沖縄戦での集団自決にたいする日本軍の関与が削除された問題。文部科学省が訂正申請に「真摯に」対応するとしたことで落ち着くかに見られましたが、「軍による命令を示す資料は見つかっていない」という理由で教科書会社の訂正申請を認めていなかったことが明らかになりました。
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文科省 「軍の強制なし」は撤回せず
メディアによっては、軍の強制「復活容認」としているものもありますが、「集団自決は日本軍など軍・官・民が一体となった複合的な要因で起きた」「今のところ日本軍の命令を示す資料は見つかっていない」として、軍の強制によるものであることを否定する態度は変わっていません。
実際の運用において、事実上記述が復活したとしても、これでは何の解決にもなりません。
“集団自決 命令の資料ない”(NHKニュース)
検定審「軍強制」容認へ 教科書会社に指針提示(東京新聞)
「集団自決」修正/撤回否定に批判集中(沖縄タイムス)
懲りない面々…
沖縄の「集団自決」への日本軍の関与が検定で削除された問題について、日本会議国会議員懇談会が教科書修正に反対決議。
自分たちに都合のいい人間だけから聞き取りをして「軍関与がなかったことが証言で明らかになった」というのは、盗人の開き直りと同じ。記述を修正したら教科書への信頼がなくなるといっていますが、一部の偏った意見だけを取り上げて軍関与を削除するような教科書こそが信頼されないのです。
開き直り、逃げ切りはかる文科省
沖縄戦での軍による「集団自決」強制の記述を削除させた教科書検定について、渡海文科相は、検定意見の撤回拒否を明言。多少の表現修正でお茶を濁すつもりらしい。
他方で、教科書検定の「部会」議事要旨の公開について検討を開始したようだが、これはあくまで次回以降のこと。今回の検定については、撤回もしなければ公開もしない、開き直ったまま逃げ切りをはかるつもり。
検定調査審議会の実態が明らかに
「琉球新報」に、高校歴史教科書検定の「審議会」の「日本史小委員会」の委員の証言が載っています。それによれば、「小委員会」での委員による審議の場に、文部科学省の職員である教科書審査官が出席・発言しているとのことですが、それはたんに質問に答えて発言するというようなレベルでなく、実態として、委員だけによる審議はおこなわれていない、というのです。
ということは、「検定調査審議会」なるものは、独立の機関でもなんでもないということ。また、審査官が意見を言って、沖縄戦「集団自決」記述が削除されたのだから、これこそ「政治の介入」そのものだ、ということです。
検定撤回は拒絶!!
沖縄戦「集団自決」検定削除問題で、沖縄県民大会実行委員会が文部科学大臣に要請。しかし、文部科学省は、検定撤回をあくまで拒否する態度に終始。
政府・文科省が柔軟姿勢を示したということで、なにか問題が解決するみたいな報道もありますが、教科書出版社が訂正申請すれば多少の手直しは認めるというだけ。もともと誤った検定意見が問題の発端なのですから、まずそれを撤回するところから始めるべきです。
沖縄戦「集団自決」削除検定意見、修正か?!
教科書検定で、沖縄戦での「集団自決」にあたって軍の関与を削除された問題で、政府が修正の動きを探り始めたようです。
はたしてどんな修正になるか。「軍の命令はなかったが、軍の関与のもとにおこなわれた」程度でお茶を濁すつもりかも知れません。
文科省に修正検討指示 「集団自決」削除で官房長官(朝日新聞)
渡海文科相、姿勢を転換=「沖縄の気持ち受け止める」?集団自決の教科書検定問題(時事通信)
沖縄県側の意見聞き対応=教科書検定で銭谷文科次官(時事通信)
文科相、省内に対応指示 沖縄の「集団自決」検定(中日新聞)
沖縄「集団自決」検定撤回を求める県民大会 11万人が参加
今日午後3時から、沖縄戦の「集団自決」検定削除の撤回を求める県民大会が開かれ、会場となった宜野湾市・宜野湾海浜公園に11万人が集まりました。
教科書検定意見の撤回を求める人たちで沖縄県民大会の会場は埋め尽くされた=29日午後3時49分、沖縄県宜野湾市の宜野湾海浜公園で(朝日新聞)
琉球新報のPDF版速報には、いつ、どこで「集団自決」が起こり、どれだけの人が犠牲になったか、などの資料も収められていて非常に役だちます。
沖縄、11万人が訴え 教科書検定「撤回を」(朝日新聞)
検定撤回へ結集/宜野湾・宮古・八重山で県民大会(沖縄タイムス)
島の惨劇 後世に/決意胸に撤回訴え(沖縄タイムス)
悲惨な思いつなぐ/平和の火リレー(沖縄タイムス)
【速報】検定意見撤回を 県民大会で総意訴え(琉球新報)
手榴弾配り自決命令/住民が初めて証言(沖縄タイムス)
沖縄県議会、全会一致で「集団自決」意見書を決議
検定によって高校歴史教科書から沖縄戦の「集団自決」にかんする軍の関与が削除された問題で、沖縄県議会が、全会一致で検定撤回を求める意見書を採択。沖縄では、すでに41市町村のうち37市町村議会でも決議がおこなわれています。
沖縄は、もちろん自民党が与党の県。そこで全会一致で意見書が採択されたというのが重要です。
沖縄で、「集団自決」軍命令削除に抗議集会
沖縄では、誰もが知っている問題。文書が残っていないから、軍の命令はなかった、などと言っても、誰も納得しません。
「集団自決」軍命削除に抗議 3500人、撤回要求(琉球新報)
集団自決「軍関与」削除意見 修正撤回を 元学徒隊ら署名求め訴え(琉球新報)
歴史 消させない/真実 次の世代へ(沖縄タイムス)
歴史を「政治的な思惑」で論じる愚
民主党の菅直人・代表代行が、沖縄戦「集団自決」をめぐる教科書検定問題で、安倍首相に論戦をいどむ――。
というのですが、菅氏は、首相に「これは史実がどうであったかという議論」と反論され、それ以上の追及ができなかったようです。TBSから、「選挙に向けた論戦ということで相手にダメージを与えることを優先したため議論は深まらず」「非難の応酬に終わりました」とコメントされる始末。民主党の側の「実(じつ)」のなさを証明しただけです。
教科書検定 沖縄戦の集団自決は日本軍の「強制」でなかった?!
文部科学省の教科書検定で、沖縄戦の集団自決について「日本軍の強制」の記述に検定意見がつき、修正が求められることに。
しかし、軍が自決を命じなかったのであれば、いったい何のために手榴弾を配ったというのでしょうか?
沖縄戦集団自決「強制」記述に修正意見 教科書検定(朝日新聞)
“集団自決に軍関与”を削除(NHKニュース)
文科省、沖縄戦通説に「待った」=教科書検定(時事通信)