この本は、2004年4月27日の日記「最近読んだ本いろいろ」に書いてあるとおり、ちゃんと買ったし、そのときぱらぱらにせよ読んでいるのだけれども、あらためて探してみると、どこへ行ってしまったのか見つからず…。仕方なく、もう1度買い込んできました。(^_^;)
すでに書いたことだけれども、アメリカの『年次改革要望書』などを材料に、アメリカがどんなふうに日本を改造しようとしているか、また、これまでの日本の政府やメディアが、いかにそれに乗せられてきたかを暴露しています。それを、著者自身が自分で調べて、情報に行き着いて、点と点が結びついて、アメリカの正体が分かってきた、というところを体験風に書いているので、かなり面白く読めます。
日本の対米従属というものは、占領以来で、1951年の安保条約(旧)あるいは60年の安保改定で、体制的にビルトインされてきたものですが、他方で、本書が明らかにしているように、1980年代後半からのアメリカの介入と日本の追従は、それとまたちょっと異質な、世界ではちょっとありえない、底なしの追従ぶりのようです。
おりしも今日、京都迎賓館で小泉・ブッシュ会談がおこなわれましたが、米軍再編問題と自衛隊のイラク派兵、それに牛肉輸入再開問題でのアメリカ言いなり、唯々諾々ぶりは、あきれるほど。いまや、アメリカ言いなりにどこまでやれるかが、政権主流の必須条件になってしまったようです。
それにしても、あらためて買ってみると、この本はすでに13刷。相当に売れてますね。これで、政府の「アメリカ言いなり」の異常さが広く共通の認識になれば言うことなしです。(^_^;)
それと、本書で紹介されている文献は、あらためて読んでみる価値がありそうです。これまでも、この手の日米関係の暴露ものは、いろいろと読んではいたのですが、全体をどうみるかという見取り図がないと話の筋がちーとも見えてきません。それだけに、もう一度、本書を手がかりに、85年以降の日米関係を洗ってみるといろいろ面白いことが見えてくるかも知れません。(でも、そこまで手が回るだろうか…)
【書誌情報】著者:関岡英之/書名:拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる/出版社:文藝春秋(文春新書376)/出版年:初版2004年4月刊/定価:本体700円+税
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