米ニューヨークタイムズ紙が、安倍首相の「私が憲法解釈を決める」発言にたいして、厳しく批判する社説を掲載している。憲法9条の条文を引きながら、「安倍首相は、他のナショナリストのように、憲法の条文によって示された平和主義を拒絶している」と指摘するなど、かなり厳しい批判だ。
War, Peace and the Law – NYTimes.com
社説は、「安倍首相は、改正手続きよりも彼自身の再解釈を通じて憲法の基本の変更に恐ろしいほど接近している」と指摘。「安倍首相は、憲法が日本領土内での守備的役割しか許していないにもかかわらず、日本軍を攻撃的に、日本の領土外で同盟国と共同作戦ができるようにする法律を通そうとしている」と述べて、安倍首相が国会で、「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と述べたことについても「これは立憲主義についての誤った見地である」、憲法改正をもくろむのは自由だが、そのプロセスが面倒で不人気だからといって「彼が法の支配を否定することには道理がない」と批判している。最後には、「もし安倍首相が彼の見解を国に押しつけ続けるなら、これまで憲法の平和条項についての態度表明を控えてきた最高裁こそが彼の解釈を拒否し、政治指導者は誰も個人的な意思で憲法を書き換えることはできないことを明確にすべきだろう」とも述べている。
欧米諸国が安倍首相に向けるまなざしは厳しい。