あの日経ビジネスがこんな記事を…

今日、ツイッター上でも話題になっていた『日経ビジネス』の記事。オンライン版だけの記事のようですが、非正規雇用の増大は何十年後かに必ず生活保護の増加となって跳ね返ってくる、非正規雇用の拡大で大企業の目先の業績だけ良くしておいて、ツケを将来に回すものだと、なかなか手厳しい批判。

さらには、高額所得者や資産家からもっと税金を取るべきだ、この20年優遇しすぎた、20年前の税制に戻せば税収は概算でも今の倍になる、等々。日本は法人税が高いと言われているが抜け穴が多く、実効税率は非常に低い、輸出中心の大企業は20%を切ることが多い、とも。なかなかの論戦です。

非正規雇用社員の老後は「生活保護」以下に:日経ビジネスオンライン

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生活保護は本人が望まなかったとしても、何かできなかったのか

札幌市内のマンションで、40代の姉妹が遺体で発見された。姉が病死し、知的障害のある妹が助けを呼ぶこともできず餓死同然に凍死したという。あまりに痛ましい事件。

姉は一昨年から昨年にかけて生活保護の相談に区役所を訪れていたが、生活保護を申請しなかったという。しかし、そもそも本人が3度も窓口を訪れているにもかかわらず、申請にいたらなかったとはどういうことか。持病があって働けず、さらに障害のある家族をかかえ、本来なら生活保護が認められてしかるべきと思うが、窓口で申請を思いとどまらせるような対応がなかったか、検証が求められる。

また、かりに生活保護が難しかった(とてもそうとは思えないが)としても、何か他の手立てはとれなかったのか。

マンションに女性2遺体…姉病死、障害の妹凍死:読売新聞
生活保護を相談、申請はせず…札幌2遺体:読売新聞

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群馬の老人施設 入居者の多くは墨田区の生活保護受給者

群馬県の老人施設で起きた火事。多くの犠牲が出てしまったが、この施設は老人ホームとしての届けを出していなかったようだ。しかも、群馬にありながら入居者の多くが東京都墨田区から生活保護を受けていたという。どうやら複雑な問題がありそうだ。

群馬の老人福祉施設火災 県に無届け 「劣悪な環境」情報も(MSN産経ニュース)
群馬・高齢者施設7人死亡火災 多くの入居者が東京・墨田区から生活保護受ける(FNNニュース)

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生活保護世帯が107万世帯を超え過去最多に

厚生労働省の資料で、2006年度の生活保護世帯が107万世帯を超え、過去最多になったことが明らかに。

高齢者の一人暮らしが増えていることがその理由とされていますが、要するに、年金の額が少なすぎるのです。

生活保護世帯が過去最多 1カ月平均107万5千世帯(朝日新聞)
生活保護107万世帯で過去最高に(日刊スポーツ)

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北九州市で「生活保護」辞退の男性が餓死

北九州市で、生活保護を「辞退」した男性が餓死し、死後1カ月の状態で発見されました。

男性は、肝臓の病気で働けず、昨年12月に生活保護を受給。しかし、今年4月、「そろそろ働いてはどうか」といわれ、生活保護を辞退。形の上では「辞退」になっていても、「辞退」させられたことは明らかです。

日記に「おにぎり食べたい」 生活保護「辞退」男性死亡(朝日新聞)

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生活保護は国の責任

高知市の岡崎誠也市長が、朝日新聞「私の視点」欄で、生活保護財源を国から地方に転嫁する議論にたいして、意見を述べられています。

「受給者の多くは65歳以上の高齢者と障害者、傷病者」、この三者で生活保護の約90%を占める、母子世帯も9%で、「実際に働ける『稼働世帯』は2.4%しかない」という高知市の実情を踏まえて、こう指摘されています。

 高知市の国民年金受給世帯の割合は、この5年で約26%増えたし、高齢者の単身世帯も5年前に比べると1.2倍に増えている。その結果、年金だけで何とか暮らす高齢者が病気になって医療費の自己負担などができなるケースや、夫が亡くなった後、妻が単身で生活し、やむなく生活保護を受けるといったケースが目立っている。……
 それなのに厚生労働省は福祉の分野で金科玉条のように「自立支援」を強く打ち出している。だが、高知市の実例で示した通り、働ける年齢層の生活保護受給世帯は3%にも満たない。自立支援だけでは、保護率急増に対応できない。

こういう現実を無視して、「地方の負担を増やして生活保護の受給率を引き下げようなどというのは本末転倒だ」という指摘は、まったく正論です。