歌丸師匠、若者を「奴隷」のように働かせる社会を叱る

本日の「朝日新聞」。34面(教育欄)の「おやじのせなか」に、落語家の桂歌丸師匠が登場。女郎屋で女手一つで自分を育ててくれた祖母や、弟子入りして親代わりとなった古今亭今輔師匠の話をされていますが、最後に「自分のを棚に上げて言えば」といって、こんなことを言っておられます。

 自分を棚に上げて言えば、今の若い父親たちは、もっと子どもと接する時間を持ってほしい。それには若者を「奴隷」のように働かせる社会を変えないといけない。政治家には頑張ってもらわないと。「笑点」で攻撃されるのではなく、ほめられるような活躍をしてほしいですね。

まったくその通り。ということで、歌丸師匠に座布団10枚!!

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トヨタ、QC活動に残業代

トヨタ自動車が、QCサークルの活動に残業代を支払うことを決めました。

QC活動は、事実上、会社側が強制しているにもかかわらず、これまで「従業員の自主的な活動」として、残業代を支払ってきませんでした。しかし、昨年11月、名古屋地裁で、QC活動の時間も「業務」と認定し、元従業員が急死したのは過労死だったとする判決が下され、確定しています。

トヨタ、「カイゼン」に残業代 業務と認定、来月から(朝日新聞)
トヨタ QC活動に全額残業代(NHKニュース)

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「うつ」で会社を休む人が増加

仕事が原因で、「うつ病」などで会社を休んでいる人が増えているというニュース。

もとになった労務行政研究所の報告書を見てみると、従業員1000人以上の企業で、「うつ病」などで1ヶ月以上会社を休んでいるという社員がいる企業は93.2%で、前回調査(2005年)の78.6%から15ポイントほど増加。さらに、1社当たりの休業者の人数を見ると、1000人以上の企業では20人以上というのが22.6%を占めて、1社当たり平均人数も18.1人と、05年調査の6.0人から大幅増となっています。

「景気回復」にともなって、企業の“働かせ過ぎ”がいっそう深刻化しているということです。メンタルヘルス云々も必要かも知れないが、月100時間残業などという状態を放置していたのでは、問題は解決しません。企業は、残業しなくても仕事がすすむようきちんと人員を手当てすべきです。

企業の60% 心の病の休職者(NHKニュース)

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サービス残業190時間

民間シンクタンクの試算で、2006年の労働者1人当たりの平均サービス残業時間が190.8時間であるとの調査が出ました。ピークの2005年(204時間)からは少し減りましたが、1980年代に100時間程度だったのと比べても異常な事態であることには変わりありません。

サービス残業、190時間 06年、シンクタンクが試算(北海道新聞)

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サービス残業、長時間労働のニュース2つ

1つは、厚生労働省が11月23日に実施したサービス残業にかんする電話相談の結果発表。1380件の相談があり、そのうちサービス残業にかんする相談は1022件。残業代など一切なしというのが431件、またサービス残業が月100時間以上というのが135件もあったという驚くべき中身。一般的に指導を強化するだけでなく、個別にもきちんと改善指導してもらわなければならない。

もう1つは、首都圏と大阪圏の会社員を対象にした連合総研の調査。その結果、男性社員の28%、とくに30代の男性では3分の1が毎日12時間以上働いていることが明らかに。残業の理由は、「仕事量が多い」が49%。また、残業代が全額支払われているというのは52%しかない。残業しないと片付かないほどの仕事を押しつけながら、残業代は支払わない。まったくもって、日本企業は詐欺、泥棒です。

サービス残業、電話相談1380件に・厚労省(NIKKEI NET)
1日の半分以上仕事が28%(日刊スポーツ)

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子育て世代、20%以上が週60時間以上も働かされている

厚生労働省が「厚生労働白書」2006年版を発表。政府が子育て世代の長時間労働を問題だと認めたのは意味あること。しかし、それを生み出した企業の責任を具体的にどう問うていくつもりか? それこそが厚生労働省の責任でしょう。

少子化要因は育児世代の長時間労働…厚生労働白書:読売新聞

なお、「厚生労働白書」全体は、「地域とともに支えるこれからの社会保障」がテーマで、「持続可能な社会保障」の名のもとに現在すすめられている社会保障の切り下げを正当化するもの。より突っ込んだ検討が必要。

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若者の雇用実態

北海学園大の先生が、若者の雇用実態を調査。

男性正規雇用労働者の大半が「1週間の労働時間は50時間超」で「サービス残業があった」と回答。また、離職理由としては、過労で倒れたとか、残業の強制など、「働かされ過ぎ」が上げられた。また、職業訓練の機会を与えないまま、企業側が「即戦力」を求める傾向も、若者の就職を困難にしていることも判明したという。

より大規模な調査をおこなうとのこと。結果に期待したい。

若年者雇用:大規模実態調査へ 企業の課題も――北海学園大・川村講師/北海道(毎日新聞)
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父親が育児参加してるかどうかじゃなくて…

今朝のNHKニュースでやってた話。東京、ソウル、北京、上海、台北の5つの都市で比べると「東京の父親が一番子育てに参加していない」というのですが、よく聞いてみると、父親の帰宅時間が全然違う!

北京、上海は午後6時台(さすが社会主義国!)、台北が午後7時台、ソウルは午後8時台だというのでだいぶ遅いなぁと思っていたら、東京の場合は、なんと午後11時台が一番多くて、午後10時以降に帰宅する父親が40%を占めるというのです。

子育て世代のお父ちゃんの4割が、毎晩、午後10時以降に帰宅って、それじゃあ子育てに参加できないのは当たり前。世の社長さん、少子化対策、将来の消費者を増やすために、子育て世代のお父ちゃんは、せめて7時には家に帰してあげましょう。

東京の父親は育児負担せず(NHKニュース)

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月100時間超残業者に対し医師面接を義務づけ

「過労死自殺」の防止のため、厚労省は、月100時間を超える長時間残業をやっている労働者に医師による心身チェックを企業側に義務づける方針を決めたそうです。これは、「過労死自殺」した人の半数が月100時間以上の残業をしていたという厚労省の調査を踏まえたもの。

※月100時間超の残業というと、1日平均4時間ぐらい。つまり8時間勤務+4時間残業=12時間労働という計算になります。他方で、労調協の調査では、30代の男性サラリーマンの勤務時間は平均で11時間16分になります。平均で11時間超ということは、かなりの労働者が月100時間超の超過勤務をしている(実際に残業時間としてつけているかどうかは別にして)ということを意味します。これを実際にどう規制していくかは、日本社会の在り方の根底に関わる喫緊の重要課題だと思います。

こうしたチェックによって「鬱」が発見され、適切な対応がなされればそれにこしたことはありません。しかし問題は、月100時間超などという残業が放置されていることです。チェックするなら、そこのところをチェックし、企業に直ちに改善させるようにすべきでしょう。それを放置したままでは、ノルマに追われた労働者の方が医師に対して「大丈夫です」と答えざるをえない立場に追いこまれるだけ。結局、「医療チェックしていたが、そのときは本人も“大丈夫だ”と言っていた」などというこになって、企業側の責任を軽くすることになりかねません。まず残業時間の上限を法律で決め、「裁量労働制」など長時間残業を野放しにしかねないやり方をきちんと規制すること、そして労基署がもっと日常的に残業時間管理をチェックする体制をつくり、企業側への指導権限を持たせるようにすべきです。

医師の面接義務付けへ 過労死、自殺対策で法改正(共同通信)

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若手労働者は疲れている…

朝日新聞が労働調査協議会の調査として報道したところによると、民間企業の若手男性社員の場合、仕事がある日の生活時間は、通勤1時間34分、勤務11時間16分、睡眠6時間37分だったそうです。女性の場合も、勤務時間は10時間3分といいます。民間大企業を中心とした34歳以下の労働組合員を対象にした調査で、この結果。1日の勤務時間が10?11時間! 文字どおり『資本論』的世界が、日本ではいまだに当たり前。「1日8時間」の労働基準法の規定はどこへいってしまったのでしょう?

労働調査協議会記者発表ニュース

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