ビットコインについて呟きました

ビットコインの取引所マウント・ゴックスが取引を全面的に停止したというニュースで、そもそもビットコインとは何なのかについて、とりあえずの私の考えを呟きました。

なお、途中で「ビットコインと交換所に関する基礎知識」というサイトを紹介していますが、これはとりあえずビットコインの仕組みについてイメージを持ってもらうために紹介したものであって、ビットコインとは何かという私の考え方とはまったく違っていますので、そのことをあらかじめお断りしておきます。

  • ビットコインが通貨の代わりをするのは、最初にビットコインを買う時に利用者が自国通貨を支払っているからだよね。 posted at 23:12:11
  • そしてビットコインの発行枚数には上限が設定されているから、後からビットコイン以上に参入しようという人は、当初の価格よりも高い価格でコインを買わないといけない。 posted at 23:18:24
  • 逆に、新しくビットコインを手に入れようという人より、コインを手放して現金化しようという人が多ければ、ビットコインの価格は当初価格よりも下落せざるを得ない。 posted at 23:19:57
  • だからビットコインは仮想通貨というより、株取引に決済性を持たせたものに近いのではないか。ただ株の場合には配当があるが、ビットコインには配当のようなものはない。そもそもビットコイン市場に投じられた資金が産業的に運用されることはないのだから、配当や利子が支払われるはずがない。 posted at 23:43:35

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日本の銀行、預貸率80%以下!!

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本日(3/19)の「日経新聞」に載っていたグラフ。

記事は、ユーロ圏で銀行の貸し渋り(預貸率の低下)が広がっているというものですが、それにくっついていたユーロ圏と日本の銀行の預貸率のグラフを見て、びっくり。ヨーロッパの銀行は、預貸率が下がったと言っても110%程度。ところが日本は、90年代には100%超ありましたが、その後は低下する一方で、最近では80%を割り込んで、74%しかありません。

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資本主義に自浄能力は期待できるのか?

「日本経済新聞」の元旦社説は、清沢洌まで引っ張り出して、国家戦略による「資本主義の進化」を要求している。それに比べれば、同じ「日経」でも、大晦日のコラム「大機小機」の方がよほどまともなことを言っている。曰く――

  • 「先進国で広がる体制の危機は、四半世紀に及んだ経済運営の諸矛盾が限界に達したことを示している。行き過ぎた経済のグローバル化、市場化、金融化の弊害だ」
  • 「効率優先の市場主義は、為替を含む急激な価格変動で、経済と国民生活を不安定にしただけではない。勝者総取りを是とする思想と相まって、中間層がやせ細る富の偏在と格差拡大の社会的不均衡を生み、社会の分裂を招いた」
  • 「短期の資本移動を抑制する国際的な枠組み作りが重要」「金融を規律付ける再規制は喫緊の課題だ」
  • 「所得と資産格差の是正は、税・財政による再分配機能を強化する政府の役割である。過度な報酬制度でゆがんだ部分があれば、企業の分配政策の是正も課題になる」「政治と経済の目的は国民生活の安定と向上にある」

しかし、コラム子が言うように、はたしてこれが「資本主義の自浄能力」によって達成されるのだろうか? そうでなければ、社会の力でルールを確立しなければならない。

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世界の投機マネーはいったいいくらあるのか?

世界の投機マネーはいったいいくらあるのか? 以前、水野和夫氏の研究を紹介しましたが、あれから何年もたち、はたしていまはどうなっているのでしょうか?

そもそも投機マネーについての公式統計など存在しない ((それは、ヘッジファンドなど私的投資についての公式統計がない、ということとともに、そもそも資本主義の立場からは投資と投機の区別ができないという問題があるからです。))ということは分かった上で、調べてみました。

先日の「読売新聞」(10月1日付)によれば、世界の株式の時価総額は、2011年9月末で約47兆6685億ドル。さらに、先日の「日本経済新聞」(11月25日付)によれば、10月28日から11月23日までに、「世界の時価総額はこの間に約6兆ドル減った」とのこと。したがって、現時点では株式の時価総額は約42兆ドルより少ないということになりそうです。

しかし、そのほかの分野はどうなんでしょうか? と思って探していて見つけたのがこちら↓の記事。1年前のものですが、これを手がかりに調べてみました。

2009年末 世界の政府債務残高 34兆1039億ドル – 石油監査人

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1ヵ月で6兆ドルが消えました (^_^;)

Twitterでつぶやきっぱなしになってましたが、11月25日の「日本経済新聞」に載っていた記事。そのなかで、10月28日から11月23日までの約1ヵ月のあいだに、世界の株式時価総額が6兆ドルも減った、と指摘されています。6兆ドルというと、約460兆円。日本のGDPの約8割、政府予算の5年分ほどです。す、すごい!

10月初めには、「読売新聞」が世界の株式時価総額が今年3月末から9月末までの半年間で10兆ドル減ったと報じたばかり。それが1ヵ月でさらに6兆ドル。ダメージはますます大きくなっているようです。

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イタリア新政権、富裕層への課税強化

イタリア新政権が富裕層にたいする課税を強化することに。

そのニュースの中に出てきたデータですが、イタリアでは、1%の富裕層が全資産の13%を保有しているそうです。それだけで資産は1兆ユーロほど。ここに0.5%課税するというのだから、税収は50億ユーロほどになる計算です。

日本で同じことをやったら、どれぐらいの税収が確保できるんでしょうねえ。

伊、追加財政再建策急ぐ 富裕層増税など検討 来月5日の閣議決定目指す:日本経済新聞

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IMFが1兆ドルの追加資金枠設定へ

ヨーロッパの信用不安について。今朝の「日本経済新聞」には、IMFが1兆ドル規模の追加資金枠を設定する案が浮上されている、という記事が出ていました。

1兆ドルといえば約77兆円、日本の政府予算の8割に相当する巨大な額。3年前のリーマン・ショックのときが3200億ドルだったので、いかに今回の危機が深刻かということがわかります。

他方で、「毎日新聞」にはこんな記事↓。

ドイツ:国債の入札不調…市場に動揺:毎日新聞

ソブリン危機に、ついにドイツ国債まで嫌われ始めたのか? という問題もありますが、この記事のなかでエコノミストが指摘しているように「年末を乗り切るための現金を持っていたい」というのが一番の理由でしょう。しかし、それだけ短期資金の流動性が悪くなっているということなんでしょうか。

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ヨーロッパで信用不安が少しずつすすんでいるのか?

ユーロ・ドル建ての短期金融市場で、流動性リスクにたいする警戒感が強まっているらしい。要するに、ゆっくりした形だけれども、信用不安がすすんでいるということなのだろうか。これからどういうふうに展開していくのか、注目しておかなければ。

ユーロ・ドル建て短期市場 銀行間取引の混乱警戒 指標悪化、資金調達難しく:日本経済新聞
IMF、危機波及防止へ新融資 短期資金を供給:日本経済新聞

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共産党・志位委員長、欧州財政危機から日本の政権交代、共産主義の未来まで大いに語る

「朝日新聞」2011年11月23日

「朝日新聞」2011年11月23日

今日の「朝日新聞」オピニオン欄に、共産党の志位和夫委員長が登場して、東大教授の宇野重規さん(政治思想史)のインタビューに答えています。

質問はヨーロッパの財政危機から「なぜ、いま、マルクスなのか」、中国をどうみるか、政権交代、政党のあり方、社会主義・共産主義の「定義」まで多岐にわたっています。志位さんがなんて答えたのかというのもおもしろいのですが、僕は、ホストの宇野教授の質問や発言も非常に興味深く読みました。

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ユーロ圏の将来はどうなるか?

ギリシャ危機に始まったユーロ圏の金融不安は、イタリア、スペインにとどまらずフランスにまで広がりそうな状況。

そんななかで、こんな論評も流れている。政治家たちはギリシャのユーロ圏離脱はありえないというし、実際、ギリシャがユーロ離脱を余儀なくされたとすれば、次から次へと「弱い国」が狙い撃ちされるのは必至。したがって、政治的には「ありえない」のだが、はたしてそれですむかどうか。

焦点:「秩序ある再編」探るユーロ首脳、ギリシャ離脱賛成も | Reuters

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「ウォール街を占拠せよ」運動はアメリカでどう見られているか

ニューヨークの「ウォール街を占拠せよ」運動について、「日本経済新聞」が昨日の夕刊、今朝の朝刊と続けて好意的?な論評を掲載しています。書き手は、どちらもニューヨークの西村博之記者。

なるほどと思ったのは、「過剰な収益追求が金融危機を招き、そのツケを国民に負わせた」との主張がアメリカ国内でも受けとめられているということ。これまで利益を独占してきた少数の銀行家・投資家が、ひとたび「金融危機」が広がると、社会の負担で損失を回避しようとすることにたいする批判だ。

資本主義の立場に立っていても、行き過ぎた金融グローバリズムがもたらす矛盾に目を向ける――当たり前のことなのですが、日本では、そういった論調があまりにもなさ過ぎです。

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フィナンシャル・タイムズ紙に論評「マルクスは銀行の未来について何を教えるか」

こっちは、11月6日付でフィナンシャル・タイムズ紙にのった論評「マルクスは銀行の未来について何を教えるか」。マルクスの言ったことは間違いだと言いつつも、マルクスの前提には示唆的なものもあるとして「資本主義は『生産様式の桎梏 a fetter on the mode of production』になるので一掃されるだろう」というマルクスの考えを取り上げています。

What Marx tells us about the future of banks – FT.com

ヘッポコ訳、完成です

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そろそろイタリアの番ですか…ね

ギリシャのパパンドレウ首相が辞任して一段落?したかと思えば、次はイタリアが危ないといわれだした。しかし、フィンランド首相が言っているみたいに、イタリアは公的資金で支援するにはでかすぎる(もちろん、デフォルトしたときにもでかすぎるのだが)。

止まらぬ金融界のデレバレッジ、本邦勢も欧州国債を処分売り | Reuters
「危険水域」のイタリア、生き残る唯一の道はECBの支援 | Reuters
イタリア、救済するには大き過ぎる=フィンランド首相 | ビジネスニュース | Reuters

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BBC “マルクスは資本主義については正しかった”

the revolution of capitalism - bbc 3 sep. 2011

ちょいと古い話題ですが、イギリスのBBC放送のA Point of View(視点)という番組で、9月3日に、The revolution of capitalism(資本主義の革命)と題してマルクスの資本主義論が取り上げられました。

中身は、「カール・マルクスは共産主義については間違っていたが、資本主義の大部分については正しかった」、資本主義は自分自身の社会的基盤である中産階級を破壊してきた、というもの。共産主義についはともかく、資本主義論としてはおもしろい議論です。

BBC News – A Point of View: The revolution of capitalism

というわけでヘッポコ訳をしてみました。

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文字どおりの一喜一憂?

ギリシャ国債の50%減額などで合意して、これでとりあえずなんとかなる…と報道されたのが、わずか2日前。昨日は、ニューヨークで3ヵ月ぶりの株価回復と言われたのですが、早くもリスク回避の動きが始まっているというニュース。

米国債(28日):反発、リスク志向後退 – 欧州危機への楽観薄れ(1) – Bloomberg

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ギリシャ 反対デモ2日目

緊縮政策の押しつけに反対するギリシャの大抗議デモ。2日目も、引き続き大規模なストライキとともに国会周辺はデモ隊が埋め尽くしているらしい。

ところで、先ほどの日本テレビ ニュースZEROによれば、デモ隊のなかで、整然とした抗議行動をおこなうべきだと主張する労働組合などと、昨日、火焔瓶などを投げて「暴徒化」した一部学生?との小競り合いが起こっているらしい。大事な動きかもしれない。

ギリシャ 緊縮策反対デモ続く:NHKニュース

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マルクスに世界経済を救うチャンスを!

Give Karl Marx a Chance to Save the World Economy - bloomberg Aug 29, 2011

今日の綱領講座で、志位さんが紹介していたジョージ・マグナス氏(UBSインベスティメント・バンク上級経済顧問)の論文というのは、こちら↓。ブルームバーグというアメリカの経済誌に載った論評です。

Give Karl Marx a Chance to Save the World Economy: George Magnus – Bloomberg

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現在の株価約48兆ドル – 半年で10兆ドル消える

世界の株式時価総額の推移(「読売」2011年10月1日付)

世界の株式時価総額の推移(「読売」2011年10月1日付)

今日の「読売新聞」に載っていたグラフ。今年に入ってからの世界の株式時価総額の推移を表わしたものですが、これによれば、現在の世界の株式時価総額は合計で約48兆ドル。円に直すと、約3600兆円ほど。……見当もつきませんねぇ〜。(^_^;)

ギリシャ国債の信用不安などで、この半年だけで約10兆ドル、776兆円あまりが消えてしまいました。日本のGDPが約500兆円程度ですので、日本1国分以上が消えてしまったということになります。株価など金融市場の動向や格付会社に振り回される資本主義に、本当に未来はあるのでしょうか。

世界同時株安、半年間で時価総額10兆ドル消失:読売新聞

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10兆円の国民負担 だれが責任をとるのか?

少し前になるが、「読売新聞」9月21日付に載っていた「金融行政転換 代償10兆円」という記事。

古い話だけれども、バブル崩壊後の金融機関の破綻処理で48兆円近くの公的資金が投入されたが、これまでに返済・回収されたのは約27兆円。残り21兆円ほどのうち、すでに約10兆5000億円が焦げ付いて、国民負担が確定している。

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大銀行は破綻処理したほうが経済は回復する

昨日の「読売新聞」に、「アイスランド、金融危機克服」という記事が出ていた。

中身は、ヨーロッパ経済の先行き不安がいわれるなかで、2008年に深刻な金融危機に見舞われた「アイスランドが着実に経済回復を果たしつつある」というもの。実際、2009年には実質GPDは-6.9%を記録したが、今年1〜3月期には前期比2.0%の伸びを示している。

興味深いのは、その一番の要因が、負債を抱えた大手銀行を救済せずに破綻させたことにある、というのだ。

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