安倍首相は参院選で改憲を争点にするというが…

安倍首相が、参院選で改憲を争点にすると言っているが、一昨年に発表された自民党の「新憲法草案」についてはすでに見直しを決めていることを見逃してはならない。争点だ、争点だと言いながら、安倍首相がどんな憲法をつくろうとしているのかはさっぱり分からない、そんな奇妙な事態が生まれつつあるのだ。

で、どういうふうに自民党案の「見直し」をすすめようとしているのかというと、一番参考になるのが、「新憲法制定委員会準備会」なるところが5月3日に発表した「新憲法大綱案」。同準備会には自民党国会議員だけでなく、民主党、国民新党の国会議員も名を連ねているが、その正体は「日本会議」国会議員懇談会。つまり、安倍首相に最も近い部分が発表した改憲案だ。

それをみると、

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安倍内閣の支持率急落

毎日新聞の世論調査によると、安倍内閣の支持率は32%で、4月の43%から11ポイントもの急落。不支持率は44%で、はっきりと不支持が支持を上回りました。記事によれば、支持率急落の理由は、自民党支持層と無党派層のなかでの支持が減ったことに。なかなか面白い動きです。

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靖国供物問題をメディアはどう論じたか

安倍首相が靖国神社の例大祭に真榊の供え物をしていた問題で、新聞の論説を眺めてみました。

北海道新聞は、「道理のない宗教的行為」だとする社説を掲載。「供え物の奉納も参拝も宗教的行為である」「もし首相が『この程度だったら中国も韓国も反発するまい』と考えているのなら、浅慮である」と批判。さらに、安倍首相が「供物をそなえたかどうかもコメントしない」としたことにたいしても、「不誠実な態度」「首相には説明責任がある」と指摘しています。

中国新聞も社説で、「サカキの鉢植えにつけられた木札には『内閣総理大臣 安倍晋三』と書かれていた。……これで私人の立場だと言えるのか」と批判しています。

毎日新聞は、「否定も肯定もしない」という安倍首相の「あいまい戦略」に中心をおいて批判的な社説を掲載した。外交上の問題とともに、政教分離原則との関係でも疑問を呈しています。社説とは別に、大きな特集記事も掲載(「靖国神社:首相の例大祭供物問題 論争再燃が必至」)していますが、ここでも「あいまい路線」の「是非が内外で問われる」、「『宗教的意義』が焦点」というスタンスは明確です。

朝日新聞の社説は、「靖国神社は、隣国を侵略し、植民地化した戦前の軍国主義のシンボルだ。その歴史はいまもなお神社内の戦争博物館『遊就館』で正当化されている」と指摘。外交、政教分離の問題だけでなく、靖国神社の本質論に踏み込んでいます。ただし、残念ながら“半歩踏み込んだ”という程度で終わっていますが…。

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安倍内閣支持率の動き

安倍内閣支持率の動き。3月に入って、やや持ち直しているようにみえるところもあって、これをどう見るか。

大局的には、「政党支持なし」層の増加に見られるように、模索や選択の動きが広がっているのだと思いますが、他方で、従軍慰安婦問題での強気の発言や、5月3日までに改憲手続き法案を成立させる(最近、ちょっとトーンダウンしてますが)など、いわゆる「タカ派」発言で、人気を盛り返している部分があるのも事実。

すぐには結論は出ないが、少し気になる問題ではある。

日本テレビ世論調査 安倍内閣支持率が上昇(日テレNEWS24)

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ボストングローブ紙も 安倍発言、アメリカでの反響(8)

ボストングローブ紙、3月8日付社説「謝罪できない日本」です。結論として、「安倍首相は確立された歴史の真実を認め、謝罪し、生き残っている犠牲者たちに補償すべきである。賢明なナショナリストならば、こんなふうに歴史と向き合うことが、日本の真の国益にとって最善であることを認識するだろう」と指摘しています。

The Japan that can't say sorry(The Boston Globe)

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続落する内閣支持率

共同、時事の世論調査で、安倍内閣の支持率が続落。連続する不祥事に、安倍首相が有効に対応していないという評価か。

安倍内閣支持40.7%に続落=不支持3割超、発足時のほぼ倍(時事通信)
内閣支持率45% 全国世論調査で下落続く(中日新聞)

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内閣支持率、12月も連続下落

日経新聞の世論調査で、内閣支持率が51%に低下。11月の調査からさらに8ポイントの低下。その他、各種世論調査でも連続的に支持率は下がっている。

安倍内閣、支持率51%に低下(NIKKEI NET)
安倍内閣支持率5割切る 下落止まらず(日テレNEWS24)
内閣支持率が急落、59%に ?JNN調査(TBS News-i)

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安倍内閣、支持率急低下

各種世論調査で、安倍内閣の支持率が2ケタの大幅ダウン。

復党問題で何のイニシアティブも発揮できなかったというところに、「イメージ先行」で、ろくに閣僚経験もないまま総理大臣になった安倍さんの正体がでているように思います。

内閣支持率急落47% 67%「復党」に反対 本社・FNN合同世論調査(産経新聞 12/2)
郵政造反組の復党に57%が反対・日経世論調査(NIKKEI NET 11/28)
安倍内閣:支持率14ポイントの大幅減 毎日世論調査(毎日新聞 11/27)
内閣支持率下落53%、無党派と若者離反 本社世論調査(朝日新聞 11/13)

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10年前のことも覚えてない首相

安倍首相は、「歴史認識について、政治家が語ることについては、そもそも謙虚でなければならない」と言っています。しかし、11年前、安倍首相は、「戦後50周年国会議員連盟」の事務局長代理として、次のような「歴史認識」をおおっぴらに決議していました。

「戦後50周年国会議員連盟」関係文書

●結成趣意書(1994年12月1日)

 我が国は戦後、幾多の苦難を乗り越えて今日の平和と繁栄を享受するにいたりました。これはひとえに、昭和の国難に直面し、日本の自存自衛とアジアの平和を願って尊い生命を捧(ささ)げられた200万余の戦歿者のいしずえのうえに築かれたことを忘れることは出来ません。……
 ……我々は、先の大戦や戦後50年のわが国の歩みを振り返り、公正な歴史への認識と誇りに立って内外の転機に対処し、世界におけるわが国の使命に思いを致すことは、国政に与(あず)かるものの責務と痛感します。

●運動方針(1995年4月13日)

 本連盟の結成の趣旨から謝罪、不戦の決議は容認できない。また反省の名において、一方的にわが国の責任を断定することは認められない。……
 終戦50年に当り戦後、占領政策ならびに左翼勢力によって歪(ゆが)められた自虐的な歴史認識を見直し、公正な史実に立って、自らの歴史を取り戻し、日本人の名誉と誇りを回復する契機とすることが切望される。

●声明(1995年6月8日)

 与党3党の幹事長、書記長会談において合意に達した決議案は、わが国の「侵略的行為」「植民地支配」を認め、わが国の歴史観を歪めており、われわれは決して賛成できない

ところが、6日の衆院予算委員会で、日本共産党の志位和夫委員長から、これらの文書を動かぬ証拠として突きつけられた安倍首相は、なんと、「よく覚えていない」「随分昔の議員連盟で出した文書を出されても、何とも答えようがない」としらばっくれたのです。

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安倍政権発足で世論調査、靖国参拝反対がやはり多数

安倍内閣発足をうけて、各新聞社が世論調査を実施。内閣支持率が高いのは、まあご祝儀相場。しかし、内閣支持率が高い割に、靖国参拝については参拝すべきでないという意見の方が多数を占めているのが特徴。

毎日新聞の世論調査では、在任中の靖国参拝について、「賛成」39%に対し「反対」は48%。共同通信の調査では、参拝「すべき」33%に対し「すべきではない」が51.3%と過半数を上回った。日経新聞の調査でも、賛成40%に対し反対は41%になっている。

毎日世論調査:無党派の四分の一自民へ 「安倍効果」出る(毎日新聞)
安倍内閣、支持65% 51%が「参拝自粛を」(東京新聞)

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安倍人脈をめぐる2つの記事

安倍晋三官房長官の動きについて、今日、「朝日新聞」と「毎日新聞」に内容の共通した記事が出ている。朝日の記事は、靖国問題をめぐって、こういう動きがあったと報道している。

 今年5月の大型連休すぎ。首相官邸の官房長官室にいた安倍晋三官房長官のところへブレーンの一人が現われ、一通の文書を手渡した。
 「靖国神社の遊就館の展示は問題がある。神社本体から分離すべきだ」
 文書にはそうあった。関係者によると、このころから安倍氏は遊就館について「何カ所かおかしいところがある」と漏らすようになったという。

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