2007年秋に明らかになった防衛利権汚職事件。元「日米平和・文化交流協会」専務理事で、脱税の罪に問われた秋山直紀被告の有罪が確定しました。
もう4年も前の事件ですが、このときも事件の告発・スクープで活躍したのは日本共産党と「しんぶん赤旗」でした。
2007年秋に明らかになった防衛利権汚職事件。元「日米平和・文化交流協会」専務理事で、脱税の罪に問われた秋山直紀被告の有罪が確定しました。
もう4年も前の事件ですが、このときも事件の告発・スクープで活躍したのは日本共産党と「しんぶん赤旗」でした。
秋山直紀氏が事務局長を務める日米平和・文化交流協会や、自民、公明、民主の国防族議員でつくる安全保障議員協議会がアメリカ側と共催してきた日米安全保障戦略会議が、秋山直紀氏をふくむ防衛利権への追及によって、今年はとうとう開催されないことになりました。
日米平和・文化交流協会の秋山直紀専務理事が破産宣告を受ける。それに関連して、参考人質疑のとき「月100万円の顧問料」というのがウソだったことも明らかに。
秋山理事が破産 賠償金払えず 日米防衛のパイプ役(朝日新聞)
秋山専務理事が破産 手続き開始東京地裁決定 賠償金未払いで(東京新聞)
“防衛族協会”の秋山専務理事が破産、辞任へ(読売新聞)
で、その秋山直紀氏だが、1998年に瓦力・建設相(当時)に渡す謝礼名目で100万円を業者に要求した、と共同通信が報道。また、軍事商社・山田洋行は3年間で40万ドルの資金を提供していた、と読売新聞が報道。
謝礼名目で100万円要求 「建設相に」と秋山氏(東京新聞)
山田洋行、秋山理事側に40万ドル提供…計1億7千万円に(読売新聞)
防衛利権で必ずのように登場する秋山直紀氏が専務理事をやっている「日米平和・文化交流協会」。外務省所管の財団法人ですが、これが主催する「日米安全保障戦略協議会」では、毎回、日米軍需産業の兵器展がおこなわれています。
しかし、「平和・文化交流」を銘うった団体が兵器展というのは、誰が考えてもおかしな話!! これが「定款目的外」ということになれば、兵器展をやめるか、財団の認定取り消ししかありません。
共産党の「しんぶん赤旗」が、日米の軍需企業などが、総額3兆円といわれる在日米軍基地再編を利益獲得の「新たな分野」として狙っていることを裏付ける資料を暴露。
それは、今年5月に開催された「日米技術フォーラム」の報告書。「日米技術フォーラム」は、軍需企業や政府関係者などが毎年、アメリカで開催しているもので、額賀財務相の「宴席」問題で名前のあがっているジム・アワー元米国防総省日本部長などが主催。
額賀財務相が宴席に座っていたかどうかより、そういう宴席を含む防衛産業と防衛族とのつながりのなかで、いったい何が話され、何がおこなわれていたのかが問題。
そこを追及しないといけないのですが、民主党は、たとえば前原元代表(現・副代表)が「安全保障議員協議会」の常任理事だったり、日米平和・文化交流協会の理事だったり、要するに、久間さんや額賀さんと同じ側にいる人だったりするので、肝心のところが追及できないんですね。
核心 守屋前次官逮捕 防衛利権解明なるか 久間氏、山田洋行と親密 額賀氏、ロビイストと接点(中日新聞)
中日新聞「防衛利権 蜜月の構図」シリーズ。なかなか面白いです。
“焼け太り”豪腕転落 逮捕の守屋前防衛次官(中日新聞 11/29)
<蜜月の終焉> 「鶴の一声」ヘリ購入(中日新聞 12/05)
<蜜月の終焉>“茶番”のエンジン選定(中日新聞)
日米安全保障戦略会議などという名前だが、純然たる民間のシンポジウム。行くなら自分のカネで行くのが当然。
ところが、「日米平和・文化交流協会」への国の助成金から、額賀財務相ら防衛族国会議員の参加費用として1人100万円に近いカネが支出されていたことが明らかに。日米の軍需産業と、日米の国防議員らの集まりに、国のカネをつかって渡航するなど、もってのほか。「日米平和・文化交流協会」は、外務省所轄の公益法人になっていますが、こんな団体になんの公益性もありません。とっとと公益法人の認定を取り消し、国からの助成金の支出もやめるべきです。
「原爆投下はしょうがない」発言で辞任した久間元防衛相が、しおらしく反省のふりをしながら、その陰でこっそり新しい軍事情報提供会社を設立、月10万円で会員を募集。
しかし、月10万円も支払って提供される軍事情報って、いったい何なんでしょうか?
今日の「東京新聞」1面のトップ記事。「陸自ヘリ1機に216億円」の見出しが強烈でしたが、記事をよく読んでみると、なるほど自衛隊の装備調達ってこんな仕組みになっていたのか、と思ってしまいました。
そもそも、なぜ陸自ヘリがこんなに高くなったか? というと、当初62機調達するはずだったAH64D。アメリカの軍事戦略の変更とそれにともなうボーイング社の生産中止で、自衛隊としても13機調達したところで打ち止めになったのですが、それはともかく、それにともなって、日本でAH64Dをライセンス生産している富士重工の設備投資資金400億円が2008年度、09年度に調達される3機に上乗せされ、その結果、1機216億円にもなってしまうというのです。
設備投資分は必ず払ってもらえる――防衛産業は取りっぱぐれなし、ということです。こんなおいしい話、“市場経済”じゃ、絶対にありえません。
防衛産業と防衛族関係の政治家とを結ぶ日米平和・文化交流協会の疑惑。昨日も、共産党の大門実紀史参議院議員が追及しています。
それにしても、秋山直紀氏には、日米平和・文化交流協会から1000万円以上の給与が支払われる一方で、外務省の国際交流基金から毎年500万円の資金が提供されている。防衛利権の根は深い。
防衛族団体「会計に問題」 外務省が05年改善命令(朝日新聞)
競争入札前に詳細問答 防衛庁と秋山直紀氏の協会/大門議員追及(しんぶん赤旗)
額賀氏が積極関与を否定 日米平和・文化交流協会(東京新聞)
軍需産業の闇のブローカー秋山直紀氏が専務理事を務める「日米平和・文化交流協会」について、外務省が2005年9月にすでに「法人としての実体がない」と指摘していたことが明らかに。実体のない団体を舞台に、いったい何がおこなわれていたのでしょうか?
ところで、これも共産党の大門実紀史参議院議員の質問。がんばってますね。(大門議員の前の質問はこちら→「日米安全保障戦略会議 秋山直紀氏とは?」)
防衛関連団体、「実体なし」=2年前、外務省が改善命令?山田洋行事件・東京地検(時事通信)
日米平和・文化交流協会、2年前に「実体なし」と改善命令(読売新聞)
額賀氏が、内閣官房副長官だった2000年3月に、守屋武昌前防衛事務次官(当時は、防衛庁官房長)を通じて、発注工事の指名に関連して口利きを受けていたことが明らかに。ご本人は「日記が唯一の根拠。伝聞にもとづいたもの」など、強く否定されていますが。
軍需産業と国会議員とが密接に結びつく舞台ともなっている安全保障議員協議会。その役員名簿が明らかになった。共産党の「しんぶん赤旗」が入手した名簿を公表したのだ。
安全保障議員協議会は、守屋元防衛事務次官とも密接に結びついている秋山直紀氏が事務局長を勤める団体で、日米の軍需産業、国防族の議員たちが一堂に会する日米安全保障戦略会議の主催団体の1つ。いちおうホームページもあるのだが、「役員構成」のリンクは「工事中」となっていて、誰が役員をやっているかは部分的にしか分からなかった。
秋山直紀氏が専務理事を務める「日米平和・文化交流協会」が、山田洋行をめぐる事件で、東京地検特捜部の捜索を受けていたことが明らかに。
山田洋行関連で社団法人捜索(NHKニュース)
「防衛族」団体から資料入手 東京地検(朝日新聞)
「防衛族」団体、東京地検が捜索…宮崎容疑者も以前に理事(読売新聞)
昨日の東京新聞「こちら特報部」で、日米安全保障戦略会議や日米平和・文化交流協会の秋山直紀氏について取り上げています。秋山氏は、守屋元防衛事務次官の証人喚問でも名前が出てきた人物。日米の軍需産業と防衛族・国防族を結ぶ謎のフィクサー?
その秋山氏が唯一の専務理事を務める「日米平和・文化交流協会」の役員名簿を調べてみました。
参議院で守屋前防衛次官の証人喚問。そのなかで、山田洋行の宮崎元専務と宴席に同席した防衛庁長官経験者は久間章生、額賀福志郎の2氏であったことが明らかに。
これで久間、額賀両氏が追い込まれたことは事実だが、同時に、問題は、単に誰が宴席にいたかではなく、軍需疑惑の全貌を明らかにすること。今日の証言でも、自衛隊の制服組もゴルフを一緒にやっていたことなども明らかにされた。すでに、防衛産業に天下っている自衛隊員の数と、受注額との相関関係も明らかにされている。沖縄米軍基地のグアム移転にともなう米軍住宅などの建築コストがべらぼうに高いことも指摘された。「軍事」「国防」を理由に、税金の分けどり状態。この疑惑全体を解き明かさなければ、何も問題は解決しない。
宴席同席は「久間、額賀両氏」…守屋前次官が証言(読売新聞)
ゴルフ接待、陸自OBが現役時参加証言…防衛相が調査表明(読売新聞)
防衛省の守屋武昌前事務次官にたいする証人喚問。
接待については全面的に認め謝罪・反省の弁を述べるが、便宜供与については否定を貫く――だいたい基本戦略はそんなところ。結局、悪いのは私個人です、自衛隊・防衛省は悪くありません、ということ。