志位委員長 村上龍「カンブリア宮殿」に出演!!

志位委員長が「カンブリア宮殿」に出演(テレビ東京、2009年1月19日放送)

テレビ東京「カンブリア宮殿」に、日本共産党の志位和夫委員長が出演。村上龍氏、小池栄子さんと対談しました。

なるほどと思ったのは冒頭、村上龍氏が番組の意図を説明したくだり。村上氏は、「今日は僕のアイデアで、志位さんに来てもらった」と断った上で、こんなふうに問題関心がどのあたりにあるかを明らかにしました。

 昨年から続いている「派遣切り」とか「雇い止め」とかで、いま日本のなかの不公平感が社会の許容量を超えて広がりつつある。それは社会の安定にとって非常によくないと思う。そんななかで、一部の若者たちが共産党を支持したり、新しく党員になったりしている。そこで、共産党が本当に受け皿になれるのか、そのあたりを率直にうかがいたい。

続きを読む

リカードウをちゃんと理解したい!!

ふたたびリカードウの『経済学および課税の原理』を読んでいます。しかし、リカードウがどういうことを想定して、彼の理論を展開しているのか、よ?分かりまへん。(^_^;)

第1章「価値について」の第3節で、リカードウは、こんな議論を展開しています。

 諸商品の相対価値の変動は、それらの物の生産に要する労働の増減によってひき起こされるばかりではない。その相対価値は、使用される固定資本の価値が不等であるか、あるいは、その耐久力が不等である場合には、賃金の騰貴およびその結果である利潤の下落によって変動することを免れない。(岩波文庫、上、45ページ)

続きを読む

田原総一郎氏が考える、いま「資本論」が読まれる理由

もはや旧聞に属するが、田原総一郎氏が日経BPネットの連載コラムで「今、『資本論』が読まれる理由」という記事を書いておられる(2008年12月18日付)。

田原氏は、共産党の志位委員長が社会民主主義をめざすと明言したかのように書かれているが、もちろん、そのようなことはない。他にもいろいろツッコミどころはあるのだが、それはともかく、「ルールなき資本主義」に代わって「ルールある資本主義」が必要だと述べられている点、また、いまあらためて「労働とは何か」「企業とは何か」を考えるときであり、だからこそ『資本論』が読まれているのだ、という指摘はまったくそのとおりだ。

暴走した自由主義の反動? 今、「資本論」が読まれる理由 | 時評コラム | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉

続きを読む

なるほど「新種の寄生虫一族」

元ナスダック会長がファンドで4兆円を超えるねずみ講的詐欺。しかも、それに野村ホールディングスやあおぞら銀行が合わせて400億円近い投資をしていたそうです。

マルクスは、株式市場の拡大が「新たな金融貴族を、企画屋たち、創業屋たち、単なる名目だけの重役たちの姿をとった新種の寄生虫一族を再生産する」 ((『資本論』第3部第27章「資本主義的生産における信用の役割」、新日本新書第11分冊、760ページ))と指摘していますが、まさしくこれは「新種の寄生虫一族」そのものです。

金融危機の一方で大型詐欺発覚 被害額4兆円超、日本企業も損失か(MSN産経ニュース)
米巨額詐欺ファンド:野村HD、275億円投資(毎日新聞)
あおぞら銀は投資残高124億円 ナスダック元会長のファンド(NIKKEI NET)

続きを読む

最多272億円!! 1728社でサービス残業

24日発表された2007年度のサービス残業(残業代未払い残業)は、100万円以上の未払い残業代を支払った企業だけで1728社、総額は272億円で過去最悪。

サービス残業が厳しく摘発されるようになった、ということもあるかも知れませんが、これだけサービス残業が問題化しているにもかかわらず、まったく改善される気配がありません。マルクスは、「資本は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮も払わない」 ((『資本論』新日本新書、<2>、464ページ))と指摘しましたが、日本の企業・資本家はホントにそのとおりです。

サービス残業、未払い指導は最多の1728社 07年度)NIKKEI NET)
残業代不払い:07年度は272億円(毎日新聞)
金融・政策/07年度是正額 最多の272億円 サービス残業歯止めなし(FujiSankei Business i.)

厚生労働省の発表資料はこちら↓。
厚生労働省:監督指導による賃金不払残業の是正結果―2007年度は約272億円―

続きを読む

ドイツで『資本論』が売れているらしい

米紙「ワシントンポスト」に、こんな記事が出ていました。ドイツでマルクス『資本論』が売れているそうです。

Karl Marx's book sells as Germany economy sinks – The Washington Post
経済危機の中、マルクスの『資本論』が売れ行き伸ばす: AFPBB News

続きを読む

鹿が清水を慕いあえぐように…

アメリカに端を発した金融危機は、欧米で銀行間短期市場がほぼ途絶するなど、貨幣恐慌の様相を呈してきました。

ということで、あらためて貨幣恐慌について、マルクスがどんなことを言っていたか、ふり返ってみました。

続きを読む

だが、しかし、それゆえ、つまり… 『文章は接続詞で決まる』

石黒圭『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)

文章術については、これまでいろいろな本が出されていますが、ありそうでなかったのが接続詞について書かれた本。そんなポイントを突いた石黒圭『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)を読んでいます。

そもそも接続詞とは何か?

続きを読む

地震が起きたとき、工場はフル操業だった…

公開するのをすっかり忘れてました…。(^_^;)

岩手県北部地震が起きたのは、深夜0時24分。しかしそのとき、トヨタ系子会社の関東自動車工業の工場では、1,300人が仕事の真っ最中だった。

マルクスは『資本論』で、機械の導入が労働時間の制限をなくして、深夜労働、24時間連続労働をもたらすと指摘しているが、まさにそのとおりの事態だった訳である。

各企業の生産設備などにも被害、夜勤作業打ち切りも(読売新聞)

続きを読む

江波戸哲夫、マルクスを語る

日経新聞の話題ばかりで恐縮ですが、これも昨日の日経新聞夕刊にのっていたもの。

作家の江波戸哲夫氏が、「最近、日を置かずして会った複数の旧友が、揃ってマルクスの名を口にしたので、驚くとともに合点もした」と言って、マルクスと資本主義の限界?!について論じています。

続きを読む

『資本論』第1部 第25章

「近代的植民理論」と題した章。

第24章「いわゆる本源的蓄積」の最終節第7節「資本主義的蓄積の歴史的傾向」の末尾で、いわゆる“否定の否定”が述べられたところで、資本主義から「協業と、土地の共有ならびに労働そのものによって生産された生産手段の共有」を基礎とする「個人的所有」の再建が明らかにされて、資本主義から未来社会への移行が明確にされた。だから、話はここで“大団円”となるはずなのに、なぜかそのあとに第25章が…。

ということで、これまで「付け足し的」な章と思って、テキトーにしか読んでこなかったのですが、あらためてつらつら読んでみると、これが意外といろいろ大事なことが書かれていました。いや?、面目ない… (^_^;)

続きを読む

使用価値か、効用価値か(続き)

すでに書いたように、『哲学の貧困』での「使用価値」の使用例をもって、「使用価値」の初出とすることができるかどうかについては、もう少し検討が必要なようです。

以下、大月全集版『哲学の貧困』で「使用価値」となっているところを、第1章第1節の範囲で、フランス語と対照してみました(フランス語は旧メガ第6巻収録の『哲学の貧困』で確認)。

続きを読む

それは使用価値か、効用価値か?

マルクスが「使用価値」という言葉を初めて使ったのは『哲学の貧困』だと前に書きましたが、しかし、よくよく調べてみると、はたしてそれは「使用価値」といえるのか? そんな疑問がわき起こってきました。

続きを読む

マルクス『1857-58年草稿』を読む(その4)

『1857-58年草稿』で、「使用価値」はどこに登場するか。大月版『資本論草稿集』第2分冊の事項索引で調べてみた。

マルクスが『57-58年草稿』で、使用価値について詳しく論じたのは、第1分冊314?315ページ。「資本としての貨幣にかんする章」の「貨幣の資本への転化」の「2 流通から生じる交換価値は自己を流通の前提とする、また流通のなかで自己を保持するとともに、労働を介して自己を倍化させる」のなかの部分。

続きを読む

マルクス『1857-58年草稿』を読む(その3)

さて、大月版『資本論草稿集』第1分冊には、『57-58年草稿』以外に、3つの文献が収められている。

  • バスティアとケアリ
  • 序説
  • ダリモン『銀行の改革について』

経済学草稿といえる部分が始まるは、p.112から。ただし、マルクスの問題意識としては、ダリモン批判以来の「労働貨幣・時間票券」論が続いている。

続きを読む

マルクス『1857-58年草稿』を読み始めてみる

マルクスの『1857-58年草稿』を読み始めてみることにします。もちろん、以前にも読んだことはありますが、今回は少しずつでもノートをとりながら読んでゆくことにします。テキストは、大月書店の『資本論草稿集』の<1>と<2>。

まずは、目次の整理。

続きを読む