選挙結果をどう見るか、いろいろな見方があると思いますが、そのなかで面白い世論調査がありました。
NHKの世論調査によると、自民党が「次の衆議院選挙で政権復帰することを期待するかどうか」という質問にたいして、60%が「期待しない」と回答したそうです。獲得議席の上では、民主党に勝利した自民党ですが、しかし昨年夏に下された自民党政権ノーの審判は揺るがないようです。
選挙結果をどう見るか、いろいろな見方があると思いますが、そのなかで面白い世論調査がありました。
NHKの世論調査によると、自民党が「次の衆議院選挙で政権復帰することを期待するかどうか」という質問にたいして、60%が「期待しない」と回答したそうです。獲得議席の上では、民主党に勝利した自民党ですが、しかし昨年夏に下された自民党政権ノーの審判は揺るがないようです。
民主党・菅政権が、参院選で大敗した。テレビでも、「消費税を上げられたらかなわんから」と話す有権者がいたが、菅首相が唐突に言い出した消費税増税にたいする有権者の反対が大きかったことは間違いない ((民主党自身、消費税増税方針の年度内決定を先送りする動きが出ている(「読売新聞」2010年7月13日付)))。
ところが、「毎日」のアンケート調査によると、当選した新参議院議員の6割が消費税率引き上げに賛成している。
民主党に代わって勝利した自民党にいたっては、回答者32人中、「消費税率引き上げ」に反対なのは1人のみ。残り31人は全員賛成。しかも、「衆院選前にも消費税を引き上げるべき」だという議員が12人もいるのだ。公明党も、当選した8人全員が消費税引き上げに賛成している。
今度の選挙では、「消費税を上げられたら困る」と思って、自民党の候補者に一票を投じた人も少なくなかっただろう。しかし、自民党の実態は、民主党以上の消費税増税派なのだ。
消費税増税派やめてほしいと思って、自民党に投票された有権者の皆さん、自民党はあなたの期待を裏切るかも知れません。くれぐれも、ご用心、ご用心。
消費税増税で分の悪くなった民主党が、国会議員の定数削減を臨時国会で提案すると言っている。
「政治家みずからが痛みを」というのだが、今日の読売新聞の記事によれば、定数80削減で減る支出は約33億円。これで11兆円の消費税増税も仕方ないと考えたら、とんでもないことになる。
菅首相が、消費税増税への批判にたいして、「低所得層にはかかった消費税を全額還付する方式もある」と答えたそうだ。
わざわざ還付しなければいけないのなら、初めから増税しなければいいのだ。年収400万円以下となれば、還付対象世帯は半数近くになる。それだけの世帯について、所得と支出を把握して、還付の手続きをとる――いったい、どれだけの手間と経費がかかるだろうか。還付を受けるための申告手続きも膨大なものになるだろう。
広く徴税しておきながら、あとで半数の世帯に還付する――こんな税制は、制度設計から根本的に間違っているのだと思う。
『日経ヴェリタス』6月27日号に、京都大学の中野剛志氏が、「法人税減税は究極のバラマキ」という論評記事を書かれています。
中野氏は、法人税減税はデフレ不況下では「むしろ有害」「法人部門の貯蓄を殖やすだけで、経済全体の需要を縮小させる」と厳しく批判しています。
NHKの世論調査では、菅内閣の支持率は48%ですが、注目されるのは不支持率が6ポイントも伸びたこと。
さらに注目されるのは、消費税率の引き上げについて賛否を問うたのにたいし、賛成27%、反対38%、「どちらともいえない」31%と、反対が賛成を上回ったことです。この間のさまざまなメディアの調査で、反対が賛成を上回ったのは初めてです。
「強い経済、強い財政、強い社会保障」をかかげる菅民主党の政権公約。2020年までの財政再建をかかげる一方で、法人税の引き下げを明記。となると、「強い財政」は消費税増税によるほかないことになる。
しかし、「基礎的財政収支」を黒字にするためには、今年度予算で約22兆円の財源が必要。「事業仕分け」をいろいろやったとしても、それで生まれる財源は限られている。これを全部消費税でまかなうとすれば、10%近い税率引き上げが必要になる。さらに、これに法人税引き下げ分が加わるのだから、消費税率15%!!は必至。
法人税の実効税率を引き下げよ、というのは、日本経団連など財界の強い要求。「強い財政」といいながら、財界言いなり。国民に負担を押しつける「強さ」だけでは困ったもんだ。