どうして東電を残さなければならないのだろうか

東京電力の救済策に関連して、枝野官房長官が銀行の債権放棄を求める発言をしたのにたいして、金融界から反発が続いている。

しかし、あれだけの事故を起こし、損害賠償だけでも莫大な金額にのぼり、さらに福島第1原発の最終的な廃炉・解体処分までさらに何十年、いったいいくら費用がかかるか分かりもしない現状を考えれば、東京電力は事業継続は事実上不可能だろう。にもかかわらず、国から資金を出させて生きながらえさせて、自分たちの融資した資金を回収しようというのは、あまりに虫が良すぎる。株にせよ社債にせよ、それは「儲け」を期待しての経済行為。自分たちの予測が外れた以上、当然、投資した金は返ってこず、損をこうむる――それが資本主義というものだ。

「東京電力はつぶせない」なんていうことはない。電力供給は、新会社をつくって、そこに現在東電がもっている発電・送電施設を全部移せばいい。現在の東京電力の発行済み株式は、約16億株、時価総額6100億円。原発周辺の住民の方々がこうむった被害を考えれば、100%減資で資本家たる株主のみなさんがその程度の負担をしても当然ではないだろうか。

オフレコ発言が示す真実:東京新聞
クローズアップ2011:東電賠償枠組み決定 不透明な「国民負担回避」:毎日新聞
東証社長「東電は政府の会社ではない」 官房長官を批判:日本経済新聞

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浜岡停止は評価するが政府の対応は不十分

菅内閣の支持率と震災・福島原発事故をめぐる各社の世論調査がいっせいに発表されました。共通しているのはーー

  • 内閣支持率はわずかにあがったが、依然として低い。
  • 震災・原発事故の政府の対応は6割ぐらいが「評価しない」
  • そんななかで、浜岡原発の停止については、6〜7割が評価。
  • 他方で、浜岡以外の原発については停止を求めないとしていることについては、選択肢が基本的に二択の場合は「賛成」49%(朝日)、「停止する必要ない」54%(毎日)、「支持する」43%(ANN)など肯定派が多数を占めるが、三択になっているNHK調査では、「妥当」28%、「妥当ではない」21%にたいし「どちらともいえない」が46%で最も多い。
  • 復興財源のための増税については、「朝日」が賛成45%、反対40%、「読売」が賛成50%、反対46%、「毎日」が賛成48%、反対41%など、賛成が反対を上回っているがその差はわずか。しかも、「朝日」「毎日」では、「賛成」はともに先月からは10〜14ポイント低下している。また、増税賛成と回答したなかで、消費税増税はせいぜい半分。ということは、世論全体では、復興財源のための消費税増税に賛成する意見は25%程度しかないということ。

ところで、原発そのものの是非についてみると、「朝日」では「賛成」43%対「反対」36%と賛成がやや多いが、先月の50%から7ポイント減少している。「読売」は「増やすべき」4%しかなく、「現状維持」34%にたいして、「減らすべき」44%、「すべてなくすべき」15%をあわせると6割近くが減らすか全廃することを求めている。「毎日」の場合も、「(原発は)やむを得ない」31%にたいして、「減らすべき」47%、「全て廃止すべきだ」12%で、あわせると59%になる。ANN調査でも「増やしていく」4%、「現状維持」39%にたいし「減らしていく」52%と過半数を占めている。即時全廃は難しいと思いつつも、減らしていくべきだという世論が多数を占めていることが分かる。

NHK調査 内閣支持率28%:NHKニュース
毎日新聞世論調査:浜岡停止「評価」66% 他の原発停止「不要」54%:毎日新聞
毎日新聞世論調査:原発、揺れる民意 6割近くが「脱却志向」 性急な政策転換望まず:毎日新聞
首相の浜岡停止要請、「評価」62% 朝日新聞世論調査:朝日新聞
賠償で電気料金値上げ「納得」48% 朝日新聞世論調査:朝日新聞
世論調査―質問と回答〈5月14、15日実施〉:朝日新聞
首相の浜岡停止要請、66%評価 共同通信世論調査:共同通信
ANN世論調査:テレビ朝日
原発賠償「国負担増を」56%…読売調査:読売新聞
「内閣・政党支持と東日本大震災関連」2011年5月電話全国世論調査:読売新聞

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原子力のことが分かりやすく

舘野淳『原子力のことが分かる本』(数研出版)

舘野淳『原子力のことが分かる本』

正式なタイトルは『原子爆弾から原子力発電まで 原子力のことが分かる本』(舘野淳著、数研出版)。

子ども向けの学習書で、ほとんどすべての漢字にルビが振ってありますが、中身は大人でも十分なほど。「原子のしくみ」「原子力の歴史」「原爆の恐るべき威力」「原子力発電という技術」の4章立てで、核分裂のしくみから放射能とはなにか、原子爆弾と原子力発電の違い、原子力発電のしくみ、原子炉の種類、原子力発電所の安全対策、核燃料ができるまで、核燃料サイクル、高速増殖炉とプルサーマル、原子力発電所事故、原子炉の寿命、原子力発電の良いところ悪いところ、などなど、一つ一つ順番に分かりやすく解説しています。

福島原発事故で、初めて原子力発電って何? と思った方におすすめの一冊です。

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福島第一原発1号機はメルトダウンしていた!!

福島第一原発1号機の圧力容器の状態拡大福島第一原発1号機の圧力容器の状態(朝日新聞)

福島第一原発1号機の圧力容器の状態拡大福島第一原発1号機の圧力容器の状態(朝日新聞)

福島第一原発の1号機で、水位計を修理した結果、格納容器内の水が、正常であれば燃料棒が完全に水の外に出ているところまで下がっていたことが判明。しかし、燃料棒が完全に露出しているのであれば、もっと深刻な事態になっているはずで、したがって、燃料棒が溶け、燃料の大部分が崩れて握力容器の底に溜まっていて、その状態で水につかっていて冷却されているらしい。

僕は前々から疑問で仕方なかったのだが、つねづね「原子炉はいまこういう状態になっている」と言われるけれど、実際には、「計器の数値がこれこれになっている」というだけで、あとはそれを解釈(原子力村のみなさんお得意の「評価」)して、「こういう数値になっているということは、原子炉内がこういう状態になっているはずだ」と推定していたにすぎない。正常に稼動しているときならまだしも、現在のような異常な状況のもとでは、原子炉内で実際に何が起こっているかは、だれにも分からないし、だれも分かっていないのだと思う。「最高の技術の粋を集めて」などと言っきたが、実態はそんなものだった。原発をやめるにせよ続けるにせよ――僕は原発依存のエネルギー政策から根本的に脱却すべきだと思っているが、そうではなくてこれからも原発は必要だという立場の人であっても、今後は、われわれの管理能力はその程度のものだということをわきまえて考えていく必要があると強く思う。

核燃料の大半溶け圧力容器に穴 1号機、冷却に影響も:朝日新聞

ところで、東日本大震災の津波によって、茨城県の東海第二原発でも一時大変深刻な事態になっていて、通常であれば1日程度で完了する「冷温停止」に3日半もかかっていた。その過程を、今朝の「朝日新聞」が詳しく紹介していた。もし津波がもう少し大きくて、東海第二原発の非常用電源が全部止まっていたら、あるいは非常用炉心冷却システムが2系統とも停止していたら…。

東北電力の女川原発も、非常に大きな津波被害を受けた。もしかすると、われわれは、実は福島だけでなく、茨城でも宮城でも同時に原発事故に直面させられていたのかも知れないのだ。今回そうならなかったことを感謝するとともに、次もそう幸運にみまわれると期待するわけにはいかないことも肝に銘じておかなければならないだろう。

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これは読むべし 『日本の科学者』6月号

『日本の科学者』2011年6月号

日本科学者会議が編集・発行する『日本の科学者』6月号が届きました。

緊急特集として「東日本大震災における原子力災害」が取り上げられています。特集の論文は、次の4つ。

  • 清水修二:福島第一原発事故の影響――被災地からの現状報告
  • 深尾正之:福島第一原発で何が起こったのか?
  • 沢田昭二:放射線による内部被曝――福島原発事故に関連して
  • 生井兵治:「安全神話」に根ざす事故対応体制の決定的欠如

編集後記によれば、4月2日の編集委員会で緊急特集を企画することが決まり、原稿依頼、執筆、校閲、原稿改訂までわずか8日間でまとめられた、とのこと。しかしそこまでして特集した値打ちのある企画です。

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大震災と憲法―憲法記念日の社説を読む

ことしの憲法記念日の社説。東日本大震災と福島原発事故という未曾有の事態をうけて、震災と復興をテーマにした社説が多く見られました。

読売新聞のように「緊急事態基本法の制定へ本格的に動き出すべきだ」と主張する社説もあるが、多くの地方紙は、「憲法の理念を土台に、日本社会を再生させなければならない」(北海道新聞)、「(復興計画の)根底に据えるべきは、憲法の理念である」(神戸新聞)、「(憲法の)原理、理念に基づいた被災者、避難者の救援・救済、被災地の復旧・復興のありようがまさに今、問われている」(福島民友新聞)、「東日本大震災を受けた復旧、復興への国の取り組みが、その(憲法の理念の定着の)度合いを測る試金石となる」(河北新報)など、あらためて憲法の理念に立ち返り、生存権など憲法の理念を生かした復興をすすめよう、と共通して提起されています。

非常事態条項を盛り込もうとする動きにたいしては、北海道新聞が「非常時に名を借りて人権を制限する論議は本末転倒だ」ときっぱり批判しています。

希望への道しるべとして 憲法記念日(5月3日):北海道新聞
大震災と憲法/被災者のためにもっと生かそう:神戸新聞
震災と憲法 復興への「道しるべ」に – 社説:中国新聞
被災者と憲法  「人間復興」へ理念生かそう :京都新聞
【憲法記念日】日本再生の基本理念に:高知新聞
[憲法記念日] 大震災を乗り越える「理想の灯」に:南日本新聞
憲法記念日/「国難」へその理念を今こそ:福島民友新聞
憲法記念日 震災で問われる生存権:山陽新聞
東日本大震災 憲法記念日/理念を被災者支援のために:河北新報

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政治家がこのようなことを発言してはならない

民主党の小沢一郎・元代表が、福島原発事故について、「決死隊を送り込むことを政治決断せよ」と発言したそうだ。

しかし、たとえ国家であっても、現場で作業にとりくむ人たちに向かって「死んでもいい」と強制する権利はない。安全な場所にいる政治家が、こういうことを言い立てるなどということは絶対にあってはならないことだ。

原発は「政治決断で決死隊を」 民主・小沢氏が対応批判:東京新聞

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東電副社長が原発事故は「人災」と認める

東京電力の皷紀男副社長が、福島県飯舘村を訪問して、住民に直接謝罪。そのなかで、「個人的」と断りつつ、原発事故は「人災だ」と認めました。

東電副社長“事故は人災”:NHKニュース
【放射能漏れ】「結婚して子供産みたい」 東電の住民説明会で怒り、困窮の声:MSN産経ニュース
東電の回答に怒号 飯舘村での住民説明会:福島民報
東日本大震災:福島第1原発事故 東電副社長、飯舘で謝罪 住民怒号、長期的な補償を:毎日新聞

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内閣官房参与・小佐古氏が抗議の辞任

福島原発事故にたいおうするために内閣官房参与に任命された小佐古敏荘氏が、政府の対応は「場当たり的」として辞任。

政府の対応が実際どうなのかは、オイラに分かるわけもないが、校庭の放射線量の基準(年間20ミリシーベルト以下)については、すでに日本弁護士連合会が「見直し」を求めていた。

東日本大震災:小佐古・内閣官房参与辞任 線量基準の決定過程批判:毎日新聞
東日本大震災:小佐古・内閣官房参与の辞任表明文要旨:毎日新聞
日弁連、学校の線量見直し求める 会長「安全性に問題」:共同通信

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福島の農民ら東電本社に抗議

一昨日、マスメディアでも大きく取り上げられた、福島県の農家のみなさんによる東京電力への抗議行動。実は、農民連(農民運動全国連合会)が呼びかけたものだったんですね。

「原発を止めてほしい」「もとの土を返してほしい」――本当に心に迫る訴えです。

福島第1原発:福島の農民ら350人 東電へ抗議:毎日新聞

そして、メディアではいっさい報道されませんでしたが、農水省交渉のあと参議院議員会館で開かれた決起集会には、日本共産党の志位和夫委員長が参加して激励のあいさつをおこなっています。

原発事故―「人災」と認め、全面賠償・仮払いを 志位委員長のあいさつ:しんぶん赤旗

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やっぱり涙なしには読めません

『議会と自治体』5月号

『議会と自治体』5月号

日本共産党の発行する雑誌『議会と自治体』5月号が届きました。巻頭の特集は東日本大震災、岩手の斉藤信県議、宮城の福島かずえ仙台市議、福島の宮川えみ子県議などが被災現地の様子を報告されていますが、読みながらこみ上げてくるものが押さえ切れません。

すでに震災からは1カ月以上たっていますが、被災直後から地域を回り、住民の要求を聞いて回っている議員さんのリポートだけに、被害の実態や、避難者の置かれた状況の深刻さが非常にリアルに伝わってきます。未曾有の事態のなかで、住民の安心・安全のために駆け回る地方議員さんには、本当に頭が下がります。

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原発をめぐる世論動向

福島原発事故を受けて、原発問題にかんする世論調査。

大事なことは、あれだけの事故が起きても、「原発はただちにやめるべきだ」といういわゆる「脱原発」は、けっして世論の多数ではない、という事実をどうとらえるか、という問題。

朝日新聞では、「原子力発電を利用することに賛成ですか。反対ですか」の質問に、賛成50%、反対32%という結果が出ている。あるいは、「日本の原子力発電は、今後、どうしたらよいと思いますか」の質問に、さすがに「増やす」は5%しかないが、「減らす・やめる」が合わせて41%なのにたいして、「現状維持」が51%にのぼっている。毎日新聞の調査では、「原子力発電にたよる日本のエネルギー政策は?」の質問に、「すべて廃止」は13%しかなく、「やむを得ない」と「減らすべきだ」が40%、41%とほぼ拮抗している。読売新聞の調査でも、もっとも多いのは「現状維持」46%で、「減らす」29%、「全廃」12%しかない。

しかし、他方で、朝日世論調査でも、89%が福島第一原発の事故に「不安を感じている」と答え、88%が福島第一原発以外の原発についても「不安を感じる」と回答しており、ほぼ9割の国民が原子力発電に不安を感じているのだ。福島新聞の世論調査では、66.8%が「運転は止めない」と言いつつも「安全対策の充実」を求めている。

原発には不安を持つが、原発を減らしたり廃止したりすることは難しいのではないかと思い、当面安全対策の充実を求める――だいたい、ここらあたりに現在の世論の特徴があると言えよう。

世論調査―質問と回答〈4月16、17日実施〉:朝日新聞
東日本大震災:復興増税、賛成58%――毎日新聞世論調査:毎日新聞
時事ドットコム:仏原発支持、58%に低下=日本は39%―世論調査
函館市民 大間原発「不安」87% 本社世論調査 建設中止も49%:北海道新聞
「原発運転継続容認」7割超 敦賀市長選世論調査:福井新聞
「内閣・政党支持と東日本大震災関連」2011年4月電話全国世論調査:読売新聞

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日本の原子力行政のそもそもを問う

日本共産党の不破哲三・衆議院議員(当時)が1976年1月30日の衆議院予算委員会でおこなった質問

1976年1月30日の衆議院予算委員会議事録

不破さんが質問した1976年というのは、原子力発電の発電量は約400万kW(現在の1割以下)で、それを10年ほどで4900万kW、約12倍に拡大・増設しようという時期でした。

そういうときに、不破さんは、頭から「反原発」で反対するのではなく、もしそういうふうに大量に原発を新増設しようというのであれば、大量の温排水の影響がどうするのか、大量にうまれる放射性廃棄物(「死の灰」)をどう処理するのか(そもそも処理できるのか)、かりに放射性廃棄物が処理できたとしても、それで生まれたプルトニウムの管理ができるのか? そうした点はいったいどうなっているのかを、一つ一つただして、原子力発電を推進しようというのに、安全を確保する体制、放射性廃棄物を処理する体制がまったくできてないではないか、ということを追及しています。

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東京電力「工程表」のむなしさ

備忘録。燃料棒に溶融が起こっているであろうということは、すでに前から言われていたこと。ニュースなのは、保安院が「初めて」認めた、というところにあるだけ。いまさら、事態が悪くなったわけでもない。結局、どうしてこれまで認めてこなかったのか? それが危機管理のやり方として妥当だったのか? ということにつきる。

燃料棒の溶融、保安院が初めて認める 内閣府に報告:朝日新聞

ところで、東京電力は、どうして17日に「工程表」を発表したのだろうか。事故収束のためには冷却機能の回復は不可欠。そして、冷却機能を回復させるには原子炉建屋内の作業が不可避。だとすれば、原子炉建屋内の放射線レベルの測定なしには収束の見通しは立たないはず。それにもかかわらず、「工程表」を発表してから、ロボットを投入したのはなぜだろうか。そう考えてみれば、「6〜9カ月で収束」という「工程表」が、実際には東京電力の(そして政府の)「願望表」でしかないことが分かる。

原子炉安定に6〜9カ月 東電、原発事故収束へ工程表:中日新聞
福島原発の原子炉建屋、高い放射線量 事故収束へ課題:日本経済新聞

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不都合なことは「想定しない」 これが原発の常識?

「東京新聞」が、東京電力が2002年と04年のアクシデントマネジメント評価報告書で、水素爆発の可能性は考慮する必要がないとしていたと報道しています。

燃料棒が露出するような過酷事故が発生するような事態になったときに、「格納容器内は不活性ガスの窒素で満たされている」という前提がそのまま通用すると思っているのでしょうか? 普通に考えたら、むしろ、窒素ガスが外部に漏れた事態まで想定するものではないのか、と思います。結局、不都合なことは「想定しない」というだけのことじゃないんでしょうか。

そして、そんな評価報告書を唯々諾々と認める原子力安全・保安院、原子力安全委員会って、いったい何なんでしょうか?

水素爆発「考慮必要なし」 福島原発2報告書:東京新聞

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福島大 放射線マップを公表

福島大学の放射線計測チームが、福島県内の放射線レベルを2平方キロメートルごとに細かく観測し、マップを作成・発表しました。

東日本大震災:福島第1原発事故 福島大教員計測、放射線マップ作製:毎日新聞

福島大学が発表したマップはこちら↓から手に入れることができます。

福島県北部エリア放射線レベルマップ:福島大学放射線計測チーム

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30キロ圏外でも年間30ミリシーベルト以上 仏研究所が発表

共同通信によると、フランスの放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が、福島第1原発の事故で放出された放射性物質による1年間の推定積算被曝量を示す地図を公表したそうです。

【放射能漏れ】30キロ圏外でも30ミリシーベルト超 仏研究所、年間被ばく量推定 – MSN産経ニュース

ということで、この推定地図を探してみました。それがこれ↓。

年間推定積算被曝量(IRSN)

年間推定積算被曝量(IRSN)

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福島原発事故、レベル7に

福島原発の事故について、政府が、国際的な事故評価尺度(INES)でレベル7に該当すると発表した。

新聞などでは「チェルノブイリ級」という見出しが踊っているが、もちろん、福島原発事故の現状がチェルノブイリ原発事故と同じかそれ以上の深刻な被害を与える事態になっているという意味ではない。

福島原発事故、最悪「レベル7」 チェルノブイリ級に:朝日新聞
福島事故 最悪のレベル7:東京新聞

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元原子力安全委員長らが緊急提言

福島第1原発の現状は、なお深刻な事態が続いている。それについて、1日、日本原子力学界の元会長や原子力安全委員会の元委員長らが連名で「緊急建言」を発表した。事故直後の東京電力の情報隠しも明らかになった。

原発事故、国内の経験総動員を…専門家らが提言:読売新聞
東日本大震災:福島第1原発事故 1号機、初日夜から圧力容器内の水位低下:毎日新聞

日本学術会議も、4日付で第2次提言「福島第一原子力発電所事故後の放射線量調査の必要性について」を、5日には第3次提言「東日本大震災被災者支援・被災地域復興のために」を明らかにした。

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そもそも国が「電源喪失は考慮不要」としていた!!

福島原発事故は、地震と津波で外部電源が失われ、それによって原子炉の冷却機能が失われたことが原因だが、国の原子力安全委員会の指針で、原発の設計にあたって「長期間にわたる全電源喪失を考慮する必要はない」とされていたことが明らかになった。

安全委、「電源喪失は考慮不要」 原発対策遅れの原因か:共同通信

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