こんなに減ってしまった世帯平均所得額

1世帯当たり平均所得金額の年次推移(厚生労働省:国民生活基礎調査)

以前に、1世帯あたりの平均所得が過去17年で最低にという記事を紹介しましたが、もう少しさかのぼって1世帯当たりの平均所得がどうなっているか調べてみました。

で、要するに、1994年(平成6年)が664.2万円で最高を記録。その後足踏みしていたのが、1997年の消費税率5%への引き上げから下がり初め、小泉内閣誕生の2001年で602.0万円。その後、「景気回復」と言われながら、平均所得額は低落を続け、とうとう、2005年には563.8万円(前年比2.9%減)になってしまった、というわけです。(世帯平均所得はオレンジ色の棒グラフ、目盛りは左軸。青色の折れ線グラフは対前年伸び率で、目盛りは右軸)

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1世帯あたりの平均所得が過去17年で最低に

厚生労働省の「国民生活基礎調査」で、2005年の1世帯あたりの年間平均所得が563万8000円で前年比2.9%減、1989年以降で最低だったことが明らかに。

平均所得、過去17年で最低 563万、過半数が生活苦(中国新聞)

↓これが厚生労働省の発表。
厚生労働省:2006年 国民生活基礎調査の概況

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東京の世帯の4分の1は年収300万円未満

東京都が5年ごとに実施する「福祉保健基礎調査」で、年収が500万円未満の世帯で過半数を超え、81年度の調査開始以来、過去最多となったことが明らかに。さらに年収300万円未満だけでも27.2%を占めています。

福祉保健基礎調査:格差都市、東京 年収500万円未満、初の過半数――昨年度(毎日新聞)

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ネットカフェ難民の実態が明らかに

青年ユニオンなどが「ネットカフェ難民」の実態調査。10都府県34店舗で、8割近くの店に「長期滞在」客がいることが明らかに。

「ネットカフェ」暮らし、地方にも“常連”拡大(読売新聞)
「ネットカフェ難民」広がる 7割の店に「長期・常連」(朝日新聞)

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「立て万国の貧困者」 AERAがワーキングプアの特集

AERA(4月2日号)が「立て万国の貧困者、ワーキングプアの大逆襲」という特集を掲載しています。

記事の中心は、「スポット(日雇い)派遣」などの実態と、青年ユニオンなど、若者の労働組合結成の動きを紹介したものですが、はじめに出てくる、人材派遣会社フルキャストの正社員君の働きぶりも、かなり悲惨。毎日、100本以上の電話をかけ、会社の3連泊、4連泊も当り前、昼も夜もコンビニ弁当で、残業代も出てない様子…。トホホの生活です。

立て万国の貧困者 ワーキングプアの大逆襲(AERA)

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非正社員の賃金、前年比マイナス

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」が発表。正社員の賃金が前年比プラス0.1%だったのにたいし、非正社員はマイナス0.2%。

とくに、非正社員、25?34歳の女性の月給が4%以上も減少しています。「朝日新聞」は、その原因を、同世代の半数近くを占める派遣の給料が下がっているからだと分析しています。

景気回復、恩恵は正社員のみ 非正社員は月給減(朝日新聞)
正社員?非正社員=12万7800円…月給格差横ばい(読売新聞)

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いまさらな調査

厚生労働省の調査で、妻が正社員である場合の方が非正社員の場合に比べ、子どもの生まれた割合が2倍だったことや男性非正社員の結婚率が正社員の4割しかないことが明らかに。

非正社員では、結婚できない、結婚しても子どもを育てられない、というのは、前から分かっていたこと。いまごろ調査結果が出ました、って言ってもねぇ…という調査ですが、それが分かった以上、政府は、安心して子どもを生み育てられる社会のためにも、非正規雇用の改善のために努力してほしいものです。

「子供あり」、妻が正社員なら非正社員の2倍・厚労省調査(NIKKEI NET)
男性非正社員、低い結婚率 正社員の4割止まり(朝日新聞)

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『週刊東洋経済』が特集「貧困の罠」

『週刊東洋経済』2007年2月24日号

『週刊東洋経済』2月24日号が、「貧困の罠」ということで、54ページの特集を組んでいます。

これまでも、貧困と格差の問題では、『週刊東洋経済』はもちろん、『週刊エコノミスト』や『週刊ダイヤモンド』でも特集が組まれてきましたが、今回の特徴は、いまの貧困は、たまたまそのとき貧乏だったということではなく、一度貧困にはまり込むと、実は、なかなかそこから抜け出せなくなるという問題を、「貧困の罠」という角度から追いかけていること。

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読んでます 『ワーキング・プア』

デイヴィッド・K・シプラー『ワーキング・プア アメリカの下層社会』(岩波書店)

岩波書店から先月邦訳が出た『ワーキング・プア』。すぐに買い込んで読んでいるのですが、ちっちゃい活字で上下2段組、しかも全体で390ページもあって、なかなか読み終わりません。(^_^;) それでも200ページを超えたから、なんとか半分は読み終わったというところです。

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一般社員の411倍

今日の「日経新聞」夕刊に載っていた話ですが、アメリカで企業トップの報酬に対する批判の目が急速に厳しくなっているそうです。

そのなかで紹介されていたのが一般社員の411倍という数字。調査コンサルタント会社、コーポレート・ライブラリーの調査で、2005年の米主要企業500社の最高経営責任者の平均報酬は1,351万ドル(16億円超)で、一般社員の平均の411倍になることが明らかに。

16億円…、いったいどうやって使うつもりだろう?

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R25、マルクスへの手紙を書く

『R25』No.130 2007年2月15日号

リクルート社の発行する無料情報誌『R25』。何気なく、今週号(No.130、2007.02.15付)を手にとって見たら、表紙に「マルクス資本論」の文字。

何?! と思ってめくってみると、「高度資本主義の現代から、『資本論』著者・マルクスへの手紙」と題して、『資本論』が取り上げられていました。曰く――

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臨時雇用者、14.8%も増加

2005年の国勢調査の労働力集計から、常雇用者は、2000年に比べ142.5万人減り、臨時雇用者は99.5万人増えたことが明らかに。臨時雇用者は5年間で14.8%も増加したことに。

格差拡大、裏付け…非正規雇用が百万人増(産経新聞)

総務省の公表資料はこちら。
2005年国勢調査 第2次基本集計結果(総務省)

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「貧困層」誕生への道

ちょいと古い話ですが、SPA! 1月2-9日合併号が「20?30代 気がつけば『貧困』のリアル」を特集。その中で、こんな表が紹介されていました(モノクロコピーをスキャンしたので、ちょっと見にくいですが)。題して「『貧困層』誕生への道」

「貧困層」誕生への道(SPA! 2007年1月2-9日合併号)

斎藤貴男氏の記事の中で紹介されたものですが、小泉改革の5年間だけでなく、さらに1990年の日米構造協議調印、1995年の政府の「規制緩和推進計画」および日経連の「新時代の日本的経営」にまでさかのぼって、今日の「格差社会」がどこから生まれてきたのかを明らかにしています。

池内了先生が産経新聞で正論を吐く!

宇宙物理の池内了先生が、今日の産経新聞「正論」欄に登場。一瞬びっくりしましたが、書かれていることは、非常にごもっとも。まさしく正論です。

史上最長の好景気が続いていると言われるのに、庶民には実感が乏しいのはなぜか。池内先生は、大企業や富裕者を優遇し、年金負担や医療費などを引き上げて低所得者に負担を押しつける政府を批判するとともに、「人間の使い捨て政策が大手を振っている」と指摘。「現在の好景気は低賃金労働を踏み台にした仇花」「長期的には国家を衰微させることにしかならない」と厳しいご意見です。

【正論】総合研究大学院大学教授・池内了 「賃金デフレ」の時代に思う(産経新聞)

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こういうまとめ方があったのね (^_^;)

野村総研が9月5日に発表した、日本の純金融資産の保有額別のマーケット規模の推計。収入だけでなく、資産の面でも、格差が拡大していることを示すうってつけの資料だとは思ったのですが、これをどう紹介したら分かりやすいのだろうか、と思っていたら、GK68さんが、「日本がもし1000人の村だったら」という形で要約しておられました。う〜む、こんな手があったんだ、お見事!

GK68’s Redpepper: 日本がもし1000人の村だったら(2005年)

野村総研の資料はこちら。↓
2005年の富裕層マーケットは81.3万世帯、167兆円 ―純金融資産の保有額別に各階層のマーケット規模を推計―

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こんどは『週刊東洋経済』がワーキングプアを特集

『週刊東洋経済』2006年9月16日号

『週刊ダイヤモンド』に続いて、東洋経済新報社の『週刊東洋経済』9月16日号が「日本版ワーキングプア 働いても貧しい人たち」の特集を組んでいます。

目次から拾ってみると

  • シャープ液晶工場 復活の象徴「亀山」の“逆説”
  • 若き「請負」労働者たちの“喪失” 正社員でも派遣でもなく…
  • 日系2世「女性ブローカー」の告白 「ブラジル人の真実」
  • 学校に行かない子どもたち 10代前半のブラジル人
  • 深夜製造の「コンビニ弁当」は誰がつくるのか?
  • 外国人研修生という名の“奴隷”
  • ワーキングプアの改正は可能だ!

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税の所得再配分機能が発揮されてません!

政府税制調査会石弘光会長が、任期終了を前に談話を発表。

今後の税制改革の方向云々の全体にかかわる話はさておき、税の再配分機能について、次のように指摘したことは、石先生にしては、珍しく、まっとうなご意見。

税制の所得及び資産の再分配機能が的確に発揮されるように検討していく必要がある

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『使い捨てられる若者たち』

スチュアート・タノック著『使い捨てられる若者たち』(岩波書店)

『ニッケル・アンド・ダイムド』に続けて、アメリカの下流労働者の実態を取り上げた本です。取り上げられているのは、米国の大都市「ボックスヒル」のスーパーマーケットとカナダの大都市「グレンウッド」のファーストフード店で働く若者たちです。

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