こんなの出てました――中公文庫『日本の歴史』別巻

中公文庫『日本の歴史』別巻<対談・総索引>(中央公論新社)

1965年から1967年にかけて刊行された中央公論版『日本の歴史』は、昨年、中公文庫の新装版で再刊されましたが、こんどその「別巻」が出版されました。中身は何かというと、最初に『日本の歴史』が刊行されたときに挟み込まれていた「付録」に掲載されていた各巻執筆者と著名人との対談集です。

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届きました。永原慶二追悼文集

永原慶二追悼文集刊行会編『永原慶二の歴史学』(吉川弘文館)

一昨年亡くなられた永原慶二先生の追悼文集が届きました。永原先生が生前に私家版としてまとめられた『永原慶二 年譜・著作目録・私の中世史研究』に、昨年ひらかれたシンポジウム「永原慶二の歴史学をどう受け継ぐか」の報告、それに各方面の追悼文をあつめて、一冊にまとめられたものです。シンポジウムの場で予約していましたが、予定どおり、届きました。

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土砂降り のち 地震

今朝は、雨の音で目が覚めてしまった。アパートの自転車置き場がすぐ裏にあるもんだから、その鉄板の屋根をたたく音がすごい。で、いったん小降りになったと思って出かけようとしたら、またど――――っと降り出す。

ということで、今日は、傘をさしてとぼとぼと駅まで歩く。

で、電車に乗ったら、珍しく目の前の席が空いた(さすがお盆だ)ので座り、久しぶりに永原慶二先生の『日本中世社会構造の研究』をどっかとひろげて読む。そうしたら、途中の駅から乗ってきたオッサンが僕の上の網棚に荷物を乗せたとたんに、ばらばらばらと、電車の中であるにもかかわらず、雨が…。

要するに、濡れた荷物の雨粒が落ちてきたわけで、ええ加減にせえよ! (`ヘ´) プンプン

みなさん、雨の日、電車に乗ったら、傘の先、濡れた鞄のゆくえには、十分気をつけましょう。
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Windowsが起動しなくなった…

日曜日の出来事。

Windows2000ではハードディスク137G以上の領域を認識しない問題で、レジストリを書き換えて認識させる作業はうまくいったのですが、そのあと、それ以前、認識していなかった領域をあわせてパーティション切り直しの作業をしていて、どこかでミスったのか、NTLDRが見つからない!とのエラーが発生…。
コンソール画面からNTLDRをコピーしてみたがダメ。いろいろ試しているうちに、事態はますます泥沼化してしまった…。
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またまた地震…

関東地方でまたまた地震発生! といっても、僕は電車の中だったので気がつきませんでした。駅を出て、駅前のスーパーで夕食の総菜を選んでいるときに、店内放送で「先ほどの地震は…」とやり出して、初めて知りました。

地震

ところで自宅のデスクトップパソコンですが、いちおう使えるようになって、あれこれソフトもインストールしたのですが、なんだかちょっとずつ変…。日本語入力中にしばしばフリーズするし、外部アプリケーションからインターネットエクスプローラが呼び出せなくなっている…。

ということで仕方なく、もう一度、ハードディスクをフォーマットするところからインストールのやり直しです。うまくいくかなぁ… (^_^;)

永原慶二『日本封建制成立過程の研究』(岩波書店、1961年)は、約8割のところまで読みすすみました。こんなに充実した内容だったとは…。大学1年生の時に読んだときはまったく分かっていませんでした。お恥ずかしいかぎりです。

【本日のBGM】Shostakovich:Symphony No.8 in C minor Op.65/WDR Sinfonieorchester, Rudolf Barshai/Recording: 1994/Philharmonie, Koeln
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ちょっと気分転換に

河島みどり『ムラヴィンスィ??と私』

ひきつづき、永原慶二先生の本を読んでいます。ようやく『日本封建制成立過程の研究』(1961年)の半分ぐらいまでさしかかりました。

で、気分転換に、河島みどり『ムラヴィンスキーと私』(草思社)を読み始めました。表紙や扉の、ムラヴィンスキーの凛々しい写真に、思わず買ってしまったものです。

ほんとにまだ読み始めたばかりなのですが、ムラヴィンスキーの父の異母妹(つまり、ムラヴィンスキーの叔母さんは、あの革命家アレクサンドラ・コロンタイだったんです! むむ、知らんかった…。

【書誌情報】著者:河島みどり/書名:ムラヴィンスキーと私/出版社:草思社/出版年:2005年5月/定価:本体2000円+税/ISBN4-7942-1398-0

永原慶二『日本封建社会論』を読了

新装版『日本封建社会論』

永原慶二先生の『日本封建社会論』(東大出版会、初版1955年、新装版2001年)を読み終えました。

前にも書いたことですが、あらためて1955年という“時代の息吹”を強く感じましたが、しかしそれは、“すでに時代はわかってしまった”という意味ではなく、研究の質と量が飛躍的に発展した今日において、研究における理論的総括の重要性を教えてくれるものという意味においてです。

本書は、第1章「序説 研究史と問題の所在」に続けて、第2章「封建制形成の前提」(おおよそ平安時代=荘園制)、第3章「農奴制=領主制の生成」(鎌倉時代)、第4章「封建国家の形成」(室町?戦国大名、織豊政権)という3章構成で、封建制を論じ、結びで「日本封建社会の構造的特質」が論じられる、という構成になっています。

その間に、第5章「補論 中世的政治形態の展開と天皇の権威」という章があります。ここでの天皇制論は、権力と権威を区別し、さらに自律的に支配を構成していた段階と、封建的支配層によって再生産されたものとしての中世天皇制とを区別する立場が明らかにされています。このあたりは、網野氏の天皇制論にたいする永原先生の批判に繋がる部分でもあり、興味深く読みました。

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ひきつづき永原先生の本を読んでいます

永原先生の『荘園』(吉川弘文館、1998年)は、土曜日のシンポジウムの帰りに読み終えました。この本は、荘園に焦点をあてて、8世紀半ばの初期荘園から16世紀末の荘園の事実上の消滅までをフォローしています。いろいろおもしろい話もたくさん登場します。たとえば、荘園を寄進するとき、普通は、在地領主が自分の得ている地代の一部を寄進先の貴族に上納すると思われていますが、そうではなくて、国衙からの公租部分を寄進していたというのは、けっこう穴かも知れません。もう少し詳しくまとめたいのですが、おいそれといかないので四苦八苦しています。

で、いまは『日本封建社会論』(東京大学出版会、新装版2001年)を読んでいます。

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永原慶二氏の歴史学をどう受け継ぐか

昨日、明治大学で開かれたシンポジウム「永原慶二氏の歴史学をどう受け継ぐか」に参加してきました。プログラムは以下の通り。司会は、池享氏。

  • 中村政則「趣旨説明」
  • 保立道久「永原慶二氏の歴史学」
  • 井原今朝男「永原慶二氏の荘園制論」
  • 池上裕子「永原慶二氏の大名領国制論」

1年前に永原先生が亡くなられてから、いろんなきっかけもあって、先生の本をいろいろ読みました。とくに、ちょうど『荘園』(1998年)を読み終えつつあったこともあって、あらためて先生の研究の視野の広さ、奥深さ、がっちりした理論的な組み立てなどを強く思っていたので、中村先生のご挨拶といい、そのあとの3人の報告といい、なるほどとと思う部分と、それから自分の気づいていなかった新しい問題を教えてもらったり、大変勉強になった研究会でした。

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歴史研究に向かう姿勢

中世史研究をふり返った『歴史評論』6月号に続いて、『歴史評論』5月号の特集「戦争認識と『21世紀歴史学』の課題」を読み始めました。

特集の目次は以下の通り。

  • 荒井信一「学徒兵の戦争体験と『近代の歪み』」
  • 岡部牧夫「15年戦争史研究の歩みと課題」
  • 大八木賢治「戦後歴史教育における戦争」
  • 滝澤民夫「歴史教育と高校生の戦争意識・戦争認識」

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日本中世史研究をふり返る

雑記@史華堂: 史学史を学ぶで、『歴史評論』6月号「特集 日本中世史研究の現代史」を知り、さっそく購入しました。特集は以下の論文。

  • 鈴木靖民、保立道久「対談 石母田正の古代・中世史論をめぐって」
  • 池 享「永原慶二 荘園制論と大名領国制論の間」
  • 伊藤喜良「非農業民と南北朝時代――網野善彦氏をめぐって」
  • 木村茂光「戸田芳実氏と在地領主制論」
  • 竹内光浩「河音能平『天神信仰論』のめざしたもの」

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永原慶二『下克上の時代』(中公版「日本の歴史」第10巻)

下克上の時代

永原慶二先生の『下克上の時代』(中公版「日本の歴史」第10巻)を久しぶりに読みました。親本は1965年刊で、僕自身は、多分(←記憶あいまい)大学に入ってすぐの頃に旧文庫版で読んだと思います。この度、新しく版を起こして、文庫で再刊されました。

その後、永原先生は、いわゆる一般向け通史としては、1975年に小学館版「日本の歴史」第14巻『戦国の動乱』を、1988年に同じく小学館の「大系 日本の歴史」第6巻『内乱と民衆の世紀』を執筆されています。前者は、その後、大幅に加筆・修正し、『戦国時代 16世紀、日本はどう変わったのか』と改題の上、2000年に小学館ライブラリーに上下2冊で収められました。後者は、90年代に「大系 日本歴史」全体が同じく小学館ライブラリーのシリーズとして再刊。どちらも現在入手可能です。

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今年をふり返る

今年の記念すべき出来事の1つは、ブログを始めたこと。去年7月にホームページを立ち上げて、もっぱら日記的なことを中心に書き進めていましたが、Movable Typeというものを知り、僕にピッタリということで、半年ほどの間に600以上のエントリーになってしまいました。

Movable Typeのカスタマイズでは、各方面にお世話になりました。
これからもよろしくお願いします。m(_’_)m

音楽関係では、

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関口裕子『日本古代家族史の研究』

こないだから、関口裕子さんの『日本古代家族史の研究』(上下、塙書房、2004年2月刊)を読んでいます。上下合わせて1000ページ超、上下各12000円の分厚い学術書です。

ようやく上巻の140ページほど読んだだけで、まだ全貌どころかその片鱗をうかがうところにさえ至っていません。戦前、戦後の家族史・共同体史(論)を研究史的に検討した序論部分なのですが、研究史批判の基礎となる実証的部分は、その後の部分に出てくるので、なかなか関口さんの積極的な論の展開がみえないままで、苦労しています。(^^;)

ところで、

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衝動買いしてしまった…

山田昌弘『希望較差社会』(筑摩書房)を買いに本屋へ立ち寄ったのですが、そのとき、ついつい買ってしまった本が…。

  • 永原慶二『苧麻・絹・木綿の社会史』(吉川弘文館)
  • 梶川伸一『幻想の革命 十月革命からネップへ』(京都大学学術出版会)

『苧麻・絹・木綿の社会史』は、今年7月に亡くなられた永原先生が、直前まで書かれていた著書です。永原先生には『新・木綿以前のこと』(中公新書、1990年、絶版)という著書がありますが、新著の前書きを読むと、木綿ばかりでなく、苧麻、絹のことをさらに深めたいと思い、昨年(2003年)正月から取り組んできたと書かれています。そして、『新・木綿以前のこと』の改訂増補した「苧麻から木綿へ」が、本書に収められています。80歳を過ぎて、なおこれだけの研究に取り組まれたことに感慨を覚えずにはいられません。あらためて、先生のご冥福を祈りたいと思います。

追悼 永原慶二先生

日本中世史の大家である永原慶二先生が、7月9日に亡くなられました。

直接ゼミナールなどで指導していただいたことはありませんが、教養の授業では『歴史学叙説』(東大出版会、1978年)のもとになった講義を1年間拝聴し、教壇に立たれたときのいかにも学者然とした様子が思い出されます。

亡くなられる直前に『永原慶二 年譜・著作目録・私の中世史研究』という冊子を私家版としてまとめられたのを、最近知り合いから見せてもらい、その中に収められている「私の中世史研究」(『歴史評論』2002年12月号?2003年2月号掲載)というインタビューを読んでいます。

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