米下院本会議で、従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議が可決されました。
メディアはこの問題をもっぱら日米関係への影響という視点ばかりで論じていますが、そういう論評自体が、実は、従軍慰安婦問題そのものから眼をそらすもの。問題に真正面から向き合った論評を求めたい。
慰安婦決議を初採択=日本に謝罪要求、安倍政権に打撃?米下院(時事通信)
米下院、本会議で慰安婦決議を可決(NIKKEI NET)
米下院本会議で、従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議が可決されました。
メディアはこの問題をもっぱら日米関係への影響という視点ばかりで論じていますが、そういう論評自体が、実は、従軍慰安婦問題そのものから眼をそらすもの。問題に真正面から向き合った論評を求めたい。
慰安婦決議を初採択=日本に謝罪要求、安倍政権に打撃?米下院(時事通信)
米下院、本会議で慰安婦決議を可決(NIKKEI NET)
今月、ある新聞に、改憲問題をめぐる文化人の動向にかんする評論が掲載されました。
しかし、なぜこのような評論が掲載されたのか、非常に理解に苦しむ内容でした。まあ、一新聞の一記者の書いたもので、誰も注目もしないようなものなので、それについてあれこれ論じることに社会的な意味はないようにも思うのですが、あえて苦言を呈しておきたいと思います。
アメリカの『TIME』誌のウェブに、「東京からの手紙/共産主義は日本で生き残り、うまく生きている」という記事が掲載されています。
Communism Is Alive and Well and Living in Japan(TIME)
志位委員長へのインタビューだけでなく、鈴木ミチコさんという19歳の学生党員の話や、冗談半分に「古典は読むのかい」と質問したら、党員の学生がバックパックから『資本論』を取り出したというエピソードも紹介されていて、いろいろ取材したようです。
米下院外交委員会が、従軍慰安婦問題での決議案を26日にも採択することに。
先日、ワシントン・ポスト紙に、「強制性はなかった」とする全面広告を「靖国派」の国会議員や論客たちが出しましたが、それによって――広告を出した人たちの思惑とは裏腹に――、あらためて“日本はこの問題を反省していない”と確信させたようです。
「九条の会」と「九条の会・中野」の学習会をご紹介します。
「九条の会」学習会
テーマ:安倍内閣と集団的自衛権
日時:6月9日(土) 午後1時半?4時半(開場1時)
場所:日本教育会館8階第2会議室
挨拶:三木睦子さん(九条の会呼びかけ人)
講師:渡辺 治さん(九条の会事務局、一橋大学教授)
参加費:800円
主催:九条の会事務局 03-3221-5075
「九条の会・中野」連続学習会
テーマ:「今なぜ従軍慰安婦問題か」
日時:2007年6月19日(火)午後6時?
場所:中野勤労福祉会館3階大会議室
講師:吉見義明さん
「従軍慰安婦」(岩波書店)、「毒ガス戦と日本軍」(同)などの著者
資料代:500円
「九条の会」の学習会は、改憲の中心テーマ・集団的自衛権をめぐって、政治学研究で有名な渡辺治さんが講演します。「九条の会・中野」の学習会は、安倍首相の「強制はなかった」発言で大きな批判を呼んだ従軍慰安婦問題です。講師の吉見義明さんは、この問題の第一人者。
産経新聞が、第二次世界大戦中に作成された米陸軍の資料として、従軍慰安婦の管理・運営に日本軍が関与していたことを裏づける資料を報道しています。
従軍慰安婦問題で、訪米した安倍首相がブッシュ大統領にたいして「謝罪」した報道されているが、実は、安倍首相は「謝罪」は表明しなかった。そんな仕掛けを、毎日新聞の金子秀敏・専門編集委員が紹介している。
その仕掛けはこうだ。
第2次アーミテージ報告の翻訳が、憲法改悪反対共同センターの「憲法をめぐる動き」コーナーに【翻訳資料】として紹介されています。
URLは以下のとおり。
http://www.kyodo-center.jp/ugoki/kiji/070216armitage.htm
で、あらためて読んでみて気がついたのだけれども、「アーミテージ報告」というのは、日本のために出されたものではなく、あくまでアメリカの利益をめざして、そのために日米同盟をどうしたらよいかという立場から書かれている、ということ。
たとえば、冒頭からこう書かれている。
憲法記念日を前に、地方紙が掲載した憲法問題にかんする社説をながめてみました。
北海道新聞は、「民主主義国家として再出発した戦後日本の否定」「侵略したアジア諸国への背信行為」と、安倍首相の姿勢を真正面から批判。東京新聞は、自衛隊の存在と9条とをともに認める国民世論を「優れたバランス感覚」と評していますが、それは、曖昧模糊とした「バランス」ではなく、「かつて戦場となったアジア諸国が日本を不戦国と見てくれるのも、武力行使の歯止めができるのも9条があってこそ」という前向きのもの。「9条が再び見直される時代になった」と結論づけています。神奈川新聞は、9条だけでなく、13条、19条、21条などのいわゆる市民的自由の問題、それに25条、生存権の問題でも、憲法が脅かされていることに警鐘を鳴らしています。
日本の「従軍慰安婦」制度について、米議会調査局が報告書を作成。これについて、「産経新聞」と「しんぶん赤旗」とが掲載した記事は、まったく対照的です。
「産経新聞」は、「組織的強制徴用なし」というところを大きく取り上げています。しかし、これは、同紙が報道した記事を読んだかぎりでも、かなり強引な見出しとしか言いようがありません。
「組織的強制徴用なし」 慰安婦問題 米議会調査局が報告書(産経新聞)
「従軍慰安婦」での米議会報告指摘 全段階で日本軍が関与(しんぶん赤旗)
今日の「しんぶん赤旗」に、中央大学の吉見義章教授が登場されています。吉見氏の主張は非常に明快です。
吉見さんの主張で、さらに注目したのは、次の発言。
このように慰安所制度全体が軍のための性奴隷制であり、国際世論はその責任を問うているのです。だから、安倍首相のように「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行く強制性」があったか、なかったかを問題にしても、「理解」されるわけがありません。安倍首相の発言は、「官憲による暴力的な拉致以外は問題ない」といっているようなものなのです。
確かに、官憲が直接暴力的に連行したことを裏づける資料があるかどうかを争うということは、「官憲が暴力的に連行したのでなければ問題なし」と言っているに等しいというのは、本当にその通りですね。ここをはっきりつかむことが、この問題の要だと思いました。
安倍首相が、従軍慰安婦問題をめぐって、「自分の真意や発言が正しく報道されていない」とブッシュ大統領に泣きついたかっこうです。
しかし、河野談話を継承しているというなら、「従軍看護婦と記者はいたが、従軍慰安婦はいなかった」と発言した下村博文副官房長官の責任を問うべきでしょう。
久しぶりになってしまいましたが、4月1日までの各地の「九条の会」の活動を伝えるニュースを集めてみました。
文部科学省の教科書検定で、沖縄戦の集団自決について「日本軍の強制」の記述に検定意見がつき、修正が求められることに。
しかし、軍が自決を命じなかったのであれば、いったい何のために手榴弾を配ったというのでしょうか?
沖縄戦集団自決「強制」記述に修正意見 教科書検定(朝日新聞)
“集団自決に軍関与”を削除(NHKニュース)
文科省、沖縄戦通説に「待った」=教科書検定(時事通信)
米国務省が、26日、従軍慰安婦問題で日本に適切な対応を求める異例の声明を発表。
前のエントリーで紹介した国務省スポークスマンのコメントというのは、この声明を発表したときのもののようです。
「強制はなかった」発言をくり返す一方で、国会の場で「謝罪している」といった安倍首相の発言は、海外ではどんなふうにとりあげられているか、と思って、インターネットを調べてみました。