JR西、またも保線作業員をはねる事故

JR西日本で、またもや、保線作業員が作業中に列車にはねられる事故が発生。

JR西日本では、2002年11月に、線路内に立ち入って電車にはねられた高校生を救護中の救急隊員が特急列車にはねられるという事故がありました。共同の記事によれば、線路で作業中に起こった事故は、民営化後、これまでに5件あり、7人が犠牲になっているといいます。なぜ同じような事故が繰り返されるのか、憤りに耐えません。

JR宝塚線の断線事故で、安全第一の企業に生まれ変わることを約束したはずなのに、なぜ、こうした事故を繰り返すのか? しかも、今回の事故でも、JR西日本が真っ先に発表したのは、「現場が勘違いしていたのではないか」という現場に責任を押しつける発言。JR宝塚線の脱線転覆事故の時に、事故原因が分からないうちに置き石説を流したりしたのと、少しも変わっていないのではないでしょうか。

JR特急が保線区員4人はね、2人死亡…伯備線(読売新聞)
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1分44秒のためだったのか…

JR西日が宝塚線の新ダイヤを提出。宝塚―尼崎間の所要時間が、ラッシュ時で18分16秒から20分に、昼間で16分34秒から18分15秒に、最大で1分44秒延長されます。

ふり返って考えてみると、ぼーっとしたりおしゃべりしたり、ついどうでもいいTV番組を見てしまったりと、1分44秒ぐらいの時間は、すぐ過ぎてしまいます。その程度の時間を短縮するのに無理した結果が、あれだけの犠牲者だったのかと思うと、やり切れない気持ちです。

JR西が新ダイヤ提出 「19日運転再開」も届け出(朝日新聞)
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「報告なく全く問題ない」ですませてよいか?

製造時期の異なる車両の連結でブレーキ異常が起こる可能性については、以前にもコメントしましたが、2000年の日本機械学会・鉄道技術シンポジウムで、そうした報告がおこなわれていたことが明らかになりました。

「実際の運転に影響があったという報告はなく、全く問題ない」といって片づけるのではなく、実地の検証が必要でしょう。

脱線電車と同じ製造時異なる車両連結、ブレーキ異常?(読売新聞)
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日勤教育を見直す前に

JR西日本が懲罰的「日勤教育」見直しへ。

個人的には、懲罰的な「日勤教育」を見直す前に、まず会長、社長以下社幹部に、たとえば大阪駅のホームに立って「とんでもない事故を起こしてしまいました。申し訳ありません」と謝らせるとか、衆人環視の環境で「反省文」を書かせるとか、やってみてほしいんですけどね…。「日勤教育」として何がやられていたか、身をもって体験してもらったうえで、見直しをしてほしいと思うのです。

JR西、「懲罰的」日勤教育を見直し(日経新聞)
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JR脱線の要因は台車蛇行動

JR宝塚線で脱線事故を起こした207系車両ですが、脱線の要因は「台車蛇行動」といわれるものであることが明らかになったそうです。(ただし、産経の記事を読むかぎりでは、台車蛇行動の直接的な物証を得たというより、状況から見て蛇行動をしたに違いないという感じですが)

さてはて、JR西日本によれば、207系は133キロ以上でないと転覆しないはず。それが、120キロ超で台車が蛇行動を起こした訳ですから、はたして、JR西日本は、車両の安全設計をきちんとやっていたんでしょうか? 誰もが疑問に思うはず。

台車蛇行動 高速走行で発生 バランス崩す要因に JR脱線、事故調が見解(産経新聞)
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脱線車両120キロ超で走行?

事件直後に、JR西日本は、207系は最高速度120キロしか出ないと言っていたのでは…?

設計上の最高速度が間違っていたのか、それとも、モニターの数値の誤差なのか。検証してください。

<尼崎脱線事故>カーブ直前の直線区間を120キロ超で走行(毎日新聞)
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JR西日本、カーブ速度超過防止対策に遅れ

日経新聞夕刊に、JR西日本がカーブの速度超過対策の安全装置の設置が、同じJRグループの他社とくらべて遅れていたとの記事を掲載しています。

インターネットで流れている記事は前半のみですが、新聞記事によると、JR東海は、ATS改良型を開発し「40キロ以上の減速が必要なカーブ」すべてを改良型に切り替えていたという。それにたいし、JR西日本は、「50キロ以上の減速が必要なカーブ」20カ所中、5カ所にしかATS-Pを設置していなかったとしています。

JR西日本、カーブの速度超過防止対策に遅れ(日経新聞)
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空気バネが脱線誘導か?

毎日新聞が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の話として、「空気バネが異常な振幅をくり返し、脱線を誘発した可能性が高い」と報道。

ようやく、ハード面での問題が指摘され始めました。空気バネの問題は、地下鉄日比谷線脱線事故の時も指摘されたのではなかったでしょうか。そのあたりの検証も望みたいですね。

尼崎脱線事故:空気バネ、異常振幅 脱線を誘発の可能性(毎日新聞)
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JR西日本の体質?

確かに運転士の場合、職場にたどり着かないと、電車が出せなくなるという問題があるので、本人たちは、「なんとかして職場に行かねば」と思ったのかも知れませんが、しかしやっぱり問題でしょうね。どうやら、連絡を受けたJR側が出勤を促したようです。つくづく呆れる会社です。(5/5訂正・追記)

ところで、この話って、前にもメディアで話題になっていたのでは? 確かそのときは、JR側は、従業員はたくさんいるので調べようがない、というような話だったような…。それから、JR西日本は自分で調べたんでしょうか?

JR運転士 脱線遭遇も救助せず出勤(デイリースポーツ)
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JR西日本はATS-Pの投資をケチっていた!

「しんぶん赤旗」によると、JR西日本は、ATS-Pの工事費を2001年度から大幅に削減していました。JR宝塚線の脱線事故でも、現場にATS-Pが設置されていれば、速度オーバーが規制できて事故にならなかったのではないかと指摘されています。

JR西日本は、今年6月に設置工事をする予定だったと発表していますが、2000年度までのように毎年16?21億円の投資をしていれば、現場にももっと早くATS-Pが設置されていたはず。2005年3月期決算では、JR西日本は経常利益959億円(前期比11.7%増)、最終利益589億円(同25.5%増)の過去最高益をあげていますが、「安全より利益優先」と言われても仕方ないのでは? 6月に工事をする予定だったのに…ではすまされません。

新型ATSの設置工事費 01年度から激減/JR西(しんぶん赤旗)

年度 1998 99 2000 01 02 03 04
工事費(億円) 21 16 19 2 3 1 5

追記:S.WATANABEさんのご指摘の通り、ATS、ATS-Pは赤信号で確実に停止するようにするためのものなので、制限速度超過には対応していません。したがって、ATS-Pと今回の脱線事故防止とをストレートに結びつける記述は削除します。
追記2:ATS-PあるいはATS-SWでも、地上施設を配置することで制限速度超過を制御することが可能であるとの報道があります。JR西日本でも、北陸線、山陽線、東海道線などの17箇所でATS-SWによるカーブの速度超過防止の対策がおこなわれていると指摘されています。技術的な問題は分からないのですが、ご存じの方のご教示をお願いします。
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JR西日本、事実上、過密ダイヤ修正へ

JR西日本が宝塚線の過密ダイヤの見直しを表明。

時刻表通りの運行が不可能であることを、事実上認めたことになりますね。まあ、「過ちて後改むるを憚る事勿れ」という諺もありますから、無理せずに運行できるダイヤにしてほしいものです。しかし、そのために107人の犠牲というのは、あまりに大きな代償だった言わざるをえません。

過密ダイヤ見直しへ=日常的に40?71秒遅れ?脱線事故の福知山線・JR西(時事通信)
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事故の記憶…1両目に乗車していた毎日新聞記者が手記

JR宝塚線の脱線事故で、1両目に乗り合わせた毎日新聞記者が手記を公表。

伊丹駅でのオーバーランやその後の運転速度など、事件後、テレビなどで事故原因とかかわって取り上げられている問題に関心が引きつけられているところがありますが、事件後、車内からはい出たときの様子などは、やっぱり迫力があります。助かった乗客同士や、近所の住人が自然と助け合っていた様子が知られ、ちょっとぐっと来ますね。

<尼崎脱線事故>1両目にいた久田記者 事故前後を再現(毎日新聞)
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JR宝塚線、脱線事故

午後10時現在で、犠牲者は53人になり、まだ1両目、2両目にも取り残されている乗客がいるとのことです。鉄道事故としては、40年来の大事故。地下鉄日比谷線の事故の時、ひどい事故だなぁと思ったものですが、あのときの犠牲者は5人。信楽鉄道の衝突事故の時の犠牲は40人あまり。それに比べてみても、今回の事故の大きさが分かります。

宝塚線(福知山線)といえば、昔はディーゼルしか走っていない田舎路線だったのですが、1997年にJR東西線が開通して、三田あたりまで電化され、最近は通勤線になっています。乗り換えのJR尼崎駅もすっかり新しくなっていて、たまに帰省したときにはびっくりしたものです。

電車脱線、52人死亡 417人けが 兵庫のJR宝塚線―尼崎・列車脱線事故(朝日新聞)
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