キヤノンがらみで、偽装請負に関するニュースが2つ。
1つは、キヤノンの工場で働く請負労働者が、「偽装請負だ」として、キヤノンに正社員としての雇用を申し入れたというニュース。もう1つは、そのキヤノンの御手洗氏が政府の「経済財政諮問会議」で、請負にかんする法律が厳しすぎるとして「見直し」を求めたというニュース。
後のニュースを読むと、御手洗氏のねらいが、請負労働者に対して受け入れたメーカーが直接指示できるようにしたいというのが、「見直し」の一番の要求であることが分かります。で、その「見直し」が実現したとすると、最初のニュースの請負労働者が「偽装請負だ」と訴えることができなくなる、という仕掛けになっています。
請負というのは「業務」を請け負うもの。メーカー側がいちいち指示を出さないと生産できないようなところが業務を請け負うということ自体が、そもそもおかしいのです。
キヤノンの偽装請負、労働者が正社員化申し入れ(朝日新聞)
請負法制「無理ありすぎる」 御手洗氏、経財会議で発言(朝日新聞)