気休め…

左手の不調で、病院へ行ってきました。しかし結論からいうと、原因は「たぶん神経じゃないか」、で「少しずつ治っていくだろうが、時間がかかる。それしかない」「短期間で良くなることもあるし、数カ月かかることもある」という非常にアバウトな診断。処方箋を出してくれましたが、なんてことはないビタミンB12の錠剤だけ…。末梢神経の痺れ、麻痺の改善に効果があるとの説明でしたが、それくらいのことは僕でも知っています。診察した先生は、前に、右足の小指あたりが痺れたときも、「まあ、様子を見ましょう」といった先生。う〜む、病院変えてやろうかなあ…。

しかし、左手の中指が動かない、ちょっと力が入らないというだけで、なんと不便なことか! フライパンをもって右手で菜箸を使って皿にもるという動作が出来ない。傘をひらく、たたむという作業が何と面倒なことか。メガネをふこうとしても、左手で持ったメガネが安定しない。…あげればキリがありません。それを一つ一つうらんでみても始まらないので、できることを、できるように、焦らず、あわてず、一つずつ確実にやっていくように心がけています。まあ、焦っても仕方ないし…。(^^;)

さて、そういうことで、今日のお買い物。

  • 虹影著、関根謙訳『飢餓の娘』(集英社、定価2730円)
  • ウィ・ギチョル著、清水由希子訳『9歳の人生』(河出書房新社、本体1400円)
  • 小林英夫著『帝国日本と総力戦体制 戦前・戦後の連続とアジア』(有志舎、本体2300円)
  • 『現代思想』2004年6月号 特集・フェミニズムの最前線(青土社、定価1300円)

1冊目は「現在ロンドン在住の中国人女性作家による衝撃の自伝的長編小説」(帯の宣伝文句から)。1959?62年にかけて、この小説の舞台となった四川省だけで700万人が餓死したといわれる時期に生まれた主人公・六六のお話(この大饑餓は、人民公社の組織に始まった毛沢東の「大躍進」路線によってもたらされた人災)。著者・虹影は、1989年、民主化運動に参加。天安門事件の2年後に渡英。原著は1997年にまず台湾で発行、2000年には中国本土でも発行されました。

2冊目は、「韓国で130万部突破!」(これも帯の宣伝文句)の小説。ソウルの貧民街で育つ9歳の主人公ヨミンのお話。映画化され、今年3月に封切られ人気を博したそうです(2005年、日本公開予定)。

ということで、中国と韓国、どちらも社会の底辺に暮らす人物を描いた小説です。貧しさから「解放」され、あれこれ実存的な悩みにふける日本人も、こういう小説をたまにはぜひ読んでみるべきでしょう。

3冊目、小林英夫氏は、20年以上前に、とある学会のあと六甲山ドライブのご案内をしたことがあります(多分、忘れられているでしょうが)。非常にエネルギッシュな先生で、思いこんだら…突っ走ってしまうところがあるようですが、すくなくとも『「大東亜共栄圏」の成立と崩壊』(御茶の水書房、1975年)と『戦後日本資本主義と「東アジア経済圏」』(御茶の水書房、1983年)は名著です。

最近買った本

本を処分して引っ越したというのに、さっそくいろいろ新しい本を買い込んでいます。(^^;)

  • 保立道久著『歴史学をみつめ直す 封建制概念の放棄』(校倉書房)
  • 柳美里『8月の果て』(新潮社)
  • 丸山昇著『上海物語 国際都市上海と日中文化人』(講談社学術文庫)
  • 尹載善著『韓国の軍隊 徴兵制は社会に何をもたらしているか』(中公新書)
  • 佐藤卓己著『言論統制 情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』(中公新書)
  • 河合幹雄著『安全神話崩壊のパラドックス 治安の法社会学』(岩波書店)
  • 置塩信雄著『近代経済学批判』(有斐閣双書) ←古書です

置塩『近代経済学批判』は、本当に1年以上ずうーーーーっと探していた本。古本屋さんでも全然出回りものが無く、ほとんど諦めかけていました。(^^;)
尹『韓国の軍隊』――帯に「すべての国民は国防の義務を負う(大韓民国憲法第39条) 兵役義務の知られざる実態とは」とあったので、とりあえず購入。自民党などは、憲法改正で「国防の義務」を明記しようとしているだけに、「国防の義務」が憲法に明記された国の実態を知ることは必要だと思います。

と、これだけ買い込んだにもかかわらず、目下のところは柄谷行人著『トランスクリティーク』(批評空間、2001年)を読んでいます。これも、出たばかりのときに買ったのですが、ずーーーっと埋もれていて、引っ越しで“発掘”したものです。(^^;)

小松美彦『自己決定権は幻想である』

小松美彦『自己決定権は幻想である』(洋泉社新書)

「自己決定権」の問題を社会学的に取り上げた本かと思って読み始めたのですが、主に取り上げられているのは脳死・臓器移植にかんする「自己決定権」問題、つまり、本人が「ドナー登録」に同意したということを理由にして脳死・臓器移植をおこなう「論理」の“危うさ”です。

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高崎真規子『少女たちはなぜHを急ぐのか』

少女たちはなぜHを急ぐのか

「少女たちはなぜHを急ぐのか」というタイトルですが、「なぜ急ぐのか」だけを追いかけるのではなく、10代を含めた(その中には中学生もいる)女の子の、今どきの性行動を追跡調査したルポという感じです。

で、そのリアルな実態というのは、やっぱりそれは読んでもらうのが一番。結論めいたものを要約して紹介してみても、この手のルポの値打ちは伝わらないというのが正直なところです。しかし、「周りがやってたから、あせりもあった」「その場のノリで」「こんなに愛してくれるなら、申し訳なくて」という“受け身”でのsex。さらに「20歳過ぎたら終わりだよね」という感覚。このあたりに、「なぜ急ぐのか」を解く鍵がありそうだというのが著者の答えのようです。

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今日の買い物

今日(正確にはすでに昨日ですが)買った本です。

  • 石川康宏『現代を探求する経済学 「構造改革」、ジェンダー』(新日本出版社)
  • 高崎真規子『少女たちはなぜHを急ぐのか』(NHK出版、生活人新書)
  • 小松美彦『自己決定権は幻想である』(洋泉社新書)

またぞろ、いろいろな本の買い込み癖がうごめきだしたかな…? 気をつけねば。

1冊目は、優雅な女子大(しかもお嬢様学校)の先生でありながら、
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