柏崎・刈羽原発では、地震の影響とみられるトラブルが次々に見つかっているようです。主排気筒でのヨウ素の検出、排気ダクトの外れ、固定ボルトの折損、低レベル放射性廃棄物を入れたドラム缶の転倒、などなど。まだ全部が調査された訳でもなく、さらに見つかる可能性もあります。

耐震設計の想定の2倍以上の揺れ、というのは、そういうことなのです。

柏崎刈羽原発、全7基でトラブル50件…地震対策見直しへ(読売新聞)

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柏崎・刈羽原発、放射能を帯びた水が漏れる…!!

柏崎・刈羽原発6号機で、放射能を含んだ水が漏れていたことが明らかに。

朝日の記事を読む限り、直接炉心を通る第1次冷却水が漏れた、ということ以外に考えられません。放射能は基準以下、微量だということで、東京電力は小さく扱おうとしていますが、第1次冷却水が漏出するというのは、放射能が外部に漏れるというだけでなく、万が一の場合には炉心が“空焚き”になる、という重大事故につながるものです。

↑朝日の記事が更新されたことにともない、削除します。

ともかく、原発の目と鼻の先でM6.8の地震が起こった訳で、何があってもおかしくありません。“もし原発の真下で地震が起こったら…”という不安が、杞憂でなくなったということを示しています。

放射能含む水漏れる、柏崎刈羽原発 中越沖地震(朝日新聞)

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柏崎・刈羽原発で設計想定を超える揺れ

中越沖地震のさい、東京電力の柏崎・刈羽原発で、耐震設計で想定したよりも大きな揺れ(加速度)が生じていました。

柏崎・刈羽原発は、もともと近くに断層があるとして、危険だと言われていました。これにたいして、東京電力は“原子炉は基礎を直接岩盤に置いているので安全だ”としていましたが、今回の地震で、あらためて断層の危険性が明らかになったといえます。

ちなみに、今回、変電所が火災を起こした柏崎・刈羽原発3号炉は、プルサーマル計画が予定されている原子炉です。原子炉を緊急停止する前に停電していたら、沸騰水型炉の最大の弱点である制御棒の抜け落ちが起きたら、と思うと不安になります。

設計想定超える地震加速度=刈羽原発1、5、6号機で?東電(時事通信)

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原発事故隠しの実態さらに明らかに

原発の事故隠しで、東京電力、北陸電力ともに日立の担当者に事故隠しを頼んでいたことが明らかに。

それも問題だけれど、もっと問題なのは、北陸電力が、制御棒3本が抜け落ちたときに、原子炉内の状態がどうなっているか日立の担当者に解析を依頼していたこと。ひょっとして、北陸電力は、そういう基本的なことも分析できないの? そんなところが原子炉の運転をしているのかと思うと、恐ろしくなります。

北陸・東電、臨界事故口止めや偽装要求(中国新聞)

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制御棒の4分の1が抜け落ちていた… 東電・福島第1原発

東京電力の福島第1原発で、1998年の定期検査中に、制御棒の約4分の1が一度に抜け落ちる事故があったことが明らかに。

この間判明した制御棒脱落事故は、全部、沸騰水型原発で起こっていますが、これには構造的な理由があるそうです。軽水炉原発には、加圧水型と沸騰水型の2タイプがありますが、加圧水型の場合、制御棒は上からつるしていて、何か事故が起こって制御棒のコントロールができなくなった場合には、自重で下に落ちる――つまり、制御棒がささった状態になるようになっています。それにたいし、沸騰水型の場合、原子炉の構造上、制御棒は下から上に差し込むかっこうにならざるをえません。そのため、何かトラブルがあると、制御棒が下に抜けてしまう危険性がある訳です。

この事故では臨界に至らなかったとはいえ、全部で137本の制御棒のうち約4分の1にあたる34本が同時に抜け落ちたというところが非常に恐ろしいですね。

制御棒一時34本抜ける 福島第一原発(朝日新聞)
原発「不適切な事例」、97件 東電含め電力7社(朝日新聞)

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東京電力・福島第1原発でも…

原子炉から制御棒が抜け落ちる事故。実は、29年前に東京電力・福島第1原発でも起きていたことが明らかに。7時間半にわたって停止できなかったということで、臨界状態が続いていたらしい。

それにしても、こんな事故を隠していれば、確かに原発は「安全」だわな。これがホントの安全「神話」。

東電・福島第1原発でも29年前に臨界事故か(読売新聞)

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問題は隠蔽の有無ではなく、原子炉の設計のようです

北陸電力・志賀原発の臨界事故に続いて、中部電力・浜岡原発3号機、東北電力・女川原発1号機でも、同じように制御棒が脱落する事故が起こっていたことが明らかになりました。

浜岡、女川では臨界事故にはならなかったため、原子力安全・保安院は「隠蔽ではない」としていますが、問題は隠蔽の有無ではなく、原子炉の設計そのものにあるようです。同型の原子炉は全国で31基あるそうで、緊急に調査・点検が必要ではないでしょうか。

浜岡・女川でも制御棒脱落 沸騰水型、臨界には至らず(asahi.com)
事故の志賀原発、制御棒の二重安全システム機能せず(読売新聞)

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東電が原発検査で偽装

東京電力が、事故の時に炉心を冷却する非常用ポンプが故障しているのに、正常に作動するかのように偽装していたことが判明。全国では24回、199件にわたる偽装がおこなわれていました。

非常用冷却ポンプの故障をかくすなどというのは、とんでもない話。いくら「安全」だと言ってみても、こんな偽装がやられていたのでは…。

原発検査に東電が偽装工作 柏崎刈羽1号機(東京新聞)
東電の3原発、定期検査で199件のデータ改ざん(読売新聞)

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美浜原発がまた事故

昨年8月に2次系配管破断で高温蒸気が噴き出し作業員11人が死傷する事故を起こして、現在停止中の福井県の関西電力美浜原発3号機が、また事故を起こしました。

こんども配管の事故で、ごくわずかとはいえ放射能を帯びた冷却水が作業員にかかるという事態に。

関電美浜原発で冷却水漏れ・2人が微量の放射能浴びる(日経新聞)

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福島県知事が保安院の分離求める

福島県知事が、福島第1原発1号機の運転再開にあたって、中川経産相に、原子力安全・保安院の経済産業相からの分離を申し入れました。

経済産業相は、原発推進の立場。そのもとに原発安全規制機関があるというのはどう考えてもおかしい。知事の要求は、きわめて当然のものです。

保安院分離を求める(朝日新聞)

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美浜原発事故、保安院の最終報告書案の内容が明らかに

2次系配管からの熱水漏れ事故で11人の死傷者を出した関西電力美浜原発の事故について、経済産業相原子力安全・保安院の最終報告書の案の内容が明らかにされました。

「日経新聞」は、「終報告書案は『リスト漏れは本質的な問題ではなく、関電の保守管理体制、品質保証体制が機能せず、安全文化が浸透していなかったことが核心』と結論づけ、関電の企業体質を厳しく批判した」と指摘しています。

美浜原発事故、保守体制機能せず・保安院が最終報告書案(日経新聞)

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関西電力って…美浜原発2号機でも

NHKの報道によれば、配管破損事故のあった関西電力美浜3号機の隣の美浜2号機でも、昨年9月の定期検査で配管の肉厚が安全基準を下回っていたことが分ったにもかかわらず、その後はいかんの交換もせずに運転を続けていたそうです。

これでますます、今回の事故が「たまたま検査リストから漏れいてた」ために起こったのではなく、「安全管理」をやる気のない関西電力の“体質”が引き起こした事件であったことが分ります。

配管 2号機でも基準下回る(NHKニュース)

ちなみに、このニュースはまだ新聞やインターネットでは流れてないみたいですが、NHKの特ダネなんですかねえ…。

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関西電力って…(3)

今ごろになって、こんなことを言い出してもねえ…。
しかも関西電力にしてみれば、「調査漏れを知っていて、放置していた訳ではない」と言いたいのでしょうが、調査漏れを知らなかったとすれば、今月14日から予定されていた定期検査でも破損部分の調査を予定していなかったということになり、結局、関西電力は本来調査すべき箇所をさらに放置していたということになるだけです。

いずれにしても、責任を下請けに押しつけようという態度が見苦しいばかりです。

関電、下請けからの「検査漏れ」指摘を一転否定(読売新聞)

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関西電力って……(2)

美浜原発第3号機の配管破損事故ですが、関西電力自身の管理指針に照らしても、すでに13年も前に取り替えなければならなかったのを、これまで一度も検査せず、放置していたことが明らかになりました。

「検査漏れ」ということがメディアで大きく報道されていますが、「漏れ」るもなにも、そもそも管理指針を作ってもそれにしたがって検査しないのだから、たまたま「漏れ」たというような問題ではありません。

美浜原発の破損配管、13年前に寿命切れ…関西電力(読売新聞)

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