東京都教育委員会の、日の丸・君が代強制で懲戒処分を受けた都立学校の先生がたが処分取り消しを求めていた裁判で、東京高裁が、「懲戒権の乱用」として処分取り消しの判決を下しました。
通達そのものは合憲とするなど不満もありますが、処分取り消し、おめでとうございます。m(_’_)m
東京都教育委員会の、日の丸・君が代強制で懲戒処分を受けた都立学校の先生がたが処分取り消しを求めていた裁判で、東京高裁が、「懲戒権の乱用」として処分取り消しの判決を下しました。
通達そのものは合憲とするなど不満もありますが、処分取り消し、おめでとうございます。m(_’_)m
神奈川県の個人情報保護審査会が、同県教育委員会が「君が代」斉唱のさいに起立しなかった教員の名簿を作成するのは「思想信条にかんする個人情報」の収集だとして、作成中止の答申を出しました。
入学式や卒業式で、「日の丸」にむかって起立したり、「君が代」を歌わなかったとして、再雇用を取り消された裁判で、東京地裁は、原告敗訴の判決。
裁判長は、「式典で起立、斉唱することは儀礼的な行為」だから「思想・良心の自由を侵害するものではない」といっていますが、たとえば、偶像崇拝を禁止する宗教があるように、儀礼には、一人ひとりの思想・信条や良心がともなうものです。それを「儀礼的行為だから関係ない」といって片づける無神経さに唖然とします。不当判決であり、無能判決でもあります。
先日に続いて、21日の東京地裁判決にかんする地方紙の社説を眺めてみました。
神戸新聞は、東京だけが突出していることの異常さを指摘。控訴方針にも疑問を呈しています。高知新聞も、教育の現場で判決をふまえた対応を求めています。山陰中央新報の社説は、タイトルだけ見ると、教育現場への国旗・国歌持ち込みを推進するもののようにみえますが、「行政上の権力を背景に処分や強制をするのは行き過ぎ」と明確。「たとえ少数者であっても、心の自由は尊重されなければならない。それを多数者が踏みにじってきた歴史の教訓があるからこそ、憲法19条は『思想および良心の自由は、これを侵してはならない』と為政者を縛っている」とは、いまさらながら、基本中の基本です。
昨日の東京地裁判決について、地方紙の社説を眺めてみました。
東京新聞や神奈川新聞が指摘するように、国旗・国歌法が制定されたとき、政府は「強制」しないと何度も答弁しています。それを、懲戒処分までして「強制」することは許されない、というのが判決の趣旨です。
国旗国歌判決 「強制は違憲」明確に断(中国新聞)
国旗国歌判決 『押しつけ』への戒めだ(東京新聞)
国旗国歌判決 やはり「強制」はいけない(神奈川新聞)
判決後の記者会見で、ご本人が20万円の罰金は駐車違反と同じ程度、事実上の無罪だと言っていましたが、懲役8ヵ月という求刑の異常さからすれば確かにその通り。
しかし、元教師は来賓として招待されたもの。無理やり会場に押し入ったわけでもないし、式が遅れたのはたった2分。当日出席した父母からは、「みんながいろいろ雑談していた」という指摘もある程度の出来事で、そもそも起訴する必要のない事案なのです。
それにしても、もし卒業生の親や卒業生自身が声を上げたのだったら、学校はどうするつもりだったんでしょうねぇ。
東京都教育委員会が、今年の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったとして33人を処分。
被処分者のみなさんに敬意を表し、心から応援します。首相の靖国参拝は「心の問題」だとして強行される一方で、「君が代」「日の丸」にたいして1人ひとりが意志表示をする「心の自由(思想・信条の自由)」は、通達や業務命令によって処分の対象とされる――。こんな“石が流れて木の葉が沈む”状況は絶対に許されません。
都立高校への卒業式での「君が代」強制。「東京新聞」の「こちら特報部」によれば、10日にあった都立A高校では、卒業証書を授与された生徒がマイクを握って、こう言ったそうです。
「校長先生と都教委にお願いします。これ以上、先生方をいじめないでいただきたい」
これに、会場からの拍手が20秒近く鳴りやまなかったそうです。在校生に向けた言葉の中で「僕は天皇を人格者として尊敬し、君が代も歌った。だけど、この強制はおかしい」と訴えた卒業生もいたといいます。
別の都立B高校では、君が代はほとんど立って歌ったけれども、それに続く校長あいさつのときに、「起立」の号令に、2年生が、1人を除いて、全員が立たなかったそうです。「君が代」で起立しなければ先生が処分されるということを分かっての行動でしょう。
高校生ともなれば、起立するかどうかは自分で判断できます。「生徒が起立しなければ、先生を処分する」などと言ってみても、そのこと自体を「おかしい」「自分たちの意見を無視している」と思うだけです。
もはや、生徒からも拒絶されるようになった、こんなばかげたやり方は、即刻改められるべきです。
28日の園遊会で、天皇が、東京の学校現場での「君が代・日の丸」問題について、「強制になるということがないのが望ましい」と発言。
これは、棋士の米長邦雄氏が東京都の教育委員であることを十分に承知した上で、天皇が声をかけ、それにたいし米長氏が「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と答えたのにたいする発言です。
これを天皇の政治への介入ととるか、はたまた、あまりにも目に余る強行ぶりに「宸襟を悩ませておられる」と受け取るのか…。米長氏の発言をそのまま受けて「がんばってください」などと言ったら、それこそ「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事」などという“過激”発言に「お墨付き」を与えたことになりかねないので、それを避けたということだけは確実に言えるでしょう。
いずれにしても、東京都のやり方が“誰がみたって”目に余るものであることだけは、いっそう明らかになった訳です。
都教委が、学校行事で君が代斉唱のとき生徒に起立するよう指導せよとの職務命令を教員に出すようにと、校長に指示しました。
昨年以来、卒業式・入学式などの行事で、君が代斉唱のときに教員自身も日の丸に向かって起立するようにとの職務命令を出し、違反したとして243人の教職員を処分しています。そのあと、「生徒が起立しないのは教員がそそのかすからだ」と、生徒が起立しなかったら担任を処分するとの“脅し”をかけていましたが、とうとう臆面もなく職務命令を振りかざしてきました。
職務命令さえ出せば何をやってもいいというのは、まったく時代錯誤の発想です。あきれた教育者たちです。
今春の都立高校の卒業式で、「君が代」斉唱の時に親が起立したかどうかを調べて都教委に報告していた学校が約50校もあったことが明らかになりました。「業務命令」で教員に起立を強要するところから始まり、生徒の不起立まで問題にし、ついに親まで……。
都教委は「そうした報告は求めていない」と言っていますが、「問題教師」に「問題生徒」に「問題保護者」…と、いまや公権力による国民的規模での「思想調査」の様相をみせて来ました。まったく異常な事態です。
今日の毎日新聞の「東京ワイド」面によれば、「日の丸」「君が代」の指導で都教委が教職員を懲戒処分していることにたいして、都教委のOB110人が連名で処分取り消しの要請文をまとめ、代表が都教委を訪問して署名簿を提出したそうです。参加したOBの意見として、「独立した行政委員会なのに、知事の意向がストレートに反映されるようになっている」という発言もあったということで、なるほど教育行政の専門家からみても、昨今の事態がいかに異常かということを示しています。
毎日新聞によれば、公立小中高校などの卒業式や入学式で「君が代」を斉唱する際に、児童・生徒が起立しているか否かを、11府県・政令市の教育委員会が調査しているといいます。
東京都では、教職員自身が起立しなかった場合はもちろん、今春の都立高校の入学式では、起立しなかった生徒がいた場合にも、指導が不適切・不十分だったとして担任の教員67人を厳重注意処分していますが、それでも都教委は、生徒の規律状況の調査はしていないと回答。
同紙には「立たないと『危険思想の子』と言われてしまうかも」という父親の声を紹介していますが、文字どおり、公権力による「思想調査」の状況を呈しています。