米輸入牛肉に危険部位

吉野家の輸入した米牛肉に、輸入できないはずのBSE危険部位が混入していた問題で、アメリカは、単純な出荷ミスであることを強調。「時々起こること」という米農務省の発言や、「日本が独特な規制をもっている」という米食肉処理業界団体の主張は、開き直りそのものです。

しかし、「日本だけが特別のルールを作っているから、間違うんだ」などというのは、危険部位をちゃんと除去する能力がアメリカ人にはない、と言っているのと同じこと。危険部位除去のルールが本当に守られているか、徹底的な調査が必要です。

ところが、官房長官はさっさと「システムの問題ではない」と発言。日本人の食の安全より、アメリカ企業の御機嫌の方が大事なようだ。

米「故意ではなく、出荷ミス」・BSE危険部位混入(NIKKEI NET)
日本政府に全面協力=発送ミスが原因?米牛肉処理業者(時事通信)
問題の牛肉「誤って出荷」 時々起こると米農務省(中日新聞)
【官房長官会見】「輸入停止必要ない」米国産牛肉危険部位混入で(24日午前)(2/4ページ)(MSN産経ニュース)
「牛肉問題、米側は「単純ミス」強調」(TBS News-i)

米「故意ではなく、出荷ミス」・BSE危険部位混入
[NIKKEI NET 2008/04/24 11:37]

 【ワシントン=藤井一明】米国産牛肉の対日輸出を巡り、BSE(牛海綿状脳症)対策上、危険とされる部位の混入が23日発覚した問題で、牛肉の安全に対する日米間の感覚の違いが改めて目立ってきている。米側は政府、業界ともに「故意ではなく、出荷ミス」との認識を示しているが、不信を強める日本の消費者などと比べ深刻度の差は鮮明だ。
 米農務省は出荷元のナショナルビーフ社のカリフォルニア工場を調査し、冷凍肉の700箱のうちなぜ1箱だけ危険部位が混入したかの詳しい経緯が明らかになるまで日本への輸出を認めない方針。日本政府とも緊密に連絡を取る構えだ。
 ただ、「米国産牛肉は完全に安全」(ブッシュ大統領)と主張する米国では政府、業界の内部で「出荷や流通の過程でミスを全廃するのは無理」として、日本側からすると開き直りに映るような感覚も潜む。農務省の関係者は「日本の対応は慎重すぎる」と不満を繰り返し示している。

日本政府に全面協力=発送ミスが原因?米牛肉処理業者
[時事通信 2008/04/24-06:41]

 【ワシントン23日時事】日本に輸出された米国産牛肉にBSE(牛海綿状脳症)の特定危険部位に指定されている脊柱(せきちゅう)が混入した問題で、出荷元の牛肉処理業者ナショナルビーフは23日、「発送ミス」によるものだとした上で、「米農務省と日本政府の原因究明調査に全面的に協力している」との声明を発表した。
 米農務省スポークスマンも「日本向けではなかった」と説明。誤って出荷された原因が特定されるまで問題の工場からの対日輸出停止を続けるとしている。
 業界団体の米国食肉協会(AMI)を通じて同社が発表したジョン・ミラー社長名の声明では、対日貿易条件に違反したことを認めつつも、問題の部位は「全く安全であり、米国内外では普通に消費されている」と強調。同条件の順守に向けて適切な措置を講じるとしている。米国は生後30カ月未満の牛から取れた脊柱は特定危険部位に認定していない。

問題の牛肉「誤って出荷」 時々起こると米農務省
[中日新聞 2008年4月24日 01時14分]

 【ワシントン23日共同】米農務省は23日、伊藤忠商事が輸入した米国産牛肉から輸入が認められていない特定危険部位が見つかったことについて声明を発表し「日本に輸出するものではなかった」として、誤って出荷されたとの認識を示した。
 農務省のウィリアムズ報道官は共同通信に対し、特定危険部位が混入したのは「700箱中の1箱にすぎず、こうしたことは時々起こる」と述べた。
 農務省は問題の牛肉を出荷したカリフォルニア州の工場に対し「混入の原因が解明されるまで日本への出荷再開を禁止した」ことを明らかにした。

【官房長官会見】「輸入停止必要ない」米国産牛肉危険部位混入で(24日午前) (2/4ページ)
[MSN産経ニュース 2008.4.24 12:50]

【米国産牛肉】

 ――日本に輸入されたアメリカ産の牛肉に特定危険部位の脊柱が混入していたことが分かった。これについての受け止めと政府としての対応は

 「今回の事例は、アメリカの農務省が発行した輸出証明書の表示、日本向けバラ肉とは明らかに違うものであった。骨付き腰肉だったそうでありまして、したがって、これは誤って積載されたものと、積まれたということで、対日プログラムのシステム上の問題ではないというふうに認識をしておりますので、輸入停止等の措置は必要はないということであります。しかし、こういう事例はまことによろしくないわけでありまして、食の安全、信頼性を損なうという意味からもですね、政府としましては当該施設からの輸入手続きを保留するとともにアメリカ政府に対日輸出条件をしっかりと守るように、その徹底を改めて申し入れたところであります。さらに、輸入業者等に対しましては、国内流通団体における検品を徹底することを指導するとともに、輸入時の検査の抽出率。抽出。引き出すんですね。サンプル率といいましょうかね。それを1%から10%に当面引き上げるという措置をとったところでございます。よく(平成)18年1月の事件、脊柱が混ざっていた。混入していた事例とどう違うのかというお尋ねがありますけれども、18年1月の場合はですね、これは輸入再開をした直後のできごとであり、アメリカ農務省、いわゆる日本向け骨付き肉と誤った署名がなされていたということでありまして、単なるミスというよりは、システム的な誤りだったというようなことからですね、禁止措置をとったわけでありますが、今回とは事情がまったく異なると、このように私どもは判断をしているところであります」

牛肉問題、米側は「単純ミス」強調
[TBS News-i 4月24日17:55]

 特定危険部位を含むアメリカ産牛肉が見つかった問題で、問題の牛肉を輸出したアメリカ側は、あくまで「単純なミス」でアメリカ産の牛肉は安全だと主張しています。
 今回の事態を受けてアメリカのナショナルビーフ社は23日、声明を発表しました。出荷のミスを認め、原因究明に向けて努力するとしながらも、「問題の牛肉はアメリカ国内や海外の消費者が日常的に食べているものだ」と強調しました。
 業界団体のアメリカ食肉協会も声明を出し、「日本は独特な規制を持っている」と、あえて、日本の基準への違和感を示しています。
 アメリカ産牛肉をめぐっては、イ・ミョンバク大統領の訪米を機に、韓国は輸入規制の緩和を発表し、全面解禁に向けて大きく舵を切りました。アメリカ側としては、これを機会に、日本に対しても規制撤廃への圧力を高めようとしていた矢先に、今回の問題が発覚しました。
 「日本の皆さんには、アメリカが合意を守り、誠意を持って交渉を行っていることを信頼してもらいたい」(アメリカ マコーマック報道官)
 影響を最小限に抑えようと低姿勢のアメリカですが、「今回のような単純ミスは完全にはなくせない」という本音も見え隠れしています。

箱に詰め間違えるような人間が、牛の年齢をちゃんと調べたり、危ない飼料を使わないようにすることが出来るはずもない。「アメリカ人は平気で喰っている」というが、何十年かあと、アメリカ人の脳みそがみんなすかすかになっていても、オイラは知らないぞ。まあ、いまでも脳みそがすかすかだという話もあるが…。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

2件のコメント

  1. こんばんわ>
    アメリカ国内ではこう言うのをいつも食べているのですかね。それとも輸出用?

  2. nkさん、こんばんは。

    アメリカ国内で、平気で食べているようですよ。
    よろけ牛(BSEの可能性大)に電気ショックを加えて立たせ、検査を通過させる、などという手もあるそうです。
    アメリカの場合、放牧なので、いつ仔牛が生まれたか分からない(だから、生後20カ月以内かどうか分からない)。

    それでも、アメリカ人は平気なのです。

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