木村敏『関係としての自己』についての野田正彰氏の書評

木村敏氏の『関係としての自己』(みすず書房、2730円)についての書評を、精神科医の野田正彰氏が「東京新聞」に書かれています。

その末尾で、野田氏は、次のように指摘されています。

ヴァイツゼッカーは「生それ自身は死なない、個々の生き物だけが死ぬ」といって、ナチによる精神障害者の殺害を受け入れていった。著者が高く評価する西田幾多郎にしても「皇室は主体的一と個別的多との矛盾的自己同一としての自己自身を限定する世界の位置にある」と述べて、天皇教に擦り寄っていた。こんな他者や歴史との間にある自己は、著者の関心の外にあるようだ。

これを「無い物ねだり」と言って非難することは可能ですが、やはり、今日、ハイデガーやヴァイツゼッガー、西田幾多郎などに言及するのであれば、こうした点を問わない訳にはいかないでしょう。野田氏だからこそできる問いかけだと思います。

※このヴァイツゼッガーは、精神医学者のヴィクトル・フォン・ヴァイツゼッカーのこと。「荒れ野の40年」の演説をしたリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー元ドイツ大統領とは別人ですので、お間違えのないように。

いっそのこと災害救援を本体業務にしては?

スマトラ沖大地震の津波被害のような大災害のときには、持てる力のすべてを使って救援活動をおこなうのは当然ですが、ともかく自衛隊を海外へ出そうという魂胆が見えすぎです。

それに、自衛隊を活用すると言っても、もともと災害救援を目的としていない組織だし、軍隊ゆえに受け入れにくいという問題もあります。いっそのこと、災害救援、人道復興支援を本体業務として、余業で、緊急時には日本を防衛する、というのはどうでしょう?

防衛庁長官、災害救援での協力提唱 自衛隊活用を強調(朝日新聞)
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アフリカについて考えた/勝俣誠『現代アフリカ入門』(岩波新書)

勝俣誠『現代アフリカ入門』

あらためてアジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国の動きが注目されていますが、アジア諸国やラテンアメリカ諸国の動きは、直接の交流もあって、だいぶ分かってきたのにたいして、まだまだよく分からないのがアフリカ諸国。直接の交流も、地中海沿岸のイスラム教諸国の一部と南アフリカ共和国に限られています。そこで、もう14年前の本になりますが、勝俣誠さん(明治学院大学)の岩波新書『現代アフリカ入門』を読んでみました。

結論からいうと、同じ新興独立国といっても、アジア諸国とアフリカ諸国とではずいぶんと様子が違うということがよく分かりました。第2次世界大戦以前から独立運動の歴史をもつアジア諸国にたいし、アフリカ諸国では、50年代、60年代になって突如「独立」が浮上してきたといいます。また、経済発展という点でも、独立後、それなりに自生的な発展の道をきりひらいてきたアジア諸国と、アフリカ諸国の現状とは対照的です。

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ストラヴィンスキー「火の鳥」全曲版/日フィル定期

当日のプャ??ラム(イラスト:小澤一雄)

3日、サントリーホールで日本フィルハーモニー交響楽団の第570回定期演奏会を聴いてきました。プログラムは、

  • 北爪道夫:「様々な距離」 本フィル・シリーズ第39作(初演)
  • モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
  • ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1910年全曲版)

この日の秀逸は、何といっても、「火の鳥」全曲版。正直言って、ストラヴィンスキーの曲はあまり好きではなかったのですが、この日の演奏を聴いて、自分の不勉強を痛感しました。(^^;) そもそも「火の鳥」は1919年の組曲版しか聴いたことがなく、全曲版を聴いてみると、まったく印象が違うのに驚きました。

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確かに不思議…

CROSSBREEDの管理人ayuさんが紹介(アナタの考えを当てる驚異の人工知能?! (CROSSBREED クロスブリード!))されていますが、20の質問にハイ、イイエで答えるだけで、あなたの考えていること(というより実際はモノですが)が分かってしまうという、驚異の人工知能です。

で、こちらが本家の人工知能研究所

不思議です。簡単なものだと20回になる前に正解を当てられたりします。みなさんも挑戦してみてください。