米輸入牛肉に危険部位

吉野家の輸入した米牛肉に、輸入できないはずのBSE危険部位が混入していた問題で、アメリカは、単純な出荷ミスであることを強調。「時々起こること」という米農務省の発言や、「日本が独特な規制をもっている」という米食肉処理業界団体の主張は、開き直りそのものです。

しかし、「日本だけが特別のルールを作っているから、間違うんだ」などというのは、危険部位をちゃんと除去する能力がアメリカ人にはない、と言っているのと同じこと。危険部位除去のルールが本当に守られているか、徹底的な調査が必要です。

ところが、官房長官はさっさと「システムの問題ではない」と発言。日本人の食の安全より、アメリカ企業の御機嫌の方が大事なようだ。

米「故意ではなく、出荷ミス」・BSE危険部位混入(NIKKEI NET)
日本政府に全面協力=発送ミスが原因?米牛肉処理業者(時事通信)
問題の牛肉「誤って出荷」 時々起こると米農務省(中日新聞)
【官房長官会見】「輸入停止必要ない」米国産牛肉危険部位混入で(24日午前)(2/4ページ)(MSN産経ニュース)
「牛肉問題、米側は「単純ミス」強調」(TBS News-i)

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大和ハウス子会社、未払い残業代2億4400万円

サービス残業、「名ばかり管理職」――まだまだ違反事件は続きます。

大和ハウスの子会社がサービス残業代2億4400万円を支払うことに。残業目標1カ月30時間と決めたからといって、それを超える残業代を支払わない、というのはルール違反です。

マクドナルド判決をきっかけに、「名ばかり管理職」の不払い残業代の支払いを求める動きが広がっています。牛丼チェーン「すき家」のアルバイト3人が残業代不払いで「すき家」を労基署に刑事告発。コナカの店長2人が労働審判を申し立てました。

他方、紳士服の青山は、店長や課長への残業代を支払うことを決定。過去2年にさかのぼり12億円を支払います。

未払い残業代を支給 2億4400万円 大和ハウス子会社(東京新聞)
公立病院でも「名ばかり管理職」・滋賀、労基署が是正勧告(NIKKEI NET)
労組加入で解雇不当、「名ばかり取締役」提訴…佐賀地裁(読売新聞)
「名ばかり管理職」訴訟 尼崎の会社に支払い命令(神戸新聞)
都市機構が残業代未払い(共同通信)
「名ばかり管理職」コナカに残業代請求 仙台2店長(河北新報)
「残業代など不払い」 バイト3人が「すき家」刑事告訴(asahi.com)
青山商事、店長や課長に残業代を支払いへ、「管理監督者」定義見直し(nikkei BPnet)
トヨタ系など販社の8割、「みなし労働制」廃止へ(NIKKEI NET)

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光市母子殺害事件での差し戻し判決について

山口県光市での母子殺害事件の差し戻し高裁判決で、被告に死刑の判決。

僕は、制度としての死刑には反対だが、もちろん、死刑を廃止しさえすれば問題が解決するとは思っていない。それは別にして、「毎日」4/23付に載った佐木隆三氏のコメントはポイントを突いていたと思う。

他方、被害者の夫・父親である本村洋氏が、記者会見で「遺族としては当然、応報感情を満たされた」と言いながら、被告が死刑となることについて「社会にとって不利益なこと」と述べ、「どうすればこういう死刑という残虐な、残酷な判決を下さない社会ができるのか」考える必要があると指摘していることは注目される。

この間、各種メディアはひどい事件が起こるたびに被告の「感情」にべったりよりかかる報道を繰り返してきた。しかし、法律は「遺族の応報感情」のためにあるわけではない。そのことを何人も揺るがせることは出来ないと言うことだろう。

光母子殺害:【本村洋さん会見詳細】<1>「裁判所の見解は極めて真っ当」(毎日新聞)

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