東電には原発の運転・管理の資格なし

東京電力の社員2人が250ミリシーベルトという、今回の福島原発事故で引き上げられた年間被曝線量の限度を超える放射線を被曝している可能性が高いことが明らかに。

原発事故収束のために働いているみなさんには、本当に心からの敬意を表わしたいが、東京電力は、地下に溜まった汚染水を確認せず、作業員を突っ込ませて被曝させたり、線量計なしで現場作業をさせたり、重要免震棟で働いていた女性の被曝線量が限度を超えていたことがあとで分かって慌てて退去させたり、ともかく失態続き。もはや労働者の安全管理をおこなう資格も能力もないことは明白。かりに原子力発電が必要だとしても、東京電力には、原発の運転・管理をやってほしくないし、やらせてはいけないのではなかろうか。

東電社員2人、線量限度超え被曝した可能性:読売新聞
福島第1原発:被ばく量は数百ミリシーベルトか 東電社員:毎日新聞
被ばく検査 対象の40%以下:NHKニュース
入院の必要なしと診断=内部被ばくの東電社員2人―放医研:時事通信
福島第1原発:東電社員被ばく 甘い対策に現場は悲鳴:毎日新聞

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土壌の汚染除去―東京23区の2倍以上の面積で必要

東京電力の福島原発事故で、チェルノブイリ原発事故のさいに居住禁止になった区域と同レベルの土壌汚染地域が、福島県内600平方kmにわたっていることが分かったというニュース。

東日本大震災:福島第1原発事故 土壌汚染、県内600平方キロに――NUMO研究員:毎日新聞

600平方kmというと、ほぼ東京23区に匹敵する面積。そのほかに農業禁止となった区域と同じレベルの土壌汚染地域が700平方kmあって、あわせると1300平方kmになる。

先日の講義で、不破さんは、原子力発電は、<1>原子炉の構造がそもそも不安定、<2>使用済み核燃料の後始末ができない「未完成」で危険な技術と指摘したけれども、1300平方kmもの土壌の汚染除去が必要というのは、まさに放射性廃棄物の後始末ができないという原発の根本的欠陥が大規模に現われたものではないだろうか。

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注目される「日経」の論調

「いまさら、何を言う」という感じもしなくはないが、「日本経済新聞」におもしろい記事が載っていたので、貼り付けておこう。

1つは「大機小機」(5月24日付)。「東電問題を考える視点」と題して、金融機関に東電向け債権放棄を促す発言が政府首脳からでていることに異を唱えたコラムなのだが、そのなかで、コラム子は、民間電力会社に原子力発電という「国策遂行の役割を担わせた」のだから政府が責任をとるべきだという。つまり、税金を投入して東電を救済し、金融機関が債権放棄などせずにすむようにせよ、というわけだ。なるほど、さすが財界の新聞だけのことはある。

それでも、そのなかで、こんなことを認めざるを得なくなっている。

地震・津波などの自然災害に耐える安全対策、使用済み核燃料や廃炉などの恒久的で安全な処理・処分、不可抗力の大事故が起きた際の損害賠償への備え。こうした費用を織り込めば、原発は安上がりな電源ではなく、民間企業の手に負えるものでもない。

そう、「原発は安上がり」なんていうのは、まったくのデタラメだったのだ。そんなことは、原発建設に反対する人たちは、昔から主張していた。しかし、政府と東京電力と財界が、そんな意見にお構いなしに、そのデタラメを振りまき続けてきたのだ。「日本経済新聞」自身はどうだったのか? そのことを棚に上げて、いまごろ突然、「民間電力会社に国策遂行の役割を担わせた」政府の責任を言いつのってみても、なんの説得力もないではないか。

「原発は安上がり」というのは嘘だった。「日本経済新聞」がそのことを認めたという事実は、それでも記録しておくに値するかも知れない。

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どうして東電を残さなければならないのだろうか

東京電力の救済策に関連して、枝野官房長官が銀行の債権放棄を求める発言をしたのにたいして、金融界から反発が続いている。

しかし、あれだけの事故を起こし、損害賠償だけでも莫大な金額にのぼり、さらに福島第1原発の最終的な廃炉・解体処分までさらに何十年、いったいいくら費用がかかるか分かりもしない現状を考えれば、東京電力は事業継続は事実上不可能だろう。にもかかわらず、国から資金を出させて生きながらえさせて、自分たちの融資した資金を回収しようというのは、あまりに虫が良すぎる。株にせよ社債にせよ、それは「儲け」を期待しての経済行為。自分たちの予測が外れた以上、当然、投資した金は返ってこず、損をこうむる――それが資本主義というものだ。

「東京電力はつぶせない」なんていうことはない。電力供給は、新会社をつくって、そこに現在東電がもっている発電・送電施設を全部移せばいい。現在の東京電力の発行済み株式は、約16億株、時価総額6100億円。原発周辺の住民の方々がこうむった被害を考えれば、100%減資で資本家たる株主のみなさんがその程度の負担をしても当然ではないだろうか。

オフレコ発言が示す真実:東京新聞
クローズアップ2011:東電賠償枠組み決定 不透明な「国民負担回避」:毎日新聞
東証社長「東電は政府の会社ではない」 官房長官を批判:日本経済新聞

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東京電力専門家チームが2007年に津波の影響を分析していた!!

ロイターが、福島原発事故に関連して、興味深い「特別リポート」を掲載。2007年に、東京電力の原発専門家チームが、実は、福島原発をモデルにして津波の発生と原発への影響を分析していたと指摘している。

特別リポート:地に落ちた安全神話―福島原発危機はなぜ起きたか:Reuters

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