東シナ海での中国によるガス田開発について、興味深い論文を見つけたので、ちょっと紹介しておきます。
その論文は、昨年(2005年)の『週刊東洋経済』10月1日号に掲載された「非常識な日本側の要求 中国と共同開発交渉を」という論文。筆者は、元石油資源開発取締役の猪間明俊氏。
猪間氏は、おおむね次のようなことを指摘されています。
国連海洋法条約は2つの規定を定めている。1つは、いわゆる中間線で、陸地から200カイリの各国のEEZ(排他的経済水域)が重なり合う場合、その中間線をもって境界とするという規定。もう1つは、国土の地形・地質的自然延長としての大陸棚はそれに接する国のものという規定。日本は中間線を主張し、中国は東シナ海の大陸棚と「沖縄トラフ」までの権利を主張している。つまり、中間線と沖縄トラフとの間の海域が、日中両国の「係争海域」である。
海洋法条約の2つの規定には相反するものがあるが、どちらの規定を優先するかは決められていない。したがって、関係国の話し合いで決するか、国際司法裁判所に判定してもらうしかないが、世界的には「自然延長論がやや優勢」で、「司法裁判に持ち込むと中国側に有利な判決が出て、日本は係争海域の権利を失うおそれがないとはいえない」。(要旨)
ここまでは、海洋法条約の一般的な理解。以下が、石油資源開発のプロとしてのご意見。
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