中国残留孤児の方々の帰国が遅れたのは国の責任だとし、帰国後の支援も不十分だとする画期的判決。
そもそも、1972年まで国交正常化が遅れたことも、残留孤児の帰国を遅らせた原因の1つ。引き揚げのなかで、さまざまな理由で帰国できなくなった人たちがいることは、敗戦直後から分かっていたこと。ただちに、そうした人たちを探し、帰国できるようにするのは、国の第一義的な義務だったはずです。にもかかわらず、アメリカの政策に追随して、戦後30年近くも国交不正常な状態を放置し、さらに、その後も帰国に取り組もうとしなかった責任は重大です。「国策による棄民」と批判されても仕方ありません。