安倍官房長官が、自民党の改憲草案の見直しを表明。まだ総裁に選ばれたわけでもないのに…。
「公約」といっても、政党が選挙で掲げる公約は、主権者である有権者に示されるもので、それにもとづく選挙は、結果は何であれ、主権者の選択だと言えますが、政党の内部選挙での「公約」は、いくら自民党の総裁が次期首相になると言っても、たんなる私的なもの。それを選挙公約と同じように扱って、憲法改悪を「公約を守る」などといって強行されたのではたまったもんではありません。
安倍官房長官が、自民党の改憲草案の見直しを表明。まだ総裁に選ばれたわけでもないのに…。
「公約」といっても、政党が選挙で掲げる公約は、主権者である有権者に示されるもので、それにもとづく選挙は、結果は何であれ、主権者の選択だと言えますが、政党の内部選挙での「公約」は、いくら自民党の総裁が次期首相になると言っても、たんなる私的なもの。それを選挙公約と同じように扱って、憲法改悪を「公約を守る」などといって強行されたのではたまったもんではありません。
東京新聞27日付が、「生活図鑑」で、「税率上がれば 負担“格差”拡大」の見出しで、消費税問題を特集。消費税の逆進性のデータや、消費税率引き上げについての日本世論調査協会の世論調査(2006年3月)の結果を紹介しています。
谷垣財務相が、財務担当大臣として、初めて消費税を目的税化すべしとの考えを表明。経済財政諮問会議でも目的税化の議論が出されています。他方で、来年の参院選にむけて、最終決定は2008年に先延ばししつつ、「社会保障のため」を口実にして増税を押しつけようという方針のようです。
しかし、前にも書いたとおり、福祉目的税化するといっても、現在の社会保障財源のうち税負担部分を全部消費税でまかなうとしたら、それだけで10%以上の増税が必要。高齢者の医療負担を増やし、年金への課税を強化し、そのうえ消費税増税…。どこが「社会保障のため」なのでしょう。
自民党の片山虎之助・参議院幹事長が、ロイターのインタビューで、消費税増税について「国民の納得を得て」と回答。しかし、その一方で、「骨太方針」に消費税増税を具体的に書き込むことについては「そんなことが書ける訳がない」と発言。
「国民の納得を得る」つもりなら、来年の参院選で消費税増税を政策に掲げるのが一番だと思うのですが、結局、すべて先送りして、とりあえずは「選挙で勝てる人を」というのが結論のようです。
来年の参院選を意識して、政府・自民党の中では、2007年度税制改革での消費税増税の見送りの方向が濃厚になる一方で、幹部はあっちこっちで「消費税は社会保障の財源にあてる目的税に」の発言を繰り返しています。
こうやって「社会保障のためなら消費税の引き上げも仕方ない」という雰囲気をつくりながら、真正面から「消費税増税をしようとしている」と言われれば「そんなことは決まってない」などと言い逃れできるようにして、そのまま参院選を乗り切ろうという魂胆。こんな姑息なやり口は許されません。
“消費税率上げ 福祉目的に”(NHKニュース)
消費税「福祉目的税化が有力」 与謝野経財相(朝日新聞)
財政再建へ 福田氏「消費税アップ必要」(北海道新聞)
政府・与党は、財政・経済一体改革会議の初会合で、消費税率引き上げ論議を事実上封印することで一致した模様。来年の参院選を前に、早くも争点隠しに走るつもり?
しかし他方で、ちらちらと「消費税率引き上げ必至」の発言もくり返し漏れだしてきます。やっぱり参院選で、きっぱりと審判を下すことが大事なようです。
財政・経済一体会議 消費税引き上げ封印 政府と与党、歳出削減では綱引き(北海道新聞)
消費増税いつ決定? 自民内、参院選控え綱引き(朝日新聞)
消費税率の段階的引き上げ、経財相が必要性に言及(読売新聞)
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日本総研の試算で、消費税を1%ひきあげた場合、GDPが0.4%減少することが明らかに。
消費税を10%引き上げた場合、年収1234万円の世帯で年収の6.2%の負担増になるのにたいし、年収347万円の世帯では10.5%の負担増に。消費税の逆進性も確かめられたことになります。
消費税10%強。強というのがどれぐらいか不明だが、自民党内部の検討では13?15%程度という数字も出ている。15%を10%強というのも相当に強引だが、名目成長率3%以上というのは、相当に現実離れした数字では? それでようやく10%強に押さえられるというのだから、現状のままなら消費税20%は必至。
財源不足は消費税で、という発想になると、結局、この範囲の議論から抜け出せなくなってしまう。
日本経団連が政党政策評価の基準となる「優先政策事項」を発表。2007年度をめどに消費税率引き上げを求める。早い話が“消費税率を上げてくれる政党には献金あげます”ということ。
日本経団連の「優先政策事項」はこれ→日本経団連:優先政策事項 (2005-11-08)
07年度に消費税上げを 経団連が政党評価基準(河北新報)
自民党財政改革研究会が、24日、中間報告を取りまとめ。消費税を社会保障目的税化するとしたうえで、社会保障全額を消費税でまかなうには消費税率10%以上への引き上げは避けられないと主張。
この程度のことは、以前から言われていたこと。それなら何故、総選挙のときに、「消費税率は10%以上にする」と公約しなかったのか? 選挙が終わったとたんに、こんなことを言い出すのは、まったくもって国民をバカにしている!
民主党の岡田代表が、年金目的の3%以外にも消費税増税の検討が必要だと発言。
もともと民主党の「財政再建プラン」によれば、第1改革期間(政権獲得から3?4年間)には年金目的に消費税3%引き上げ(これだけで7.5兆円の増税)に「控除(扶養・配偶者・配偶者特別)廃止」(これで約2兆円)、のあわせて9兆円以上の増税をやるとしています。さらに、第2改革期間には「税制の抜本的改革を行う」としており、しかもそのさい、「広く、公平に負担を求める」「経済活動・民間活動の拡大・促進に配慮する」としています。
「広く、公平に」というのは、消費税増税論がいつも持ち出す口実だし、「経済活動・民間活動」に配慮するというのは企業減税をすすめますということ。結局は、消費税を上げて、法人減税をやろうというのは、自民党も民主党も同じだということです。
もともと財界は、消費税16%に引き上げ、各種控除の廃止による課税ベースの拡大(低所得層への増税ということ)、法人税の大幅引き下げを主張(日本経団連「奥田ビジョン」)。自民党・公明党の「税制改正」方針も、民主党の「財政再建プラン」も、この財界要求にそったものであることは同じ。「郵政民営化」からすすめるか、「年金目的消費税」から入るか、増税路線への突っ込み方が違うだけではないでしょうか?
自民党の武部幹事長が、テレビ番組で、2007年度に消費税率を引き上げると明言。
これが、こんどの総選挙の争点の2つめ。民主党は、年金目的と称して消費税率3%上乗せを公約にも明記しています。自民党・小泉首相は、郵政選挙だと、演説でも郵政ばかりですが、じつは、こんどの政権公約で2007年度に消費税引き上げを含む税制改革をおこなうと公約しています。小泉首相は、「私の任期中は引き上げない」と言ってきました。確かに2007年度は小泉首相の任期後ですが、2007年度からの引き上げのためには、来年度中に法律改定が必要です。つまり、小泉首相の任期中に、消費税値上げの手続きをすすめると言うことです。
14日、民主党が「財政健全化プラン」(中間報告)を了承。発表された「プラン」を見ると――
「第1改革期間」(最初の3年間)の歳入増項目として、「控除(扶養・配偶者・配偶者特別)廃止(1.9兆円)」があげられています。これは、いま政府税調(石弘光会長)が打ち出して大問題になっている「サラリーマン増税」と基本は同じです。また、この期間に、「年金目的消費税」を創設するとしています。
社会保障費については、昨年12月に確認された「『財政健全化プラン』策定にあたっての基本方針」で、すでに「各年度の社会保障に係わる予算の伸び率は、GDPの伸び率以下に抑制する」となっています。
第2改革期間(第1改革期間終了後の5年間)には、「必要な財源を確保するため、税制の抜本的改革を行う。その際、『公平・中立・簡素』の原則をふまえつつ、広く、公平に負担を求めることとし、また経済活動・民間活動の拡大・促進に配慮する」としています。「公平・中立・簡素」とか「広く、公平に負担」というのは、政府税調や日本経団連などが、消費税増税、所得税累進制緩和(つまり金持ち減税)、課税最低限度の引き下げなどを主張するさいにもちだす口実です。
また「経済活動・民間活動」に配慮するというのが、庶民の暮らしへの配慮でないことはいうまでもありません。ここでいう民間=大企業であり、日本経団連などが要求している法人税引き下げを実現しますよ、ということを財界にむかって約束しているわけです。
財務相の諮問機関・財政制度審議会が、消費税率17〜19%引き上げ必死との試算を発表。
プライマリーバランス均衡(国債費などを除いた歳出が税収などと均衡すること)といっても、社会保障給付の伸びを抑える、という以外には歳出の見直しはやってない訳で、消費税増税にむけた“ためにする”議論であることは明白です。
14日午前、衆参両院社会保障合同会議が開かれ、各党が社会保障・年金改革問題で基本的見解を表明。自民党は、消費税引き上げを検討するよう提起。
今日の「東京新聞」に掲載されている「全国面接世論調査」。消費税引き上げ反対が72%と報じています。
世論調査は、「悪化した国の財政を再建するために、消費税率を引上げる」という意見にたいする回答。反対が72%(「どちらかといえば」を含む、以下同じ)、「賛成」27%を大きく上回っているだけでなく、その反対理由というのが、消費税増税論議の根本に突き刺さる理由になっているところが注目されます。
主な反対理由:
財政制度審議会(財務相の諮問機関)が、消費税率を引き上げた場合の試算をふくめ、6月中旬に提言をまとめることに。
「任期中は引き上げないが、議論は大いに結構」というのは、結局こういう事だったのですね。
財界首脳の年頭メッセージ。日本経団連の奥田会長は、法人課税の制度整備、所得課税のフラット化と「消費税の基幹税化」を要求。教育基本法、憲法の「改正」なども求めています。
この間の所得税や法人税の減税(所得税は最高税率70%=86年=が37%に、法人税は基本税率42%=88年=が30%に)で、いまでも消費税の税収額(約13兆円)は法人税(約12兆円)を上回っています。これを基幹税化するという主張は、所得税のいっそうの「フラット化」と重ね合わせれば、消費税の大幅引上げ以外の何ものでもありません。低所得者への所得税課税を増やし(その一端は、定率減税の廃止として着手)、他方で消費税を大幅引上げする――文字通り、庶民に「広く、厚く」負担をかける酷税路線です。