16日に発表された2010年4-6月期GDP。実質成長率は年率換算で0.4%増とプラスだったものの、1-3月期の年率4.4%増から大幅にダウンして衝撃を与えている。
原因は低迷する個人消費。伸び率は0.03%で、実際には個人消費の回復はストップしている。
GDP実質0.4%成長に鈍化 4-6月年率:日本経済新聞
需要先食い、しぼむ個人消費 GDP減速、年0.4%増:朝日新聞
16日に発表された2010年4-6月期GDP。実質成長率は年率換算で0.4%増とプラスだったものの、1-3月期の年率4.4%増から大幅にダウンして衝撃を与えている。
原因は低迷する個人消費。伸び率は0.03%で、実際には個人消費の回復はストップしている。
GDP実質0.4%成長に鈍化 4-6月年率:日本経済新聞
需要先食い、しぼむ個人消費 GDP減速、年0.4%増:朝日新聞
厚生労働省の毎月勤労統計調査(毎勤統計)の2009年分が公表されました。それによれば、勤労者1人当たりの月平均現金給与総額は前年比3.9%減。3年連続のマイナスであるだけでなく、1991年以来、最大の減少率 ((毎勤統計の「平均現金給与額」は、5人以上の事業所について調べたもの。解雇されたり、企業が倒産して失業した人の失った所得は考慮されていない。したがって、失業が増えている昨今では、勤労者全体の購買力は毎勤統計の「平均現金給与額」以上に低下していると考えなければならない。))。
しかし他方で、大企業は1991年度の約100兆円から2008年度の約214兆円へと、内部留保を大幅に増やしています。まずは国民の懐を暖めないと、景気回復は望むべくもありません。
日本共産党が「景気悪化から国民生活を守る緊急経済提言」を発表。
読んでみて、なるほどと思ったのは、現在の事態について、アメリカから始まった世界的な金融危機と、そのもとで起こっている日本の景気悪化の問題とに分けてとらえていること。
法政大学の小峰隆夫氏が、NIKKEI Bizのコラムで、「賃金の上昇が今後の経済の行方を大きく左右する」「『景気上昇が続いているのに賃金が上がらない』という部分が、ワンセットとしての経済正常化にとっての『ミッシング・リンク(連鎖の輪の欠損)』となっている」と指摘されています。
小峰氏は、いわゆる官庁エコノミスト出身の方。こういう人がこういう指摘をする、のも面白いと思いました。
「日経新聞」3/26付で、富士通総研専務の根津利三郎氏が、「十分ある賃上げ余地」という論説を書かれています(「経済教室」欄)。
日米欧の賃金と生産性、ユニット・レーバー・コスト(ULC、企業が一定量のモノを作り出すのに必要な労働コスト)の動きを比較して、日本のULCは低く、「生産性上昇率に見合った2%程度の賃上げの余地は十分ある」と指摘されています。
図1 生産性、賃金、ユニット・レーバー・コスト
勤労世帯の給与は減少中。企業の77.4%も、景気拡大の「実感がない」と回答。これで、なぜ「いざなぎ超え」と言われるのか?
中小企業の方が割合が高いとはいえ、大企業でも73.2%が「実感なし」と回答。他方で、トヨタは2兆円という空前の経常収益を上げている。本当にごく一部の企業だけの「景気拡大」のようである。
景気回復、失業率0.1%低下といいつつ、なぜか勤労世帯の消費支出は減り続ける…。はたしてこれで、本当に景気回復といえるのでしょうか?