局外ATMの3分の1を撤去するつもり

以前、舞鶴工業高専のATM撤去のニュースを紹介しましたが、共産党の「しんぶん赤旗」によれば、全国で郵便局以外の場所にあるATMは2564台。そのうち、738台が撤去対象となり、すでに624台が撤去されているそうです。

同時に、簡易郵便局の閉鎖も続いているということで、郵便局のネットワークの存続が問われています。

郵政民営化前にサービス切り捨て ATM738台撤去計画(しんぶん赤旗)

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郵便局のATM撤去―これが「民営化」の結末

郵政民営化によって、地方から郵便局のATMが続々と撤去されています。

郵政公社は、1年間の取り扱い件数約3万5000件を基準に、それを下回るATMの撤去をすすめていますが、利用が少ないからと地方のATMを撤去してしまえば、田舎にすむ人は、お金をおろすのに何キロも出かけないといけない、ということになります。

民営化で地方から郵貯ATM消える?(TBS News-i)

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郵政 民主党も民営化

民主党岡田代表が記者会見で、郵貯、簡保について、民主党政権ができれば「民営化なり廃止のシナリオを説明したい」と、民営化・廃止の方針を表明。

ということで、自民・民主の「2大政党」では、何の違いもないことが改めて明らかに。

郵貯・簡保 岡田氏「民営化か廃止」(東京新聞)
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郵政民営化への批判

今日の「毎日新聞」の論点「『小泉政治』どう評価」で、京都大学の佐伯啓思教授が、郵政民営化について次のように書かれています。

 たとえば、350兆円にのぼる郵貯の資金を「民」に流し、市場競争にさらせばどうなるか。政府は、これを市場に供給することでいっそう効率的な運営が可能になる、という。しかし、現状で、市場が望ましい結果をもたらすという理由はどこにもない。特に、今日のグローバル化した金融経済においては、これらの資金は海外に流出する可能性は高く、また国内においては資金の過剰供給によって金融市場の混乱は避けがたい。(「毎日新聞」2005年8月27日朝刊6面)

 小泉改革の経済的な意味は、一言でいえば、日本経済をグローバルな競争市場へと結びつけ、アメリカ型の競争市場へと変質させようというものであった。90年代の「構造改革」は、それがアメリカからの要請として始められたように、日本経済を、展望のないままに、アメリカ主導のグローバル経済へと投げこむものであった。そして、このことは、アメリカの経済的覇権主義と中国経済の台頭という現実のなかで、この両者にはさまれた日本経済を大きな混乱に陥れている。人口減少のもとで低成長経済へ移行せざるを得ない日本にとっては、アメリカとも中国とも異なった将来の社会像を描き出すことこそが緊急の課題なのであり、その意味では、小泉改革は、本来の仕事を放棄しているというほかなかろう。(同前)

佐伯啓思氏というと、どちらかというと保守的で、改革賛成のイメージだったのですが、この指摘は、さすが経済学研究者という見識あるもの。郵政民営化で350兆円のお金が湧いてでて、景気が良くなるかのような自民党政権公約のノーテンキぶりを真正面から批判しています。

小泉改革の展望のなさ、日本にいま求められている将来の社会像は何か、総選挙でぜひともじっくり考えたい論点です。

郵政民営化 民主党のホンネは

民主党は、郵政民営化について、今年4月7日に経団連本部で日本経団連と懇談したとき、「本筋は縮小・廃止」と言っていました。

五十嵐文彦ネクスト総務大臣
郵政改革の金融事業の民営化は、能力のない民間金融機関を作り、不良債権を生み出すことにつながる。本筋は縮小・廃止であり、決して民営化ではない。金融事業を縮小し、その後ナローバンクをつくるか、廃止するかは、後で選択すればよい。

日本経団連と民主党との懇談の様子は、日本経団連が公表しています。→日本経団連:民主党と政策を語る会 (2005-04-07)

ちなみにこの懇談会は、日本経団連の政策評価のために開かれているもの。日本経団連は、政策評価にもとづいて、会員企業に政党への政治献金の斡旋をおこなうことになっています。

この議事録からは、他にも、いろいろと民主党のホンネが見えてきます。

【消費税について】
民主党は、いわゆる「財政再建プラン」で、第1期(政権獲得後3ないし4年以内)に、年金目的消費税(現行5%に3%分を年金目的として上乗せする)を導入することを明らかにしています。しかし、この懇談会では、それだけでなく、その後について「年金目的以外の使途についても今後考えたい」(野田佳彦ネクスト財務大臣)と発言しています。つまり、政権獲得後3ないし4年目以降に、大幅な消費税増税もありうるというのです。

【憲法9条について】
総選挙のマニフェストでは、「憲法の空洞化」を克服し「国家権力の恣意的解釈を許さず、立憲主義を基本に据えた、より確かな憲法の姿を追求していきます」「民主党は、過去ではなく、未来に向かって創造的な議論を推し進め、日本国憲法が高く掲げる『国民主権』『基本的人権の尊重』『平和主義』の3つの基本原則をさらに深化・発展させます」としか書かれていません。
しかし、懇談会では、「専守防衛のための自衛隊を憲法上明確化し、国際協調主義により国連の枠組みの下で実力行使的行動にも関与することを書き込みたい」(仙谷政調会長)と発言。憲法9条の戦力保持の禁止を否定して自衛隊を明記するだけでなく、海外での「実力行使的行動」――早い話が戦闘行為――もできるようにするということです。
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破綻した民主党「郵政」改革案

民主党は、「郵政」について、2006年度中に郵便貯金の預入限度額を700万円に、にその後さらに500万円に引き下げ、8年以内に郵便貯金220兆円を半減させるとしています。

しかし、現在、郵貯の500万円超部分は約50兆円で、郵貯全体の4分の1ほどしかありません。つまり限度額を500万円にしたとしても、郵貯半減は不可能ということです。

郵貯は小口預金が中心。それを無理やり半減させようというのが、もともと無理なのです。

<郵便貯金>500万円超える部分の残高は50兆円毎日新聞

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郵政造反派はやっぱり自民

郵政民営化法案をめぐって、造反派vs.小泉「刺客」の「対決」が面白可笑しく報じられていますが、造反派は、自民党執行部からみても自民党であることを、武部氏自身が自ら証明。選挙のときだけ、離党していれば、当選後は復党を認めます…って、それはあまりに有権者をバカにしてませんか?

出馬前に自発的離党なら当選後に復党も、と自民幹事長(読売新聞)

しかし他方で、造反派の方も、「私は、けっして小泉内閣に反対したわけではありません」と主張。早くも、反自民・反小泉ではさらさらないと白旗を揚げた状態。党首の県知事が好きだからと言って、こんなのに投票したら、あなたの貴重な一票を自民党と小泉首相に持ってかれますよ?

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郵政民営化重視40%の正体は?

テレビ東京のニュースによれば、小泉内閣の支持率が58.9%に上昇。同時に、総選挙の投票で郵政民営化を重視するという回答が40%だったとか。しかし、「重視する」というだけでは、郵政民営化賛成なのか反対なのか不明だからなぁ…。

小泉内閣支持率58.9%(東京テレビフラッシュニュース)

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小泉お得意のフレームアップ作戦

郵政民営化法案に反対した議員に、小泉首相が対抗馬をぶつけるというので、マスメディアは大賑わいしている。

東京10区の小林興起氏には、小池百合子環境大臣。
亀井静香・元政調会長の広島6区には、かの竹中平蔵大臣(現在は参議院議員)の名前もあがった(本人は否定したが)。ほかにも、前外相の川口順子首相補佐官や中山恭子・元内閣官房参与などの立候補も取りざたされているそうで、まるっきりの“ティーチャーズ・ペット”状態。

しかしこれは、選挙を「郵政民営化に賛成か反対か」の構図にもち込もうという、小泉一流の作戦。本当の争点から国民の目をそらさせるための、一大フレームアップというべきものだ。

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郵政民営化で郵便振替の料金はどうなる?

僕は、インターネットで古本をよく買っていますが、そういうときの代金の支払いは、ほとんど郵便振替です。現在、この郵便振替は、郵便局のATMで自分で操作すれば、手数料60円です。これがもし民営化されて、銀行並みになったら、どうなるでしょう。

自分が口座を持っている銀行と、振込先の銀行が同じ銀行というのが一番安くすむケースですが、それでも、キャッシュカードを使ってATMから振り込むにせよ、インターネットバンキングで振り込むにせよ、ともかく自分で操作するのが一番安い方法ですが、それでも105円かかります。

自分が口座を持っている銀行と、振込先の銀行が違う場合は、もっと高くつきます。

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郵政解散をめぐる世論

毎日新聞が、郵政問題にかんする世論調査を発表。

郵政「民営化」法案について、否決された場合に小泉首相が「解散」することに賛成53%の一方で、今国会での成立に「こだわる必要はない」が52%という結果。両立しがたい結果のように見えるけれども、自民党議員の「造反」への支持が高くない(評価する41%、評価しない53%)ことから考えると、答えは、郵政国会のゴタゴタに嫌気がさしているところにありそうな気がします。

世論調査:郵政解散「賛成」53%、内閣支持は過去最低(毎日新聞)
毎日新聞世論調査:衆院の議席増、「民主に」35% 自民は25%――郵政解散時(毎日新聞)
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NHK世論調査

今日のNHKニュースでやっていた世論調査の結果。

画期的なのは、郵政「民営化」についての質問。「小泉総理大臣は、今の国会で郵政民営化関連法案の成立を目指す方針ですが、どう対応すべきか」という質問に、「いまの国会で成立させるべき」はたった17%。「議論を尽くすべき」56%がトップだけれども、面白いのは「郵政民営化を進める必要はない」18%で、「今国会で成立させるべき」を上回ったこと。

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郵政民営化、完全分離のねらいは

生保協会が、簡保の政府保証廃止を要求。

民間との競争条件の統一をというけれども、簡保の大部分は、庶民が老後の“頼みの綱”にと貯めたわずかな資金。それから政府保証を外すとなれば、大部分は預金に回ってしまうだけ。郵政民営化で4業種完全分離のねらいというのが、結局は、郵貯や簡保に集まった国民の「金融資産」を銀行・保険など民間に委ねようというものであることがよく分ります。

メディアは、郵政民営化を「政局」問題としてとりあつかいますが、やっぱり「なぜ郵政民営化なの?」という根本から論じてほしいです。

07年4月から簡保の新規契約の政府保証を廃止すべき=郵政民営化で生保協会(ロイター)
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