共産党・志位委員長がサンプロでマルクスを語る!!

サンデープロジェクトに出演した志位委員長(2008年5月18日)

共産党の志位和夫委員長が、今朝のサンデープロジェクトに出演。

「なぜいまマルクスか」、「資本主義は限界か?」、「日本経済の問題点」、「カール・マルクス『資本論』の精神」、「投機の問題点」、「ルールなき日本の資本主義」、「貧困・投機・環境」など、約25分間にわたって、田原総一郎氏の質問に答えました。

日本のテレビで、共産党の委員長を相手に、マルクスをここまで取り上げた番組は初めてではないでしょうか。いや?、面白かったです。田原氏も自分なりのマルクス論を展開して、投機マネーや格差の問題で、けっこう志位さんと議論が噛み合ってました。

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長島誠一『現代マルクス経済学』

長島誠一『現代マルクス経済学』(桜井書店)

書店でパラパラとめくってみたときにちょっと面白そうと思って買ってきた本。どこが面白いかというと、『資本論』にそった経済原論的な本のようでありながら、随所に、現代の日本および世界の資本主義経済、資本主義企業がどうなっているか、という具体的な問題が挟み込まれているところです。例えば、第2章「貨幣経済」で、金本位制度の停止から始めて、現在の通貨制度のもとで価値尺度機能がどうなっているかなどが論じられています。

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価値論と実際の価格競争について

商品の価値の大きさは、その商品を生産するのに必要な社会的な労働量(=労働時間)によって決まる、という話をすると、たいてい、「では、実際には値引きをしたり、安売りをしたりしていることはどう理解したらよいのか」という疑問が出される。

これについては、次のように答えること。

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追い込まれた1日

日曜日の学習会の準備で、いよいよ追い込まれる。

青年を対象にして、科学的社会主義の経済学について講義をするのだが、現実の経済問題とのつながりを念頭におきつつ基本のところをがっちり話してほしい、というのが現地の希望。与太話では、そんなことは何度も喋ってきたが、それをメインに、きっちり話せと言われると、何をどう話したらよいか、なかなかまとまらない。

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マルクスを読んで「戦略思考」を鍛えよう

『週刊エコノミスト』2008年1月1日・8日合併号(毎日新聞社)

いささか古い話になってしまいましたが、『週刊エコノミスト』新年号(1/1・8合併号)がおこなった特集「激動の2008年を生き抜くために読みたい 『戦略思考』を鍛える本」のなかで、「戦略思考的原点」の謎解きをした大著として、マルクスの『資本論』が紹介されています。

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『資本論』第3部第30章(続き)

第30章の続きです。

前にも書いた通り、まず問題の提示。それに続いて、新書823ページ2行目からのパラグラフ。ここは、言ってみれば、第29章で明らかにされた架空資本の復習の部分。たとえば「諸債務の蓄積でさえ資本の蓄積」のように見える、というのは「信用制度のなかで起こる歪曲の完成」だ(823ページ)などなど。

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『資本論』第30章を読み始めました

第30章?第32章は、前にも紹介したとおり、マルクスが「III)」として一まとめに書いた部分。したがって、エンゲルスの章節区分にこだわらず読んでゆくことが必要です。

で、第30章の冒頭、マルクスは「信用制度に関連してわれわれがいま取り組もうとする比類なく困難な問題」として、次の2つの問題をあげています(822ページ)。

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あり方いろいろ(続き) existierenをどう訳すか

牧野広義『「資本論」から哲学を学ぶ』(学習の友社)

学習の友社から、こんな本が出ました。まだ読み始めたばかりですが、『資本論』第1部にそって、マルクスが弁証法的に論を展開している部分をとりあげて、弁証法的なものの見方、考え方、あるいは論述の展開の仕方について解説をくわえられています。

ということで、いま少しずつ読み始めているところですが、それはそれとして、「おっ」と思ったのは、「まえがき」に書かれた「凡例」の部分です。

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『資本論』第10分冊を読了

時間がかかっているのは、途中、別な本を読んだりしたこともありますが、第3部第5編にはいって、マルクスの論述も込み入ってきたし、草稿からのエンゲルスの編集も輻輳して、すらすらとは行かなくなってきたため。

しかし、現代経済を考える上では、信用論が一番おもしろい部分の1つ。当時の信用制度の発達を理論的に解明し、イギリス経済の現実にせまってやろうというマルクスの意気込みみたいなものが感じられて、わくわくするところでもあります。

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ウォルフレン『日本人だけが知らないアメリカ「世界支配」の終わり』

カレル・ヴァン・ウォルフレン『日本人だけが知らないアメリカ「世界支配」の終わり』(徳間書店)

『日本/権力構造の謎』で有名になったオランダ出身のジャーナリストカレル・ヴァン・ウォルフレン氏の最新著。目次を眺めると、ホントにストレートに「アメリカの世界支配は終わった」という主張がずらりと並んでいます。

第1章 アメリカの覇権は終わった
第2章 テロリズムは脅威ではない
第3章 グローバリゼーションは崩壊した
第4章 貧困撲滅という虚構
第5章 地殻変動を起こす地球経済
第6章 新しい現実の中での欧州連合
第7章 中国は信頼できるか?
第8章 虚構にとって代わる真実

しかし一番面白いのは、そうした話の頭で、ウォルフレン氏が「再び支持され、復権しつつあるマルキシズム」を強調していることです。曰く――

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はてなの翻訳

『資本論』第3部を読んでいて、はてな?と思う翻訳を見つけました。

第2編「利潤の平均利潤への転化」第11章「生産価格にたいする労賃の一般的変動の影響」のなかの次の一節です。

 労賃の騰貴または下落が必要生活諸手段の価値変動に由来するならば、上述したことの修正が起こりうるのは、その価格変化によって可変資本を増加または減少させる諸商品が不変資本にも構成要素としてはいり込み、それゆえ単に労賃に影響をおよぼすのではないという限りでのことである。しかし、それらの商品が労賃だけに影響する限りでは、これまでの展開だけで、言うべきことはすべて尽きている。(新日本新書版第9分冊、349ページ)

一読して、意味がすぐ分かりますか?

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