ニューヨークタイムズ紙が12/26付で「危ない日本のナショナリズム」と題する社説を掲載しました。へっぽこ訳をしてみました。ご参考まで。
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問われているのは過去の戦争に対する日本の態度
今日の毎日新聞に、中国の程永華駐日大使が安倍首相の靖国参拝にかんして寄せた論文が載っている。
大使は、「中国は一貫して日本の軍国主義者と日本人民を区別し、戦犯と一般兵士を区別して考えている」「戦争の責任は一握りの軍国主義者が負うべきだ」として、「我々は一般市民が自らの親族を弔うことに異議はない」と述べるとともに、同時に「日本の指導者の参拝は侵略戦争の性格と責任に対する認識にかかわるもので、中国は絶対に受け入れることはできない」と指摘している。
さらに、靖国神社が、現在も「侵略戦争を躍起になって美化し、歪曲し、現在の国際世論とは全く相いれない間違った歴史観を宣揚している」と述べて、「日本の指導者がこうした場所で『英霊』を参拝し、侵略戦争を発動した当時の元凶に対し、『平和』『不戦』を言っても、被害国の人民は受け入れられないし、国際社会も信じないだろう」と指摘する。
こうして問題は、日本が過去の戦争にたいしてどういう態度を取るのか、侵略戦争だったという反省にたってのぞむのか、それとも「自衛のための戦争」「アジア解放のための正義の戦争」と美化するのか、その点についての日本政府の立場と認識にあることが分かりやすく丁寧に指摘されている。
フィナンシャルタイムズ紙も安倍首相の「国粋主義」を批判
class=”float_right”ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナル紙に続いて、フィナンシャル・タイムズ紙も、安倍首相を批判する論評を掲載しました。
Shinzo Abe’s nationalistic streak under scrutiny – FT.com
見出しは、「監視下での安倍首相の国粋主義的ばか騒ぎ」とでも訳されるのでしょうか。見出しは「安倍晋三の国粋主義的傾向が問われている」ではないかとのご指摘を頂きましたので、訂正させていただきます。
米ウォールストリートジャーナル紙が安倍首相批判の社説
米ウォールストリートジャーナル紙が、「一人の男の侵略が…」と題して、安倍首相を批判する社説を掲載しました。
One Man’s Invasion Is … – WSJ.com
同社説は「誰が第2次世界大戦を始めたのか? 我々は、これは、地球が太陽の周りを回っているのかどうかをめぐる長い間と同様に決着済みの問題の1つだと考えていた。しかし、日本の安倍晋三首相は新たな解釈を下している」といって、安倍首相が国会で「侵略の定義は決まっていない」と答弁したことを痛烈に批判しています。
今度はワシントンポストが社説「歴史を直視できない安倍晋三」
ニューヨークタイムズ紙に続いて、ワシントンポスト紙(電子版)が4/27付で「歴史を直視できない安倍晋三」という社説を掲載しました。
Shinzo Abe’s inability to face history – The Washington Post
同社説は、安倍政権が防衛費を増やし、憲法改正をしようとしていることには「正当な理由」があるという立場からのものです。そういう立場からみても、安倍政権の靖国参拝や歴史認識問題は許されないということでしょう。
「歴史は絶えず再解釈されるものだ」と言いながら、それでも「事実というものがある」として、日本が朝鮮、満州およびその他の中国地域を占領したこと、マレー半島に侵略したことを指摘し、「日本は侵略の罪を犯した」と指摘しています。
オバマ政権が「靖国参拝」で懸念を表明していた!
TBSの報道によると、オバマ政権は、安倍政権のもとでの靖国参拝などの動きに、非公式にとはいえ「懸念」を伝えていたことが明らかになりました。
ニューヨークタイムズ紙が社説「日本の不必要な国粋主義」
米ニューヨークタイムズ紙が、4/23付で社説「日本の不必要な国粋主義」を掲載しています。
Japan’s Unnecessary Nationalism – NYTimes.com
つらつら読んでみると、批判は、安倍首相らが、中国や韓国が反発することが分かっていながら、靖国神社への参拝や供物の献納をおこなったことに向けられているようだ。いってみれば「確信犯」的な行いにたいして、日本は何が重要かまったくわかってない!ということなのだろう。
これが田母神前空幕長が最優秀賞をとった論文
田母神俊雄・航空幕僚長が民間の懸賞論文に応募して、「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」と主張して解任されたというニュース。
いったいどんな論文を書いたのか、と思って調べてみたら、割と簡単に見つかりました。(^^;)
で、それを読んでみたのですが、呆れてしまいました!! 論文といってますが、全体で7000字ほどしかない文章で、資料もなければ論証もない。およそ論文の体(てい)をなしていません。
たとえば、張作霖爆殺事件についてはこう書かれています。
ある評論への疑問
今月、ある新聞に、改憲問題をめぐる文化人の動向にかんする評論が掲載されました。
しかし、なぜこのような評論が掲載されたのか、非常に理解に苦しむ内容でした。まあ、一新聞の一記者の書いたもので、誰も注目もしないようなものなので、それについてあれこれ論じることに社会的な意味はないようにも思うのですが、あえて苦言を呈しておきたいと思います。
日本青年会議所「靖国DVD」のシナリオを読んでみた
日本共産党の石井郁子議員の国会質問で明らかになった日本青年会議所の「靖国DVD」(「近現代史教育プログラム『誇り』」)。そのシナリオを読んでみました。
プログラムの進め方では、日中戦争については「当時中国は内乱状態にあり日本が中国の内乱に利用され、支那事変は仕組まれた戦争であったことを中心に説明する」、対米開戦についても「戦争を避けようとした内閣の努力も虚しくアメリカの最後通牒によって戦争が始まったことなどを重点的に説明する」などと強調されており、靖国神社・遊就館の展示そっくりの内容です。
日本青年会議所は、「様々な誤認・誤解を生んでいる」「過去の戦争を肯定するものでも、軍国主義を賛美するものでもありません」と弁解に努めていますが、事実にも反するし、結論として、あの戦争は「自存自衛の戦争だった」「アジア解放の戦争だった」と子どもたちに教え込もうという意図は明白です。
↓DVDのシナリオをふくむ「近現代史教育プロジェクト」の資料はこちらから。
近現代史教育プロジェクト(日本青年会議所)
ネオコン論客が「9条改正で日本はアジア全体から孤立する」
ネオコンの論客として有名なフランシス・フクヤマ氏が、『週刊東洋経済』4/21号で、「ナショナリズムという日本の厄介な問題」と題して、安倍政権の憲法9条改正の動きにたいして、「日本が憲法9条の改正に踏み切れば、……日本は実質的にアジア全体から孤立することになるだろう」と批判。
フクヤマ氏は、靖国問題について、「靖国論争の本質は、靖国神社に合祀されている12人のA級戦犯にあるのではない。真の問題は、神社の隣にある軍事博物館の遊就館にあるのだ」とずばり指摘。遊就館の示す、“日本はアジアを解放しようとした”などという主張を批判。さらに、村山談話で「戦争に関する謝罪」はおこなったが、責任については「真剣な議論を行ってこなかった」として、「日本は太平洋戦争に対する自らの責任をまだ認めていない」と批判しています。
さらに、「ナショナリズムをめぐる、現在の日本の状況は、アメリカを困難な立場に立たせている」とも指摘し、冒頭に紹介したように、このまま日本が憲法9条の改正にふみこめば「日本はアジアから孤立する」ことになるので、「アメリカはより慎重になる必要がある」としています。
歴史を「政治的な思惑」で論じる愚
民主党の菅直人・代表代行が、沖縄戦「集団自決」をめぐる教科書検定問題で、安倍首相に論戦をいどむ――。
というのですが、菅氏は、首相に「これは史実がどうであったかという議論」と反論され、それ以上の追及ができなかったようです。TBSから、「選挙に向けた論戦ということで相手にダメージを与えることを優先したため議論は深まらず」「非難の応酬に終わりました」とコメントされる始末。民主党の側の「実(じつ)」のなさを証明しただけです。
こんどは英タイムズ紙が安倍氏を批判
米ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙につづいて、今度は英タイムズ紙が社説で首相の靖国参拝を批判。
社説は、「安倍氏は、東アジアの他の諸国を反発させることなく、死者への共感を表わす方法を見出さなければならない。兵士たちとともに戦争犯罪人を記念する靖国神社を毎年訪れることで過去を隠蔽し、中国をバカにすることなく、これをおこなう方法はある」と、靖国参拝をやめるように提案している。また、「世界に向かってさらに開くことで、日本は、その本当のアイデンティティを、失うのではなく、かちとることができるだろう」というのは、偏狭なナショナリストにたいする痛烈な批判だろう。
米紙、相次いで社説で安倍氏の靖国参拝、歴史認識を批判
27日付米ニューヨーク・タイムズ紙が社説で、「安倍氏が取るべき最初の一歩は靖国神社に参拝するという挑発的な行為をやめると宣言することだ」と指摘。ワシントン・ポスト紙も、25日付社説で「歴史に対して誠実でなければならない」と批判。
各国の新聞 アジア外交で注文(NHKニュース)
安倍総裁:歴史認識に警戒感…米紙ワシントン・ポスト(毎日新聞)
ホワイトハウス、日米協力の強化期待(読売新聞)
靖国神社と遊就館、米議会公聴会で厳しい批判
14日開かれた米下院外交委員会の公聴会で、靖国神社と遊就館の展示について、厳しい批判が相次いで出されました。
「朝日新聞」やTBSのニュースが指摘しているように、もちろん靖国批判一色という訳ではありませんが、「東京新聞」が指摘するように、「公式の場で」の首相の靖国参拝と遊就館展示にたいする批判は初めて。
安倍人脈をめぐる2つの記事
安倍晋三官房長官の動きについて、今日、「朝日新聞」と「毎日新聞」に内容の共通した記事が出ている。朝日の記事は、靖国問題をめぐって、こういう動きがあったと報道している。
今年5月の大型連休すぎ。首相官邸の官房長官室にいた安倍晋三官房長官のところへブレーンの一人が現われ、一通の文書を手渡した。
「靖国神社の遊就館の展示は問題がある。神社本体から分離すべきだ」
文書にはそうあった。関係者によると、このころから安倍氏は遊就館について「何カ所かおかしいところがある」と漏らすようになったという。
靖国神社、遊就館の展示を部分修正へ
靖国神社が遊就館の展示の一部修正の作業を開始したというニュース。前日、同じ「産経新聞」で、「つくる会」教科書執筆者の岡崎久彦氏が「未熟な反米史観」を批判しています。
アメリカ国内でも靖国派の戦争観にたいする批判が高まっていますが、靖国神社も、とうとう展示の部分的修正を余儀なくされたようです。
米教授、ワシントンポスト紙で、次期首相の靖国参拝中止を提言
首相の靖国参拝について、米プリンストン大の教授が、ワシントンポスト紙に、次期首相は「靖国参拝を中止し、中国、韓国と首脳会談を」と寄稿。「アーミテージ報告」いらいの日本を「普通の国」にしようというアメリカの政策が、日本が近隣諸国との歴史的和解が成立しない原因だとも指摘していることが注目される。
東郷和彦氏の意見
8月12日の「朝日新聞」私の視点欄で、東条内閣の外相でA級戦犯として禁固20年の判決を受け、服役中に死亡し、靖国神社に合祀された東郷茂徳・元外相の孫にあたる東郷和彦氏(元オランダ大使)が、「分祀」論について、「戦争責任の議論こそ必要」と題して、次のような意見を書かれている。
湯澤前宮司が、遊就館の展示「多少の変更はありうる」と発言
TBSのインタビューで、靖国神社の前宮司・湯澤貞氏が、A級戦犯の「分祀」はありえないとしつつも、遊就館の展示について、「多少の誇張も」「行き過ぎという意見も」と認めるとともに、「多少の展示の変更はあり得る」と発言しました。
「あの戦争は正しかった」とする靖国史観派はますます追いつめられてきた、ということですなぁ。